2010年04月15日 23:05
PM 03:40
小雨がぱらつく湘南海岸。気温は5℃を少し超えたくらいだろう。
冬に逆戻りしたような寒さだ。そのためか、砂浜に人影はない。

海は凪いで、サーファーの姿も見えない。
サイクリングロードを行き交う人も殆んどいない。

ミケは何処からか私の姿を認めたらしく、迎えに出てくれた。

ミケの体はしっとりと濡れていた。
何と、サンマが戻っていた。

サンマの姿をこのエサ場で見るのは、四日前の日曜日以来になる。
それも、西へ向かうサンマを私が連れ戻した時だ。
ミケは私のあとを追って、道路近くまで出てきた。

そこへ顔見知りの人が近づいてきた。TANYさんだ。
ミケは、何故かよしずの上にうずくまった。

TANYさんは、そんなミケに無理に近づこうとせず、優しい目で見つめるだけだ。

ミケの気紛れは、今に始まったことではない。
小雨が降る中、TANYさんは帰っていった。

小屋の中には既にカイロが仕込まれていて暖かい。ねこタカイさんが来たようだ。


「サンマ、お前今まで何処へ行ってたんだ?毎日捜してたんだぞ」
「ボスんとこの三毛にも振られたのか?」
右の鼻から鼻水が覗いている。

私はサンマの鼻水を拭き取ることにした。サンマは嫌がるだろうが、仕方がない。
サンマは鼻水を拭き取られると、いきなり行動的になる。
今日も小走りで東の植込みに行き、ミケが残したエサにがっつく。

ミケは、そんなサンマを静かに見つめている。
今度は用足しだ。

感心なことに、砂が濡れているのにちゃんと後始末をした。そして、私に一瞥をくれた。
「サンマ、褒めて欲しいのか?」
腹を満たし、小便をしてスッキリしたサンマは、西へ向かって歩き出した。

「また、ボスのところへ行くつもりだな」
サンマは、今日も猫おばさんが置いてくれたペットボトルの水を飲む。

「サンマ、また西へ行くのか?」
サンマはそれには応えず、大きなあくびをし‥‥

毛繕いを始めた。

「サンマ、こんな寒い日に出掛けることないだろ。ミケのエサ場へ戻ろう」
しかし、サンマはその場から動こうとしない。

サンマの眼つきは、鼻水を垂らしていた時とは明らかに違っている。
「余計なことをしたかな‥‥」
私はサンマを残し、ミケのところへ戻ることにした。

「サンマ、お前も戻って来るんだぞ」
ミケは小屋に入らず、よしずの上で待っていた。

そして、私が写真を撮るためにしゃがむと、足元に近づいてきた。

ついには私の足の間に潜りこんでしまった。
私がしゃがむ度にミケが近づいてくる。

この時、ミケの表情が笑っているように見えた。
ところが次の瞬間、ミケの表情は一変する。眼つきがいきなり険しくなった。

ミケの表情を一変させたのは、可愛い小型犬だった。

体の大きさはミケと同じくらいだ。
しばらくの間、ミケはサイクリングロードを行き交う人を観察していた。

私はミケを暖かい小屋へ誘った。

「ミケ、こっちへおいで」
私は小屋の側にしゃがんでミケを呼んだ。
しかし、ミケは私の誘いを断った。

既に辺りには夕闇が迫っていた。
「ミケ、早く小屋に入るんだよ。ねこタカイさんがカイロを置いてくれたから暖かいぞ」

途中、サンマがいた防風林を覗いてみた。

しかし、サンマの姿は既になかった。

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小雨がぱらつく湘南海岸。気温は5℃を少し超えたくらいだろう。
冬に逆戻りしたような寒さだ。そのためか、砂浜に人影はない。

海は凪いで、サーファーの姿も見えない。
サイクリングロードを行き交う人も殆んどいない。

ミケは何処からか私の姿を認めたらしく、迎えに出てくれた。

ミケの体はしっとりと濡れていた。
何と、サンマが戻っていた。

サンマの姿をこのエサ場で見るのは、四日前の日曜日以来になる。
それも、西へ向かうサンマを私が連れ戻した時だ。
ミケは私のあとを追って、道路近くまで出てきた。

そこへ顔見知りの人が近づいてきた。TANYさんだ。
ミケは、何故かよしずの上にうずくまった。

TANYさんは、そんなミケに無理に近づこうとせず、優しい目で見つめるだけだ。

ミケの気紛れは、今に始まったことではない。
小雨が降る中、TANYさんは帰っていった。

小屋の中には既にカイロが仕込まれていて暖かい。ねこタカイさんが来たようだ。


「サンマ、お前今まで何処へ行ってたんだ?毎日捜してたんだぞ」
「ボスんとこの三毛にも振られたのか?」
右の鼻から鼻水が覗いている。

私はサンマの鼻水を拭き取ることにした。サンマは嫌がるだろうが、仕方がない。
サンマは鼻水を拭き取られると、いきなり行動的になる。
今日も小走りで東の植込みに行き、ミケが残したエサにがっつく。

ミケは、そんなサンマを静かに見つめている。
今度は用足しだ。

感心なことに、砂が濡れているのにちゃんと後始末をした。そして、私に一瞥をくれた。
「サンマ、褒めて欲しいのか?」
腹を満たし、小便をしてスッキリしたサンマは、西へ向かって歩き出した。

「また、ボスのところへ行くつもりだな」
サンマは、今日も猫おばさんが置いてくれたペットボトルの水を飲む。

「サンマ、また西へ行くのか?」
サンマはそれには応えず、大きなあくびをし‥‥

毛繕いを始めた。

「サンマ、こんな寒い日に出掛けることないだろ。ミケのエサ場へ戻ろう」
しかし、サンマはその場から動こうとしない。

サンマの眼つきは、鼻水を垂らしていた時とは明らかに違っている。
「余計なことをしたかな‥‥」
私はサンマを残し、ミケのところへ戻ることにした。

「サンマ、お前も戻って来るんだぞ」
ミケは小屋に入らず、よしずの上で待っていた。

そして、私が写真を撮るためにしゃがむと、足元に近づいてきた。

ついには私の足の間に潜りこんでしまった。
私がしゃがむ度にミケが近づいてくる。

この時、ミケの表情が笑っているように見えた。
ところが次の瞬間、ミケの表情は一変する。眼つきがいきなり険しくなった。

ミケの表情を一変させたのは、可愛い小型犬だった。

体の大きさはミケと同じくらいだ。
しばらくの間、ミケはサイクリングロードを行き交う人を観察していた。

私はミケを暖かい小屋へ誘った。

「ミケ、こっちへおいで」
私は小屋の側にしゃがんでミケを呼んだ。
しかし、ミケは私の誘いを断った。

既に辺りには夕闇が迫っていた。
「ミケ、早く小屋に入るんだよ。ねこタカイさんがカイロを置いてくれたから暖かいぞ」

途中、サンマがいた防風林を覗いてみた。

しかし、サンマの姿は既になかった。

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