墓前

2010年07月02日 00:00

PM 03:50
私はミケのエサ場から帰るK夫妻とサイクリングロードで擦れ違った。
ふたりを見送る私の目に、自転車に乗る見慣れた人の姿が飛び込んできた。
その人は私と目を合わすことなく、ボス母のエサ場に続く小路へ入っていった。

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その人のあとを追い、私も同じ小路へ入っていった。
私の思ったとおり、その人はIおばさんだった。



ボス母はすぐに姿を現した。
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そして、Iおばさんが与えたエサを食べはじめた。
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Iおばさんが帰ると、ボス母は植込みの中へ入っていった。


「なあ、最近娘の姿を見かけないんだけど、元気でいるのか‥‥?」
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どうやら、近くに棲む母娘でもお互い顔も見ていないようだ。


ミケの墓前には、新たな花が供えられていた。
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表札も移されている。
ミケの元には毎日誰かが訪ねてくれているようだ。



新しい苗も植えられている。
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これはゆきママさんが植えたベゴニアだ。


そこへウォーキング途中のTANYさんが墓参に寄ってくれた。
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「ミケちゃんにはずいぶん癒されました」とTANYさんはしみじみと言った。


それから私達はミケの側でしばらく語り合った。
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TANYさんは、飼っていた愛犬の話、そして自身の大病の話を語ってくれた。


TANYさんと入れ違うように、ゆきパパさんとゆきママさんがミケに会いにきた。
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ゆきママさんは、今日も新たな苗を持ってきていた。
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名を訊くと「五色ドクダミよ」と教えてくれた。
ドクダミには解毒や利尿作用があり民間薬としても用いられる。



ゆきママさんのメッセージボード。
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ミケは未だに多くの人を癒し続けている。
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未発表写真を探していたら、珍しいモノが見つかった。サンマの爪とぎシーンだ。
このシーンを省いた経緯は忘れたが、おそらく写真の枚数が多かったためだと思われる。
敢えて擬音を入れないでそのまま掲載する。途中、サンマらしい妙な動きが見られる。

2010年 如月 某日

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同じ日のミケ。
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在りし日 その弐

2010年07月01日 00:00

2010年 睦月 某日
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サンマは所在なさそうに、独りエサ場の外にいた。
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「サンマ、鼻の調子はどうだ?」


私を認めたミケは、おもむろに伸びをした。
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そして、ゆっくりと私に近づいてきた。


私は持ってきたカリカリを二匹に与えた。わざと食器を近づけて‥‥
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腹が満たされたミケは、隣のサンマに目をやった。
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サンマが食事に専念しているのを確かめると、ミケはそっとその場から離れた。


そのミケをサンマは上目遣いで追ったが‥‥
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結局、腹を満たすことを優先したようだ。


ミケは暖かい陽だまりに移動した。
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サンマはまだ食べ続けている。


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そしてついにはミケが残したエサにまで食らいついた。


サンマの食欲は今日も旺盛だ。
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「満足したか、サンマ‥‥?」


エサを食べ終えたサンマが側に来ると、ミケは威嚇の声を上げた。
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するとサンマはミケの迫力に気圧されたのか、歩みを止めてしまった。


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ミケはサンマを再度威嚇した。


サンマはミケに近づくのを諦めたのか‥‥?
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いや、サンマは諦めてはいなかった。
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よく見ると、サンマはミケとの距離を微妙に縮めている。


図に乗ったサンマは、いきなりミケとの距離を詰めた。
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さすがにこの急接近は、ミケの逆鱗に触れてしまったようだ。


ミケは低い唸り声でサンマを威嚇しはじめた。
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サンマはすごすごと場所を移動した。


次の瞬間、ミケはサンマの側から姿を消した。
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そして‥‥サンマは独り残された‥‥
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「サンマ、めげるなよ‥‥」


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在りし日

2010年06月30日 00:00

2009年 師走 某日
夕刻、私は再び湘南海岸へ足を運んだ。
海岸は、海風を待ちわびていたウインドサーファー達で賑わっていた。

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そして彼らは、セイルに海風を受けて次々と沖へ出ていった。


私の来訪を知ったミケは小屋から出てきて、大きな伸びをした。
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「何だ、今まで小屋で寝てたのか‥‥起こして悪かったな」


サンマは私がミケのため急遽作った居場所にいた。
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しかし一部割れた発泡スチロールが不安定なせいか、サンマは落ち着かない様子だ。


ミケとサンマがすれ違った。
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サンマはミケを振り返ったが、ミケはシカトを決め込んだ。


「ミケ、やっぱり、サンマとは仲良くできないか‥‥?」
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ミケは何も応えない。


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ミケは気がついていない‥‥サンマが背後に忍び寄ったことを‥‥


ミケを見つめるサンマの眼は、何故か険しい。
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サンマは一瞬たりともミケから眼を離さない。


ミケの後姿はまるっきり無防備だ。
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私にもサンマの次の行動は‥‥読めない。


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ミケは未だサンマの存在に気づいていない。
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サンマも、何故かその場から動こうとしない。


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サンマが忍び寄ってから、そろそろ10分が経とうとした、次の瞬間だった‥‥



ミケはやっとサンマの存在に気づき、小屋の方へ小走りで逃げた。



サンマもすぐにあとを追った。
そうして二匹は場所を移して、対峙した。

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ミケが唸り声でサンマを威嚇している。


ミケは何を思ったか、次に傘の陰へ逃げ込んでしまった。
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私には、この行為でサンマの接近を防げるとは思えなかった。


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サンマはそのミケに、警戒しながらゆっくりと近づいていった。


サンマは、まず前足で傘をつついてミケの出方を窺う。
ミケの猫パンチを恐れてか、いきなり傘の中には入っていかない。

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次に傘の下から慎重に様子を窺いはじめた。



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逆立った背中の毛から、サンマの緊張が伝わってくる。


そのうちに傘を挟んで、ミケとサンマは動かなくなった。
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そうして膠着状態が続くことになった。


あらしさんの登場で、やっとその膠着は解けた。
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サンマからさっきの緊張感は微塵も感じられない。


あらしさんの前では、何故か二匹の形勢が逆転した。
ミケに一喝されると‥‥

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サンマは怯んでミケから離れてしまった。
「いったい、この二匹の関係はどうなっているんだ‥‥?」



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参拝者

2010年06月29日 00:00

AM 05:50
私は早朝の湘南海岸へ赴き、ミケの墓に参った。

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しばらくすると、散歩おばあちゃんがエサ場を訪れた。
このおばあちゃんは、毎朝ミケに会うのを楽しみにしていた。
ミケに向かって「もう会えないと思うと寂しいわ」と言い手を合わせた。

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次にdodoさんが焼香に来てくれた。
dodoさんのブログにも毎日のようにミケが登場していた。
私よりもdodoさんの方が、ミケとの付き合いは長い。



Tさんもミケに会いに来た。
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そこへゆきママさんも墓参にやって来た。
ミケは寂しくないだろう‥‥こうやって朝早くから多くの人が訪れてくれるのだから‥‥





夕刻、再びミケの墓を訪れると、遺影に傘が立てかけてあった。
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「ミケ、お前はホントに多くの人に愛されていたんだなぁ」


狸の墓に新しい花が供えられていた。
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「いったい誰だろう‥‥?」


そしてボス母の仔の墓にも‥‥
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ここには心優しい人達が集まって来るようだ。


家路に就いた私を、歩道橋の手前で呼び止めた人がいた。
それは以前、ミケのエサ場で何度か顔を合わせた男性だった。

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私はその男性にミケの悲報を伝え、墓に案内した。


ミケに会いたい人はここへ来るといい。
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ミケはいつでも人懐こい顔で迎えてくれるだろう‥‥



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2010年06月28日 00:00

PM 04:05
急ぎ作った遺影を持って、私はミケに会いにいった。

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そしてペットボトルを加工した花立を作り、供えられていた花をそれに生けた。


小屋にあったミケの表札が、誰かの手により墓に供えられていた。
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そこへK夫妻がやって来た。ふたりはミケの他界を知らなかった。
昨日私が送った2通のメールを、まだ読んでいなかったのだ。

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自らが急遽作った線香立にKおじさんが焼香した。


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ゆきママさんもミケに会いにきた。


ゆきママさんはミケの墓前に花を供え‥‥
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焼香した‥‥


三人がエサ場を去ってしばらくすると、猫好きおじさんがふらりと現れた。
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おじさんは無言で、ミケの遺影を長いこと見つめていた。


エサ場のそこかしこに、ミケの生きた証が残されている。
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ミケはここで豪快な爪とぎを、何度も私に披露してくれた。


この杭にも、ミケの爪跡をはっきりと見ることができる。
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『ガリガリ』と爪をとぐ音が、今でも私の耳に残っている。


天気のいい日、よく体を丸くして寝ていた『日向ぼっこデッキ』‥‥
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そして最後にお気に入りだった場所‥‥
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ミケのエサ場。
ここは私にとって特別な場所だった‥‥

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様々な思い出が交錯して簡単には語れないが、私の人生に於いても忘れられない場所になるだろう。


それから私は、ミケと向かい合わせの椅子に長い間座っていた。
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その間、私が一方的に喋り続け、ミケは黙って聞いていた。
最後はオヤジの愚痴になってしまい、きっとミケは辟易としたことだろう。



「ミケ、迷惑だと思うが、この線香が消えるまでもう少し話を聞いてくれ‥‥」
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