ミケの同胞達Part7

2009年12月12日 17:12

AM6:35 湘南海岸の空は、灰色の雲に覆われている。
風景091212-01.jpg
しかし気温はこの時期としては高く、風が吹くと心地良いくらいだ。


ミケは、名を呼ぶ前に植込みから出て来た。
ミケ091212-01.jpg
「ミケ、おはよう。今日も元気そうだな」


今日の爪とぎはあっさりとしたものだ。無論、カメラ目線もなし。
ミケ091212-02.jpg
「なんだよ、あれじゃぁ効果音いれる価値なし」


砂が入り、残り少なくなった水を入れ替えてやる。
ミケ091212-03.jpg


ところがミケはエサを食べたあと、小屋に入ってそのまま出て来なくなった。
ミケ091212-04.jpg
後は向いてないが、昨日とまったく同じだ。
さっき、水を飲む写真をフラッシュを使って撮ったのが嫌だった様だ。



仕方ないので、ミケの機嫌が直るまで風景写真を撮ることにした。
200912121924345b8c.jpg


30分後に戻っても、ミケは小屋の中から動かない。
ミケ091212-05.jpg
「よし、こうなったら持久戦だ。今日は時間がたっぷりあるから、出て来るまで私も帰らないぞ」


それから20分後、猫おばちゃんが来てエサを皿に入れると、ミケはあっさりと小屋から出て来た。
ミケ091212-06.jpg


ミケの損ねた機嫌を直そうと、久し振りのブラッシング。
ミケ091212-07.jpgミケは気持ち良さそうにじっとしている。


でも、頭をブラッシングするとミケの顔に徐々に変化が表れ‥‥、
ミケ091212-08.jpg
何とも言えない表情になる。逃げないでいるということは、ミケは気持ちが良いはずだ。


撮影を終えたdodoさんがやって来て、いつもより長めにナデナデ、ゴシゴシをする。
ミケ091212-09.jpg
ミケも時折、至福の表情を見せる。


ミケ091212-10.jpg
「これから家に帰ってパンをかじったら、すぐに海に入りまーす」と言い残しdodoさんは帰って行った。


風景091212-03.jpg


ボスはぽつねんと海を眺めていた。
私の姿を認めると、ボスの方から近づいてきた。

ボス091212-01.jpg
そこで、頭カリカリをして応えてやる。

試しにエサを与えてみたら、ゆっくりだが口に運び始めた。
ボス091212-02.jpg
最初のエサを完食し、追加分もほぼ完食した。


ボスの体調は徐々に元に戻っているのかも知れない。「ボス、がんばれよ」
ボス091212-03.jpg


天気が急速に回復し、気温も上がってきた。
風景091212-04.jpg
今日は東のエサ場に行く予定だ。予報で昼間の最高気温が19℃にもなると聞いた。
そこで、今着ているダウンジャケットを荷物にしたくないので、一度帰宅して出直すことにする。



AM10:50 予報どおり太陽が昇るにつれて気温もぐんぐん上昇し、汗ばむほどだ。
風景091212-05.jpg


東のエサ場A
初めに姿を現したのは一号だ。

一号091212-01.jpg
そしていきなりの“遊んでちょうだい”ポーズ。


しかしこの一号、かなりの臆病者でちょっとした物音にも驚き、慌ててシートの陰に身を隠す。
一号091212-02.jpg


次に現れたのは、このエサ場で一番人懐こいロクだ。
ロク091212-02.jpg
こいつは、自ら人に近づいて来る。


そのロクの“地面ゴロゴロ”の連続写真。
ロク091212-01.jpg


シートの奥に眼だけ光っている。よく見ると、黒猫の二号だ。
二号091212-01.jpg
この野良は警戒心が強く、決して見知らぬ人間には近づいて来ない。


次のエサ場Bで初めて見る野良がいた。
ソックスやタビと同じキジ白だ。ソックスの父親か‥‥?

父猫?091212-01.jpg
オスかメスかは確認できなかったが、角ばった大きな顔、髭に似た模様などからオスの様な気がする。と、いうよりオスであって欲しい。


そこへ真打のソックスが登場。
この野良に会うのは二週間振りになる。

ソックス091212-01.jpg
名を呼ぶと、自ら近づいて来る。


背中をナデナデ、ゴシゴシしてやる。
ソックス091212-02.jpg


そこへ、偶然ミケのエサ場でときどき顔を合わせる猫好きおじさんが通りかかった。
ソックス091212-03.jpg


ソックスが私の手にじゃれる連続写真。
ソックス091212-04.jpg
私の手の甲に、ソックスの爪による引っかき傷ができたのは言うまでもない。


そして、そのまま体を撫でていると‥‥、
ソックス091212-05.jpg
ソックスは眠ってしまった。
前回も同じことを言ったが、こいつはホントに可愛過ぎる。



ソックス091212-06.jpg
「ソックス、今日はお前と遊べて楽しかったよ。ありがとね」



ソックス091212-07.jpg
「ソックス、また今度な。それまで元気でいろよ」



風景091212-06.jpg


ミケのエサ場に行くと、ミケもこの日の暖かさで気分が良いのか、サイクリングロードまで出て来た。ミケ091212-11.jpg
そして、ミケがお腹を見せて横になろうとしたまさにその時、自転車がエサ場に入って来て、せっかくのシャッターチャンスを逃す。


一言何か言ってやろうと自転車の主を見たら、先週も西のエサ場で会ったボランティアのIおばさんだった。
ミケ091212-12.jpg無論、私は笑顔を見せて「おはようございます」と言った。


その時、東側の植込みから一匹の野良が現れて、ミケのエサ場へ座り込んだ。
すると、Iおばさんが「サンマちゃん、サンマちゃんじゃないの!?」と驚いた声を上げた。

ミケ091212-13.jpg
Iおばさんの声に驚いたのか、縄張りに闖入してきた野良を恐れたのか、ミケはサイクリングロードへ飛び出してしまった。


サンマちゃんとは、先週行った西のエサ場にいたオス猫である。
しかし、Iおばさんも半信半疑の様子。姿を見せなくなって二、三ヶ月になるので、サンマちゃんは死んだと思い、周りの人にもそう言いふらしていた。

ミケ091212-14.jpg
Iおばさんは「やっぱり違う猫かな」などと言い、最後まで確信を持てないまま別の野良にエサを与えに行ってしまった。


西のエサ場の野良なら私も何匹か知っている。この野良にも見覚えがあった。
しかし、その頃より綺麗な猫になっている。毛の艶も以前より良い。

ミケ091212-15.jpg帰宅して以前の写真を探し、今日の写真と比べてみると、間違いなく西のエサ場にいた野良だった。


サイクリングロードに飛び出してから30分後、今度はミケが東側の植込みから姿を現した。
ミケ091212-16.jpg
警戒しながら植込みから出て来て、さっきさんまがいた辺りを凝視するミケ。


ミケはしばらく同じ場所から動かず、自分のエサ場の様子を窺っている。
ミケ091212-17.jpg


柵の外へ出てからも、自分のエサ場を盛んに気にしている。
ミケ091212-18.jpgそして、エサ場の方を向いたまま動かなくなった。


ミケ091212-19.jpg
そのうち、エサ場を向いたまま寝転んでしまった。


ミケ091212-20.jpg
「ミケ、おじさんはこれで帰るけど、あの通りすがりの野良のことは、あまり心配するなよ」


風景091212-07.jpg


風景091212-08.jpg


風景091212-09.jpg
今日は時間を忘れて野良達と遊び、ミケのエサ場ではちょっとしたハプニングで時間を取られ帰宅したのは午後二時半。それから、遅い昼食をとった。



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ミケの同胞達Part8

2009年12月20日 17:13

AM6:45 今朝の湘南海岸も真冬の寒さだ。寒風が吹き、寒さがさらに増す。
風景091220-01.jpg
それでも、陽が射すと心身ともに暖かさを感じるから不思議だ。


ミケは柵の上にいたが、私を認めると柵から下りて来た。
ミケ091220-01.jpg
サンマは私が作った居場所で、寒そうにぽつねんとしていた。


ほとんど無くなっていた水を入れ替えると、二匹ともガブガブと飲む。
ミケ091220-02.jpg


ミケは柵の外で日向ぼっこを始めた。
ミケ091220-03.jpg


そこへ、何気ない様子で近づこうとするサンマだったが‥‥、
ミケ091220-04.jpg
ミケの激しい威嚇に遭い、サンマは意気消沈の態。


さらに、ミケに離れて行かれ、うな垂れるサンマ。
ミケ091220-05.jpg
「サンマ、それくらいで諦めるんじゃない!」と、つい応援したくなる。


その様子を見ているおばさま方。
ミケエリア091220-06.jpg


ミケの爪とぎが始まった。今日も念入りに研いでいる。
ミケ091220-07.jpg


ミケ091220-08.jpg
これはサンマに対する示威行為なのか‥‥?


サンマが、性懲りもなくミケに近づこうとしている。「頑張れ、サンマ!」
ミケ091220-09.jpg
しかし、ミケの気迫に気圧され、何故か自分の鼻水を一舐めして引き下がった。
「何やってんだ、サンマ。お前ホントに情けないヤツだなぁ」



ま、この見てくれじゃミケが嫌がるのも無理はない。
貧弱で薄汚れた体、いつも鼻水を垂らし、舌をだらしなく出している、それがサンマだ。
(猫の世界で、どれだけ外見が重んじられているか解らないが‥‥)

ミケ091220-10.jpg
「でもなサンマ、男(雄)は見てくれじゃないぞ。お前にもどこか良いところがあるだろう?」
しかし残念ながら、私にはサンマの長所が未だ見えない。



2匹は再び、微妙な距離をとって日向ぼっこを始めた。
ミケ091220-11.jpg
サンマの姿を見ていると、何故か寂しい気持ちになって来る。


dodoさんがやって来て、ミケをナデナデ。しかし、サンマには触れようとしない。
ミケ091220-12.jpg


風景091220-02.jpg


ミケのところに戻ったら、若くて可愛い女性がミケを訪ねて来ていた。
話を聞くと、彼女も海岸の野良のことに詳しい。

ミケエリア091220-13.jpg
彼女は、こらからソックスに会いに行くと言う。


風景091220-03.jpg
私も、彼女のあとを追って、東のエサ場へ向かった。
誤解しないで欲しい。目的は彼女ではなくソックスの撮影だ。
彼女が去ったあと、こんな機会は滅多にないと気づいた。
ソックスは人懐こくて、足元から離れず撮影に苦労する野良だ。
そこにソックスの相手をしてくれる人がいれば、撮影がし易いと考えたのだ。
ましてその人が、若くて可愛い女性とくれば、まさに千載一遇のチャンス。
私は急いだ。


幸い、彼女はまだソックスのエサ場にいた。ソックスも一緒だ。
ソックス091220-01.jpg


ソックスは、相変わらず人懐こくて可愛いヤツだ。
ソックス091220-02.jpg
せっかくだから公園の中で撮影しようと思ったら、公園はバーベキュー会場と化していた。
好事魔多しとはこのこと。



東のエサ場A。
ここで、最初に登場したのは、お馴染みのロクだ。

ロク091220-01.jpg


ロク091220-02.jpg


こいつも相変わらず人懐こい。
ロク091220-03.jpg


次に現れたのは、臆病者の一号だ。こいつは、いつも物陰に隠れている。
一号091220-01.jpg
肥っているから、足が短く見える。


一号091220-02.jpg


私は東のエサ場をあとにして、再びミケのエサ場へ向かった。
風景091220-04.jpg


ミケのエサ場に戻ると、以前会った青年がミケとサンマの相手をしていた。
ミケ091220-14.jpg
ミケもこの青年に心を許しているようだ。
 

青年はミケをブラッシングしたあとに、サンマもブラッシングし始めた。
ミケ091220-15.jpg
「無駄なことは止めたほうがいい」という言葉を、私はぐっと飲み込んだ。


風景091220-05.jpg



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漁港

2010年03月20日 21:08

PM1:00
今日の湘南海岸は、南西からの強風が猛威を振るっていた。
私が今まで経験した中で、一番強烈な風かもしれない。
予報では風速10m/sとあったが、海岸ではそれ以上の強風が吹いていると思われる。

風景100320-01.jpg
防風林内の遊歩道にも砂が飛んでくる。


エサ場のエサ入れと水入れには砂が溜まっている。
今、水を入れ替えても30分もすれば、元に戻ってしまうだろう。

ミケエリア100320-01.jpg
サンマはいつもの西の植込みにいたが、そこへも間断なく砂が飛んでくる。
ミケを捜しにサイクリングロードに出てみた。しかし、飛砂に襲われ目も開けていられない。
この状況での撮影は不可能だと判断し、私はエサ場をあとにした。



漁港。
当然、ここも強風が吹いているが、砂は飛んでこない。

漁港100320-01.jpg
写真では穏やかな光景に見えるだろうが、このときも猛烈な風が私の背中に吹きつけていた。


サザンビーチはウインドサーファーたちに独占されていた。
漁港100320-02.jpg
このあと、私は漁港内を見て回ったが、野良の姿は発見できなかった。


そして諦めて漁港を去ろうとした、その時だった。
草むらの中に、二匹の野良がいるのを発見したのは。

漁港100320-03.jpg
それは、以前会ったことのある野良だった。この二匹、顔つきが似てるから兄弟かもしれない。


白茶は、私が近づくと逃げてしまったが、キジトラ白はピクリとも動かない。
私が与えたエサには目もくれず、半眼で睨み返してくる。

漁港100320-04.jpg
しかし、その眼に警戒の色は見えない。


白茶は腹が減っているのか、私が与えたエサを食べはじめた。
漁港100320-05.jpg
ところが、木材の上に置いたエサが強風で飛ばされてしまった。


このとき、突風のような風が吹きだした。
漁港100320-06.jpg
白茶は堪らずに船の下へ逃げこんだ。


さっきまでいた草むらへ戻ろうとした白茶だったが‥‥
漁港100320-07.jpg
私と目が合うと、自ら近づいてきた。


ブロックのかけらの上にエサを置いたが、これも風で地面に落ちてしまった。
漁港100320-08.jpg
それでも白茶は一粒ずつ丁寧にエサを食べた。


漁港100320-09.jpg


こいつは、私と会ってから微動だにしない。
漁港100320-10.jpg
「余裕であくびなんかしやがって‥‥」「元気でな、また来るよ」


一方、白茶はよく動く。
漁港100320-11.jpg
今度は、ねぐらにでも帰るつもりだろうか?


私は国道沿いの歩道を東へ向かった。
風景100320-02.jpg


ミケのエサ場へ戻ると、Ike君がミケに水を与えていた。
ミケエリア100320-02.jpg
今日初めて見るミケの姿だ。


水を飲み終えると、ミケは私の足に擦り寄ってきた。
ミケエリア100320-03.jpg
「ミケお前、さっき何処にいたんだ?」
ミケの体をよく見ると、Ike君が言うように毛の奥に砂が入りこんでいる。



ミケは風を避けるため、潅木の下に座りこんだ。
ミケエリア100320-04.jpg


そして、そのまま動かなくなった。
ミケエリア100320-05.jpg
予報で、この強風は明日も吹き続けると告げていた。



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駆け足の訪問

2010年10月23日 23:13

AM06:50
2時間ほどの睡眠で目を覚ました私は、どうせ眠れぬならと早朝の湘南海岸へ出かけた。

海岸101023-01.jpg
厚い雲が邪魔をして朝陽を拝むことはできなかったが、シルエットながら富士がその全容を見せていた。
5日ぶりに海岸へ出た私は、野良たちの変わりない姿を確かめるため、東から西へ向けて駆け足の訪問をすることに決めた。



船宿エリア
船宿101023-01.jpg

船宿101023-02.jpg

船宿101023-03.jpg
クロベエと茶トラは姿を現さなかった。


海岸101023-02.jpg


重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
ミリオン101023-01.jpg


西のエサ場
ブッチ101023-01.jpg


ボスエリア
ボス101023-01.jpg


ミケのエサ場
ミケ101023-01.jpg


海岸101023-03.jpg


東のエサ場
東のエサ場101023-01.jpg


ソックスエリア
ソックス101023-01.jpg
ソックスの母猫タビは姿を見せなかった。


幼い兄妹仔猫がいるエリア
極東101023-01.jpg
この時刻にいたのは女ボスとハチワレだけで、兄妹仔猫に逢うことは叶わなかった。


海岸101023-04.jpg
AM09:00
逢えなかった野良もいたが、逢えた子らに変わりがないのを知った私は、国道を越え、煩雑でシガラミだらけの日常へと戻っていった。




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朝の情景

2010年11月25日 06:35

2010/11/25 AM06:35
私は久しぶりに早朝の海岸へ足を運んだ。サイクリングロードで20分ほど待っていると、朝日が山の端から顔を出した。

海岸101125-01.jpg


その朝日を浴びる、一匹の野良がいた。
ボス101125-01.jpg
それは久々に見る、ボスだった。


ボスにカリカリを与えているのはTさんだ。
ボス101125-02.jpg
ボスは時間をかけ、ゆっくりと食事する。
腹が満たされている訳ではなく、口腔に炎症があるため急いで食べられないのだ。



そこへ、玄ママさんに連れられてた玄ちゃんが通りかかった。
玄ちゃんは、もうすぐ2歳になるオスの柴犬だ。

ボス101125-03.jpg
先日の夕刻、玄パパさんと一緒にいる玄ちゃんとすれ違ったが、こうして間近で対面するのは久しぶりになる。
玄ちゃんはすっかり大人の風情を身につけ、以前のような浮き足立った様子は微塵も感じない。



撮影を終えたdodoさんも、顔見知りの玄ちゃんに挨拶をする。
ボス101125-04.jpg
オヤジ3人の立ち話は、至極ローカルな話題からグローバルな話題まで幅広かった。


ボス101125-05.jpg
そんな幅が広いだけで、まとまりに欠けたオヤジたちの立ち話に辟易としたのか、ボスはあらぬ方を見つめたままだ。


ボス101125-06.jpg
贅肉のないボスの背中を撫でると、背骨の突起がゴツゴツと掌に当たる。


ボスに食欲はある。しかし、何故かそれが体重増加に結びつかない。
ボス101125-07.jpg
去年の秋頃に激減した体重は未だ元に戻らず、痩せ細ったままだ。
年齢は8歳ほどだと、聞いている。それにしては毛艶も悪く、会う度にみすぼらしくなっていく。
「ボス、またな。それまで、元気でいろよ」私は思わずそう声をかけた。



東のエサ場101125-01.jpg


東のエサ場
この長毛の三毛猫が、人前に姿をみせることは稀なことだ。

東のエサ場101125-02.jpg
先日防風ネット越しに姿を見たが、こうして間近で見るのは数ヶ月振りになる。


三毛猫と外来種の混血であろうこの野良は、その容姿ゆえ否応なく目立つ。
東のエサ場101125-03.jpg
おそらくそのことを本人も承知していて、それで人目を避けているのではと、私は思っている。
とにかく野良が目立って得をすることは、ほとんどない。



長毛の黒猫は、このエサ場に2匹いる。人懐こい黒猫と、警戒心の強い黒猫が‥‥
東のエサ場101125-04.jpg
こいつは前者だった。
この黒猫も、この数ヶ月で体重を激増させていた。



浜須賀101125-01.jpg


浜須賀101125-02.jpg
1匹の野良が、防砂柵の破れ目から顔を出した。


それは先月、初対面の挨拶をしたばかりの幼い子だった。
浜須賀101125-03.jpg
私の姿を認めると、躊躇うことなくズンズン近づいてくる。


そして、私の足に体を擦り付けると‥‥
浜須賀101125-04.jpg
差し出した私の手に、いきなりじゃれついてきた。
まだ幼いこの子は人と接し慣れているようで、爪を出すこともなく、噛み方も力を加減をした所謂甘噛みだ。



持ってきたカリカリを与えてみたが‥‥
浜須賀101125-05.jpg
あまりお腹は減っていないようだった。


浜須賀101125-06.jpg


幼いハチワレは、私の後について浜辺へ下りてきた。
浜須賀101125-07.jpg


浜須賀101125-08.jpg
私は幼いハチワレとしばし浜辺で過ごした。


浜須賀101125-09.jpg
この子もこの春、遺棄された捨て猫だ。
今は近所に住む人の世話を受けて、ここで暮らしている。



海岸101125-02.jpg



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神の匙加減

2010年12月30日 15:29

2010/12/24
湘南海岸は、夜明け前の冷涼な空気に支配されていた。

海岸101224-01.jpg


人の姿もおぼろげな薄闇の中、私の足元に駆け寄ってくる野良がいた。
海岸101224-02.jpg
それは、キジトラの『ボス』だった。
ボスは痩せた体を私の足に何度も何度もすり付けながら、か細い声で啼きつづけた。



推定年齢8歳のメス猫、ボス。
去年の秋頃より体調を崩し、以来食べても食べても太ることができずにいる。

海岸101224-03.jpg
私は、ボスのへこんだお腹を見る度に、無事冬を越せるか気をもんでいる。


私が与えたカリカリを、ボスは一粒一粒噛みしめるようにゆっくりと食べはじめた。
海岸101224-04.jpg
「食欲はあるのに、どうしてお前の体重は元に戻らないんだ?」


東の空を見やると、既に太陽が顔を出していた。
海岸101224-05.jpg


海岸101224-06.jpg
太陽が昇るに連れて、眼前の景色は色彩を増してゆく。


海岸101224-07.jpg
ボスは暖かさを求め、朝の陽射しにその身を晒した。


母親とは生き別れ‥‥兄弟とは死に別れて、今は独りここに暮らすボス。
海岸101224-08.jpg
ボスは、その孤独を癒す術を持っているのだろうか?


ボスの体が朝陽を浴びて、赤く染まっていく‥‥自身の中に流れる血と同じ色に。
海岸101224-09.jpg
どうか忘れないで欲しい。この痩せ細った儚げな野良の体にも、私たちと同じ赤い血が流れていることを。


彼らは、たまたま猫として生を享けた。そして我々も、たまたま人間として生を享けた。
海岸101224-10.jpg
ただそれだけの差異だ。これは神のちょっとした匙加減で決定したことなのだ。


私は朝陽を受けて、東へと向かった。暗鬱な気分を抱いたまま‥‥
海岸101224-11.jpg
昨日私は、船宿で遇ったチャチャさんからソックスエリアの異常を知らされていた。


ソックスエリア
ソックスエリア101224-01.jpg
陰湿で執拗なエサ場荒らしは、まだ続いていたのだ。


エサ場を囲んでいた傘はカッターで引き裂かれ、骨も柄もへし折られている。
ソックスエリア101224-02.jpg
食器は全て奪い去られていた。


辺りを捜したが、食器はついに発見できなかった。
ソックスエリア101224-03.jpg
朝が早いからか、野良も姿を現さない。


その捜索の際、私は実に懐かしいモノと出くわした。
ソックスエリア101224-04.jpg
見覚えがある読者もいるのではないだろうか、この猫ハウス。


これは『ミケハウス』だ。
ソックスエリア101224-05.jpg
そしてこれは『サンマハウス』。
二つともねこタカイさんが製作したモノだ。


ミケハウスの中には、ゆきママさん手作りのミケクッションもそのままあった。
ソックスエリア101224-06.jpg
ミケハウスとサンマハウスがミケのエサ場から無くなったことは、知っていた。
でもその時は、処分されたのだろうと思っていたのだが‥‥



海岸101224-12.jpg
私は海岸猫に関して解決すべきいくつかの難題を抱えている。しかし、今のままだとその解決は来年に持ち越されるだろう。
それにしても来るべき新しい年は、いったいどんな年になるのだろう‥‥?




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2010年最後の日

2010年12月31日 23:55

2010/12/31
今年最後の日‥‥人間界では大晦日、大つごもりなどという、らしい。
しかし、海岸猫にとっては大晦日も正月も関係ない‥‥普段と何ら変わらないただの寒い1日でしかない。

海岸101231-01.jpg
かく言う私にとっても、今日は1年の最後の日という以上の意味はない。


ミケのエサ場
ただ、ミケが逝ってから半年の時間が経ったという事実だけは厳然として在った。
ミケ101231-01.jpg


ミケが生きる糧とした水を与えた。
ミケ101231-02.jpg
10日前Kiryuさんの供えた花が、ミケの傍らで咲き誇っている。


この花は先日会った、『カボス』の里親さんを紹介してくれた葉山のSKさんから託されていたモノだ。
ミケ101231-03.jpg
用意してきたペットボトルを花立にして、ミケの傍らに供えた。


ミケ101231-04.jpg
きれいな花に囲まれて、ミケは満更でもないようだ。


ミケのエサ場を後にした私は、サイクリングロードを東へ向かった。
東のエサ場101231-01.jpg


東のエサ場
東のエサ場101231-02.jpg
私の訪問を知ったキジシロが物陰から出てきた。


そしていきなり地面に転がった。
東のエサ場101231-03.jpg

東のエサ場101231-04.jpg
ひとしきり『地面ゴロゴロ』をすると、キジシロは元居た物陰にそそくさと身を隠した。
必ずといっていいほど姿を見せていたロクや臆病猫のビクとは逢うことができなかった。



ソックスエリア
ソックス101231-01.jpg
今日はソックス独りが、私を出迎えてくれた。


私は心配になった。何故なら、ソックスが以前より痩せていたからだ。
ソックス101231-02.jpg
そこで、持っていたカリカリを与えることにした。


私は祈った‥‥海岸一人懐こいこの野良に神のご加護があらんことを。
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食事中も、小さな物音にソックスは過剰反応する。
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この怯えが、エサ場荒らしと無関係とは思えなかった。


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カリカリを食べ終えたソックスは、恐る恐る自分のエサ場へ歩を進めていった。


ソックスの視線の先には荒らされたエサ場がある。
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「ソックス、変なニンゲンが近づいたらとりあえず逃げろよ!」


「分かったか?」
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私の忠告に、ソックスは大きなアクビで応えた。


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但し、直後の警戒は決して怠らない。


エサ場を去る私を、ソックスは名残惜しそうに見送ってくれた。
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次第に小さくなるソックスを見ていた私は、何とも名状しがたい気持ちになった。


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船宿エリア
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私を最初に迎えてくれたのは、カポネだった。


「カポネ、変わりはないか?」
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カポネの後ろでミイロが大きな伸びをした。


その時私は、視線を感じた。
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つと顔を上げると、シズクがまた私を見つめていた。いつか観た家政婦のように‥‥


次に姿を現したのは、シズクの娘アイだった。
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アイはしばしカポネと向き合った。


やおら歩き出したアイは、カポネを迂回した。
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「なんだ、お前もカポネが苦手なのか?」


2010年最後の日の入りだ。
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ミイロは片足を浮かせた得意のポーズで夕日を眺めている。


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クロベエは、そのミイロを警戒の眼で見つめている。


他の野良も、今年最後の落日を惜しむように集まってきた。
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コジローの後ろにカポネがうずくまる。


カポネの後ろに居るのはマサムネだ。
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シシマルの姿も見える。


そして、新入り仔猫はというと‥‥
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私の足に体をすり寄せて、やはり茜の空を見つめていた。
明日の僥倖を願うかのように‥‥



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私自身は、ほどなくやって来る新しい年へ期することなど特にない。
海岸猫と同じように日々の営みに勤しむことしか、私には出来そうもないからだ。




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朝の巡行

2011年05月22日 12:00

AM6:10
私は数ヶ月ぶりに早朝の海岸へ足を運んだ。

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そんな私を最初に迎えてくれたのは、キジトラ猫の“ボス”だった。
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ボスに逢うには、早朝のこの時刻が一番確率が高い。


私が声をかけると、ボスはその痩せこけた体を私の脚にすり付けてきた
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この野良は一昨年の秋に急激に痩せ、以来体重が戻らない。


ただボスの食欲は衰えていない。なのにどうして体重が増えないのか‥‥?
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この日もボスの食欲は旺盛だった。


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‥‥結局ボスは猫缶を完食してしまった。
「お前と
私との間には浅からぬ因縁がある‥‥。だから元気でいてくれよ‥‥ボス」


次に私が遭遇したのは、顔見知りのワンコ“玄ちゃん”
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久しぶりに会った玄ちゃんは、オトナの趣を漂わせていた。


東のエサ場
私の姿を認めた“ビク”がゆっくりと近づいてきた。

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ユーモラスな体型をしたこの野良は大変臆病で、いつもビクビクしている。『臆病猫』


だから、いつしかビクと呼ぶようになった。
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だからと言って懐かないわけではなく、人の温もりをいつも求めている寂しい野良でもある。


ソックスエリア
ソックスの姉妹である“タイツ”に会うのも久方ぶりだ。

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もとのエサ場が水道工事で潰されて以来、タビとソックスとは離れて暮らしていると聞いている。


この日も自ら防砂林の中から出てくると、甘えた鳴声を盛んに上げつづけた。
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ただ、ボランティアさんの世話が行き届いていて、此処の野良が空腹に苦しむことはない。


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この日も早朝であるにも拘らず、タイツの腹は満たされていた。


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工事が終わるのは2年後‥‥。「それまでお前は、独りココで暮らすのか?」


極東エリア
この野良、ブログには初登場だが、会うのは今回が2度目になる。

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本来のエサ場から訳あって離脱し、今はココに独りで暮らしている。


カリカリを与えると、おずおずと近づいてきた。
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この野良と交誼を結ぶには、長い時間が必要になるだろう‥‥。


西のエサ場
半年以上もの間姿を見せなかった“ブッチ”がエサ場に戻っていた。

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そして更に、見慣れぬ野良の姿もあった。
私の記憶が正しければ、この野良とは今回が初見になる。



いったい何処から如何なる理由でココへ来たのか‥‥。
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私が与えたカリカリにブッチが近づくと、険しい表情で威嚇する。


以前紹介したように、このエサ場近くには国道を貫く隧道が存在する。
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この黒シロがその隧道を使って、街から海岸へ流れてきたことも十分考えられる。


ただ、人の手によってココへ遺棄された可能性も排除できない。
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ブッチならその辺の事情を承知しているのだろうが‥‥、この野良は多分に気まぐれなトコロがあり、素直に話してくれないだろう。


ブッチの生存が確認できたのは、私にとって喜ばしいことだが‥‥、
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新たな海岸猫の出現は、憂うべきことだ。
さらにこのエリアでの小柄な白猫の目撃情報が2件、私の許へ寄せられている‥‥。






先日相次いで、私に宅配便が送られてきた‥‥。
中身は海岸猫への贈り物だった。


これは『ハーヤンとノンチ』の管理人ノンママさんが送ってくれたものだ。
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おやつの下には様々な猫缶が詰まっている。
ノンママさんは私同様睡眠障害に苦しんでいる‥‥。そんな状態にも拘らず、こうして海岸猫を気遣ってくれることに痛く感動している。



そして、こちらは『always』の管理人ダージリンさんから送られてきたもの。
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海岸猫だけでなく、睡眠障害に苦しむ私のためにハーブティーが同梱されていたのには感激した。
ダージリンさんは、可愛がっていた猫ちゃんの月命日に毎月キャットフードを送ってくれるという。



おふたりに改めてお礼を申し上げます。
「どうもありがとうございました!」



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5ヶ月ぶりの訪問 その弐

2012年05月01日 00:00

船宿エリアを後にした私は、他のエサ場を目指して海沿いの道を東へ向かった。
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私の心中には海岸猫と会える期待が膨らんでいたが、また同時に懸念もあった。
「みんな以前と変わらず、元気にしているのだろうか‥‥」



そんな心情をおもんぱかったように、私がエサ場へ足を踏み入れた途端、すぐさま1匹の海岸猫が姿を現した。
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そして私の眼の前で、地面にごろりと転がった。


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こ、このボディランゲ-ジは‥‥、シロベエと同じではないか。


と、いうことは5ヵ月ぶりに訪れた私を、ちゃんと憶えていてくれたんだ。なおかつ「あなたを信頼していますよ」とまで言ってくれているのか‥‥。
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ところが、その海岸猫はすっくと立ちあがると、私に背を向けて足早に離れていく。


「今のは、ひょっとしてフェイク‥‥?」
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この海岸猫の名は“ ビク ”。いつも何かに怯えてビクビクしているから、私が勝手に付けた。ちなみに、このエリアを担当しているボランティアさんやほかのブロガーさんは違う呼び名を使っている。


「ビク、久しぶりだな‥‥。元気でいたか?」
私は出来るだけ優しく語りかけた。

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しかしビクは、私を一顧だにしないで眼の前を素通りしていく。


それから、再び地面に体を横たえた。
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今度はすぐに体を起こした。それでも私をほうをチラリとも見ない。その余りににべ無いビクの態度に少々焦ってきた‥‥


と、次の瞬間、ビクはクルリと体の向きを変えると‥‥、
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早足でこちらへ歩いてきた。カメラのピントが追えない速さで。


そして、「ミャーミャー」と鳴きながら私の脚に体をすり寄せた。
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「こいつ、勿体ぶりやがって。素直に寄ってくればいいのに」そう言いながらも、私は思った。

先ほどの一連の行動は、長い間顔を見せなかった私への抗議かもしれない、と。
もしそうなら‥‥、何てささやかで、いじらしい抗いであることか‥‥。



エサ場に行くとほかの海岸猫も姿を現した。
海岸猫は押しなべて寡黙だが、この茶トラはよく喋る。この時も、間断なく「ニャア、ニャア」と何かを訴えつづけていた。

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もう1匹のメスのキジブチは尻尾を立てて側まで来たが、この行動だけでは彼女の真情をうかがい知ることは出来ない。


後ろをふり向くと、ビクがエサ場を前にして座り込んでいる。
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臆病猫のビクは、同じエリアの猫にさえ警戒心を容易に解かない。


こういう場合も耳をそばだて、周囲に目を光らせる。
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そして微かな物音や気配にも過敏に反応し、緊張した面持ちを見せるのだ。


そのビクが正面を見据えたまま固まった。
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先ほどの茶トラが、ビクに向かって近づいてきたのだ。


茶トラが歩みを停め、二匹は対峙した。
私の記憶では、このエリアでの居住期間はビクのほうが長いはず‥‥。
つまり茶トラの先輩にあたる。

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「さあ、どうするビク?」
お前は先輩としての威厳を保てるのか‥‥。



「あら‥‥」
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ビクはゆっくりとその場を離れていく。慌てた様子を見せないのは、先輩としての矜持のなせる業か‥‥?


茶トラはビクを横目に、平然として歩を進めはじめた。
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ビクは、と見ると、廃材の上に退避している。


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ビクの視線の先には、茶トラの後ろ姿があった。


茶トラが植込みの中に姿を消すまで、寸秒も眼を離さない。
こういう所為が“臆病猫”と呼ばれる所以である。

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この海岸猫は今年で8歳になるはずだ。
野良猫の寿命は一般的に飼猫より短いといわれている。
なので、これからも臆病なままでいい。無用な諍いで怪我をしてもすぐには対応出来ないのだから。



私はビクに別れを告げて、更にほかのエサ場を目指した。
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エリアに入った私の目に、いきなり海岸猫の姿が映った。
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それはソックスだった。


ソックスは防砂林の奥に気になる何かがあるらしく、私の来訪に気づいてないかのようだ。
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いったいソックスは何に意識を向けているのだろう?
私は姿勢を低くし、ソックスの視線の先を探ってみたが、それらしい対象物を見つけることは出来なかった。



やがて、体を反転させたソックスだが‥‥、
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特徴的なそのどんぐり眼には、まだ警戒の色が残っていた。


しばらくして、落ち着きを取り戻したのか、ソックスは初めて私へ顔を向けた。
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そして、小さな鳴声をあげながら、私の脚に体をすり寄せてきた。
「ソックス‥‥、お前に会えて嬉しいよ」
私は心の安らぎを覚え、温かい気持ちになった。



ふと目を上げると、いつの間に現われたのか、ソックスと同じキジ白がいた。
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母猫のタビだ。実に久しぶりに見る母娘のツーショットである。
親子海岸猫を何組か知っているが、これほど仲睦まじい親子を、私はまだ見ていない。



防砂林を出ようとする私の後をソックスが追ってくる。
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ソックスが鳥居の下で待っていると‥‥、


母のタビもじきにやって来て、2匹は身を寄せ合った。
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このエリアを受け持つA夫妻の愛護を受けて、母娘の栄養状態は良好だ。


去年の春に、元のエサ場があった公園で公共工事がはじまって以来、母娘は防砂林へ追い遣られてしまった。
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その工事は今も進行中で、この時も時折重機が立てる大きな音に、母娘は反応を見せる。


2匹の見つめる先は、その工事現場だ。
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竣工すれば公園が復旧されるというが、それはまだまだ先のこと。それにそんなことは海岸猫が知る由もないし。


だから自分たちの境遇を激変させた“工事”を見る時、いかにも忌々しげに顔をしかめるのだろう。
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何かを思い立ったように近づいて来たソックスは、私の脚に軽く体をすり寄せた。
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そして、しばし防砂林の奥の様子を窺っていたが‥‥、


そのまま防砂林の中へ入っていった。
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ねぐらへ戻る時間が迫ってきたのかもしれない。


こうして、私の5ヶ月ぶりのエサ場巡りは終わった。
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顔馴染みの海岸猫の元気な様子を確認できたのだから、意義ある巡回だったのだろう‥‥。



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


ご報告

故郷から帰宅し、初めてのエサ場訪問を無難に終えることが出来て、正直安堵しました。
最近の体調は比較的安定していますが、未だ睡眠障害に改善が見られず、日中は睡魔との戦いが続いています。
そのせいもあって、物事に対しての集中力が低下し、以前から比べるとブログの編集に何倍もの時間を費やすようになりました。
なので、しばらくは間を置いた更新になりますが、どうか寛容な心でお付き合いください。
更に誤字脱字、変換ミスなど多々あると思いますが、事情お察しのうえご容赦のほどを‥‥。




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