エサ場

2010年06月26日 00:00

PM 03:20
私は2日振りに湘南海岸へ足を運んだ。
今日は休日だが、小雨が降る海岸に人影は疎らだ。

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ミケのエサ場前でK夫妻と遭遇した。
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ミケとサンマがいなくなったエサ場を、ふたりは毎日訪れ、異常がないか確かめてくれていた。


K夫妻と入れ違いに、TANYさんがエサ場を訪れた。
TANYさんは「ミケもサンマもいないのは分かっているのに、つい立ち寄ってしまうですよ」と言った。

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私はTANYさんにミケとサンマの近況を報告した。
「そうですか‥‥」とTANYさんはポツリと言った。



TANYさんが帰ったあと、私はエサ場の中を見て回った。
私がエサ場に足を踏み入れるのは、ミケがタカイ夫妻に保護されてから初めてだ。

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ミケとサンマとの濃密な思い出があるこの場所は、今の私にとって忌避したい場所になっていた。


ここは、ミケがこのエサ場を離れるまでお気に入りだった場所だ。
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ミケお気に入りの水入れが転がっていた。
それを見た私の胸中は、切ない思いでいっぱいになった。



主のいない小屋も寂しさを誘うばかりだ。
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『ミケ』と書かれた表札を見るのも‥‥辛い。


サンマがあらしさんに保護されてから、この場所は支援者達の集会場だった。
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誰もが競うようにミケを膝に乗せ、そして猫談義に花を咲かせていた。
しかし‥‥今ここを訪れる人は‥‥誰もいない。



早朝のミケは、この柵の角に登り道行く人を観察していた。
ミケエリア100626-09.jpg
その時、ミケは何を感じていたのだろう‥‥?


今日、ねこタカイさんからの報告はなかった。


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シャングリラ

2010年06月25日 00:00

国道134号線に架かる歩道橋 6月25日 夕刻
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私はいつもこの歩道橋を渡って海岸へ出る。

ここを渡る時、私は世間のしがらみと本名を捨て、ひとりの猫好きオヤジ『wabi』になる。

私が海岸で知り合った人は意外と多い。
正確な人数を数えたことはないが、おそらく30人は超えていると思う。
しかし、その中に私の本名を知っている人は唯のひとりもいない。
同じように、私が顔見知りの中で本名を知っている人は限られている。
顔見知りのワンコの名は知っていても、飼い主さんの本名は誰ひとり知らない。

今まで誰も私の本名を尋ねないし、私もその人自ら本名を言わない限り訊いたことはない。
私達は本名をほとんど必要としなかった。

私がこのブログを始めた頃、家族にそのことを話した記憶がある。
しかし、タイトル、内容まで教えたのは県外に住む息子だけだ。
その他の身内、親族、友人には一切知らせていない。
wabiとしての私を知ったら、おそらくその人達は驚くだろう。
何せ本名としての私は、寡黙で人付き合いの悪いオヤジだから‥‥

湘南海岸とこのブログは、wabiという私にとっての『シャングリラ』なのだ。

ところが今日、そのシャングリラに架かる橋を、私は渡らなかった。
用事があり、ここに着いたのが午後4時近くだったのと、病院へ行く時刻が迫っていたこともある。
しかし引き返したのは、それだけの理由ではない。

歩道橋の向こうが、シャングリラとしての魅力を無くしはじめている気がしたからだ‥‥




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ミケとサンマの近況

2010年06月24日 00:00

【ミケ近影】ねこタカイさん撮影。
6月23日

ミケ100623-01.jpg
【ねこタカイさんからの報告】
明け方苦しそうな息使いをしたと思ったら、毛玉を吐きました。
その後、楽になったらしく、9時ぐらいから病院の処方食を自ら食べる。
午後 お腹が膨らんで見えて心配した矢先に、朝食べたものを吐きました。
夕方病院へ行き、何時もの処置をしてもらう。



6月24日
ミケ100624-01.jpg
【ねこタカイさんからの報告】
朝から食欲が無く、寝てばかり。
処方食はどれも食べなくなったので、イワシの煮付けを食べさせる。
これは、口にし易いらしく一匹食べました。
その後は何も口にしない。 水だけは自分で起き上がり、飲みに行く。
木曜日は病院が休みの為、点滴をしていません。 
その影響でもあるのか?






【サンマ近影】あらしさん撮影。
6月24日

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【あらしさんからの報告】
先日病院に行き、診てもらったところ、大分いいようです。
傷口はまだ塞がってませんが、肉も盛り上がってきてます。
食べる量は、海岸にいた時と比べると少ないです。
元々これが、この子のペースなのかもしれません。




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待ち人

2010年06月23日 00:00

国道134号線に架かる歩道橋。
私はさっきからここである人を待っている。

海岸100623-01.jpg
待ち合わせをしたわけでもなく、その人がここを通るかどうかも分からない。
私は当てもなく待っているのだ。



そこへ見知った人が歩いてきた。
それは、猫おじさんと猫おばさんだった。

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私は、ミケとサンマの近況をふたりに報告した。


先週17日にふたりは、Iおばさん、Tおじさん、猫好きおじさんらと姿を消したミケのことで一堂に会したと言う。
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私がIおばさんにミケの事を報告したのは、その2日後の事だった。


私の待ち人はついに来なかった。
そこで猫夫妻と一緒にボス母のエサ場へ行ってみた。

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ボス母はすぐに姿を現した。


与えられたエサを、ボス母は完食した。
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そして、猫おばさんに体を摺り寄せて甘えはじめた。


ボス母が、珍しく私の側へ近づいてきた。
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ボス母が私に触る事を許したのは、今日が初めてだ。


猫おばさんがボス母に別れを告げている。
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親しい人が去ると、どの野良も寂しげな表情を見せる。
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ボス母は私の視界にいる間、その場から動かなかった。


私は湘南海岸を3日振りに訪れたと思っていた。
しかしあとで確認すると、実際はあれから4日が経っていた。
それほど今の海岸は、私にとって希薄な存在になりつつある。

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ミケのエサ場には、3羽のカラスが所在なげに羽を休めていた。
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私はエサ場の前を素通りした。


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私は今日も長靴おじさんの小屋を訪れた。


ミケがエサを食べ、ウンチをしたことを報告すると、おじさんの顔が少しほころんだ。
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するとおじさんは、私をある所へ案内してくれた。


長靴おじさんは、一本の松の木を指さした。
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そして「幹が斜めになった松があるだろ‥‥俺の所にいた頃、ミケはあそこでよく寝ていたよ」と言った。


またミケがお気に入りだった、もう一本の松の木にも案内してくれた。
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その松はいかにも寝心地が良さそうだった。
私はミケがその松で寝ている姿をつい想像してしまった。



ミケは、ここで長靴おじさんと3年間一緒に暮らしていた。
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私にはこの海岸でやることが、まだ残っていた。
海岸猫に関わる何人かの人に、ミケとサンマがいなくなった事情を知らせなくてはならない。
中には10年以上もミケの世話をする女性がいるが、その人はネット環境を持っていない。



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【ミケ近影】ねこタカイさん撮影。
6月22日

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【ねこタカイさんからの報告】
昨日病院での処置で、食欲増進剤+精神安定剤を投与後のミケは帰宅後、暴飲・暴食を見せたが、今朝からはいつも通りに戻る。
今日の通院では、何時もの体温・体重測定と点滴投与。
帰宅後は少しだが自分で処方食を舐める。
その他は処方された活性炭と胃薬の錠剤を口の中へ投入。
体調の悪そうな様子は見受けられない。




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献身

2010年06月19日 00:00

6月19日 PM 04:20
私は2日ぶりに湘南海岸を訪れた‥‥ある目的を持って‥‥。

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休日の海岸は、この時刻でも多くの人で賑わっていた。


皮肉なものだ‥‥会いたいと願った時には会えず、願っていないと遭遇する‥‥。
海を眺める人をよく見ると‥‥Iおばさんだった。
この時刻にIおばさんが海岸へ来ることは稀な事だ。

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実は、このブログにコメントを寄せてくれたニャン丸さんのお母さんとIおばさんは知り合いだった。
ニャン丸さんのお母さんが、ミケの事をIおばさんに知らせてくれていた。
だから、私はここ数日のミケとサンマの様子を伝えるだけで済んだ。
「もう、あのエサ場には行きたくない」とIおばさんが言った。
それは、私も同じだ。



私には、どうしても直接会ってミケの事を伝えたい人がいた。
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その人は、この隘路の奥に住んでいる。


私が長靴おじさんの小屋を訪れるのは、これが三回目になる。
先の二回はチビ太郎を届けにきた時だ。
ミケは、このおじさんの小屋でしばらく暮らしていた。その辺の経緯は『ミケの過去』に詳しい。

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どうやらおじさんは在宅のようだ。
私は小屋に向かって「おじさーん、いるかーい!」と声をかけた。



長靴おじさんは髭を剃っている最中だった。
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ミケが重篤であることは、私のブログを見た人から聞いて知っている、とおじさんは言った。
しかし私が、ブログの記事に未だ書けない診察結果と最近のミケの容態を話すと、おじさんの顔色が変わった。



最近チビ太郎は、おとなしく小屋にいると言う。
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「おいチビ太郎、遊び相手がいなくなって寂しいか?」


「お前も犬には気をつけろよ」
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この場所でも、毎日白い犬を連れてきてリードを放すヤツがいる、と言う。
さらに「その度にコイツは松の木に登るか、俺にしがみつくんだ」と言った。
私が「今度そいつ来たら、怒鳴ってやればいい!」と言うと、おじさんは下を向いて黙った。
怒鳴りたくても怒鳴れないおじさんの弱い立場に思い至った私も‥‥同じように口をつぐんだ。



長靴おじさんが名を呼ぶとチビ太郎はすぐに歩み寄っていく。
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おじさんは、そんなチビ太郎を膝に乗せた。
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膝に乗るチビ太郎を、私は初めて見た。


チビ太郎はおじさんに甘えている。
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頼れるのはこの人しかいないと、分かっているように‥‥。


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チビ太郎も眼を病んでいる。強面に見えるのはそのせいだ。
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5年前、長靴おじさんに拾われた仔猫の時からチビ太郎の眼はこうだったと言う。
「だから、コイツは捨てられたんだ‥‥」とおじさんはつけ加えた。



幸い進行する病ではないので、チビ太郎が失明するようなことはないと言う。
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私達の話し声を子守唄代わりに、チビ太郎は眠ってしまった。


私は長靴おじさんに暇乞いを告げた。
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するとおじさんは「もしミケが逝ったら、俺の所へ連れてきてくれないか」と独りごちるように言った。
私は言下に「そうする」と約束した。



おじさんは私の背中に向かって「ありがとね」と言うと、チビ太郎を抱いて小屋へ入っていった。
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サイクリングロードでKさんと遭遇した。
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それから私達は、ミケとサンマの事で長い時間話しこんでしまった。


結局、Kさんとの立ち話は1時間近くに及んだ‥‥
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6月17日 夕刻のつづき
ブースカさんが帰った直後、再びミケの口から水を催促する音がした。
今度もねこタカイさんがすぐにミケの口元に水を差しだした

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水を飲む時のミケの表情は、相変わらず険しい。


おそらくミケは、自分の本能の赴くまま水を飲んでいるのだろう‥‥生きるために‥‥
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水を飲み終えたミケは、再び力なくソファーに横たわった。
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ねこタカイさんは、こうして朝からひとりミケに付きっ切りで看病を続けている。
その姿をモニター越しに見ていた私の目頭は、何故だか少し熱くなった。



薄く開かれたミケの眼は、何を見ているのだろう‥‥?
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「ミケ、頑張れよ‥‥またおじさんの膝に乗って一緒に海を眺めよう‥‥」


スープ状の食事ならミケは口をつける。
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しかし、ミケはそのスープを残した。


ねこタカイさんが、ミケの口の周りを丁寧に拭き取る。
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ミケが、そのねこタカイさんを見つめている。
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ミケは分かっているのだろう‥‥献身的に尽くしてくれるねこタカイさんのありがたさが‥‥


その後もミケは眠るわけでもなく、かと云って立ち上がるわけでもなく、ただその場に横たわっていた。
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ミケが動くのは、尿意を催した時だけだ。
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隣に敷かれた専用シートまで歩いていき、そこでオシッコをする。


ミケの可愛い寝姿を見ると、よけいに切なくなってしまう‥‥
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そこへ、仕事を終えたねこみどりさんが帰宅した。
ねこみどりさんは、すぐにミケの側へ駆け寄ってきた



タカイ夫妻は毎日、協力してミケに点滴をしている。
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でも、ねこタカイさんはこの点滴が苦手だ。ミケが可哀相でうまく針が刺せないからだ。
この時も、誤って自分の指に針を刺してしまった。
鮮血に染まったねこタカイさんの指を見た私は、胸がいっぱいになった。



点滴を終えたミケに、ねこみどりさんが優しく語りかけている。
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私は心の中で言った「ねこみどりさん、ミケは分かっていますよ‥‥おふたりの気持ちが‥‥」





以下、ねこタカイさん撮影。
6月17日 PM 09:52
この直後、ねこみどりさんはこのままの格好で眠ってしまったと、あとからねこタカイさんに聞いた。

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