東へ

2010年01月30日 19:29

AM10:05 青い空と青い海、そして燦々と降注ぐ陽の光。今が冬だということを一瞬忘れてしまうほどの陽気だ。
風景100130-01.jpg


ミケはエサを食べるのを中断して、私を迎えてくれた。
ミケエリア100130-01.jpg
その隙をついてミケのエサにがっつくサンマ。「サンマ、お前はホントに意地汚いヤツだな」


エサ場を見回ると、水を保管している衣装ケースが開き、中にエサが散らばっている。
ミケエリア100130-02.jpg
カラス避けのネットも引き倒されている。すべてカラスの仕業だ。
こいつらの侵入を防ぐ手立てはないのかも知れない。



サンマのトイレタイム。
ミケのエサまで食べるヤツだから、当然出すモノも多いはずだ。

ミケエリア100130-03.jpg
今日も自分の排泄物を観察している。


ミケエリア100130-04.jpg


初めて見る男性がミケとサンマにエサを持ってきた。
ミケエリア100130-05.jpg
話を訊くと、毎日ではなく時々二匹にエサをやるのだと言う。
以前は西のエサ場の野良達にエサをやっていたが、今は一匹もいなくなったので、このエサ場に来るようになったそうだ。



サンマは自分の分を食べ終えるとミケに近づこうとした。
ミケエリア100130-06.jpg
そこでその男性が追加のカリカリをサンマに与えた。すると、サンマはカリカリをむさぼるように食べ始めた。
「こいつの胃袋は一体どうなっているんだ?」



ミケはほんの少し残した。
ミケエリア100130-07.jpg
サンマは容器まで食いそうな勢いで食べ続ける。


風景100130-02.jpg


サンマがサイクリングロードを横切っていく。
ミケエリア100130-08.jpg
またフンでもするのかと見ていると‥‥


消えてしまった。
ミケエリア100130-09.jpg


サンマは柵を越え、杭の根元にうずくまっていた。
ミケエリア100130-10.jpg
「何の匂いを嗅いでいるんだ?」


すると突然サンマが寝転がり『地面ゴロゴロ』を始めた。
ミケエリア100130-11.jpg
そうしながらも同じ場所の匂いを嗅ぎ続けている。


サンマの地面ゴロゴロはしばらく続いた。
ミケエリア100130-12.jpg
サンマは恍惚として悶えているように見える。


私は何だか見てはいけないモノを見ている気分になった。
ミケエリア100130-13.jpg
サンマは私の存在に気づくと、恥ずかしい姿を見られたようにやおら立ち上がった。


風景100130-04.jpg


ミケは東の植え込みで熟睡している。
ミケエリア100130-14.jpg
「サンマ、さっきの奇行をまた見せてくれよな」


風景100130-03.jpg




ミケのエサ場から数キロ東へ行ったところに猫の額ほどの公園がある。
ソックスエリア100130-01.jpg
ここは私が『東のエサ場B』と呼んでいる場所だ。
公園を見渡したが、野良の姿は見当たらない。



待つこと2分、植え込みの中からソックスが現れた。『ソックス』とは私が勝手につけた名前だ。
四本の足先が白く、まるで靴下を履いているように見えるからだ。

ソックスエリア100130-02.jpg
ソックスに会うのは久し振りだ。正確に言うと去年の12月20日以来になる。


公園内をソックスのオヤジらしき野良が横切っていった。
ソックスエリア100130-03.jpg
こちらに一瞥もくれないで植え込みの中へ消えた。


前回は公園内で多くの人がバーベキューをやっていてソックスとまともに遊んでいない。
ソックスエリア100130-04.jpg
調べると、去年の12月12日に遊んだのが最後だ。


こいつの人懐こさは相変わらずだ。
ソックスエリア100130-05.jpg
ソックスは私の知っている海岸猫の中で、人懐こさではダントツの1位だ。


サンマのようにがっつかず、ゆっくりと食べる。
ソックスエリア100130-06.jpg


そこへ茶トラが現れ、盛んに鳴く。
ソックスエリア100130-07.jpg
こいつは警戒心が強く、近づくと逃げてしまう。


腹が減っていたようで、私がやったエサをあっという間に平らげた。
ソックスエリア100130-20.jpg


ソックスエリア100130-08.jpg


ソックスエリア100130-09.jpg


このエサ場は公園内にあるので、当然休憩に訪れる人もいる。
ソックスエリア100130-10.jpg
それでもソックスは警戒心をあらわにすることはない。


その時、一羽の小鳥が公園内に舞い降りてきた。
ソックスの目にはその小鳥が獲物に映る。

ソックスエリア100130-11.jpg
小鳥とソックスの距離は10mほど。


小鳥はソックスの存在に気づかず、距離を縮めてくる。
ソックスエリア100130-12.jpg
ソックスはその場を動かず、相手が近づいてくるのを待つ。


一時も小鳥から眼を離さないソックス。
ソックスエリア100130-13.jpg
ところが次の瞬間、小鳥は人の近づく気配を感じて飛んでいってしまった。


「残念だったなソックス」
ソックスエリア100130-14.jpg


そこへ若い女性カメラマンが現れてソックスを撮影し始めた。
ソックスは少しも動じることなく、モデルのようにジッとしていた。

ソックスエリア100130-15.jpg
「ソックス、お前やっぱり人気あるんだなぁ」


バーベキューした人の忘れ物であろう割り箸を見つけたソックス。
ソックスにとっては割り箸だって遊び道具だ。

ソックスエリア100130-16.jpg


器用に前足で割り箸を持って口にくわえる。
ソックスエリア100130-17.jpg


この野良は見ているだけでも楽しい。
ソックスエリア100130-18.jpg
一緒に遊ぶと、さらに楽しい。


ソックスは、エサ場を去ろうとする私を見送るように道路近くまで出てきた。
ソックスエリア100130-19.jpg
「ソックス、今日は楽しかったよ。また来るからな」


一昨日の強風が道路のあちこちに砂の山を築いている。
風景100130-05.jpg


ミケはまだ東側の植込みにいた。
ミケエリア100130-15.jpg
私の顔を見るとエサ場へ戻って来た。


しかし、サンマの姿が見えない。
ミケエリア100130-16.jpg


「ミケ、また明日来るからな」
ミケエリア100130-17.jpg
エサ場を離れる私を、ミケはずっと見送っていた。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
Ctrlキーを押しながらポチッポチッとお願いします

スポンサーサイト

靴下を履いた猫

2010年07月22日 00:00

今日の湘南海岸は、穏やかな表情を見せていた。
海は凪ぎ、波音も聞こえてこない。まるで大きな湖のようだった。

風景-01.jpg
海風も吹かず、ウインドサーファーも難渋していた。


ミリオンのエサ場へ向かう私は、Kおばさんと擦れ違った。
Kおばさん-01.jpg
KおばさんはKおじさんが出かけているので、ひとりミケの下へ赴く途中だった。


重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
どうやらミリオンは、食事中だったようだ。

ミリオン-01.jpg
このエサは、おそらくIおばさんが与えたものだろう。


ミリオンの表情が、私にはひどく妖艶に見えた。
ミリオン-02.jpg
しばらくするとミリオンは、私の目の前で食事を再開した。





今日は皆さんに、私が知る海岸猫の中で1、2を争う魅力的な野良を紹介します。
ソックス-01.jpg
この野良、いつでも逢えるわけではない。


今日は運良く、遭遇できた。この草叢に隠れているキジ白がそうだ。
ソックス-02.jpg
やっと、姿を現した


私は、持ってきた猫缶を与えてみた。
ソックス-03.jpg


しかし、すぐにエサから離れていった。
ソックス-04.jpg
どうやら腹は減っていないようだ。


この野良、今まで何度か私のブログに登場しているから、知っている読者もいると思う。
ソックス-05.jpg
白い靴下を履いているように見えることから、私が勝手に『ソックス』と呼んでいる野良だ。今日は生憎居ないが、『タビ』と名づけた母猫と一緒にここで暮らす。


この野良、相手が猫好きと解ると、いきなり人懐こく擦り寄ってくる。

ソックス-06.jpg
私には、初見で擦り寄ってきた。


ソックス-07.jpg
そして、その時もこうして遊んでくれた。


ソックスは本気で咬まないし、本気で引掻くこともない。
ソックス-08.jpg
しかし手加減してくれても、人のヤワな皮膚など簡単に破る鋭い爪を、ソックスは持っている。


ソックス-09.jpg
よく観察すると、ソックスも手放しで人の温もりを求めているわけではないことが分かる。


ソックス-10.jpg
この時も、見知らぬ人が眼に入ると盛んに警戒していた。


そして私に近づいて来ると‥‥、
ソックス-11.jpg
私の影で涼を取りはじめた。


さらに毛繕いまではじめてしまった。
ソックス-12.jpg
私はしばらくの間、動くことができなかった。そう、厚かましい野良でもある。


ソックス-13.jpg
しかしそのあと、こうやって擦り寄られると、何も言えなくなる。


この海岸猫が持つ魅力全てを語る文才は、残念ながら私にない。
ソックス-14.jpg
それに野良の魅力をいくら文章で説いても、あまり意味を成さない。


この野良の魅力を知りたければ、実際に接するしかない。
ソックス-15.jpg
この海岸猫に魅せられた人は多いと聞いた。中には県外から撮影しに来る人もいる。


この海岸猫には、それだけの値打ちがある。
ソックス-16.jpg
そして一緒に過ごす時間も、きっと価値あるモノになるはずだ。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

エサ場荒らし

2010年10月18日 21:56

PM04:40
涼しい秋風が吹く湘南海岸を、私は夕陽を背に浴びながら東へ向かって行った。

海岸101018-01.jpg


まずソックスエリアを覗いてみたが、タビとソックス母娘の姿はなかった。
ソックス101018-01.jpg
エサ場が復旧されていた。このエリアを担当するA夫妻の苦渋の表情が目に浮かぶ。


下に載せた3枚の写真は、今月13日の夕刻に撮影したものだ。
エサ場を囲っていた傘は徹底的に壊され、中に置いてあった食器類が全て無くなっていた。
ここで野良にエサを与えることを快く思っていない人間による『エサ場荒らし』だ。

ソックス1013-01.jpg
ほかのエサ場も、同じようなエサ場荒らしの被害に遭っていると何度か耳にしたことがある。
過去にはミケのエサ場でも、食器類を全てゴミ箱に捨てられたことがあった。
ここの野良たちはひっそりと暮らし、誰にも迷惑をかけていないにも拘らず、こういう理不尽なことが時折起こる。






先日Tさんに案内してもらった、あるポイントを目指し、私はさらに東へ足を延ばした。





タイミング良く、夕刻の食事時間にそこへ到着した。
E101018-01.jpg
防風ネットの中にいるのは、二匹の兄妹仔猫だ。(といっても生後半年くらいか?)


E101018-02.jpg
ハチワレのこの子は、初見の私が近づいても逃げることはない。


E101018-03.jpg
一方こちらの三毛猫のお嬢さんは警戒心が強く、私が近づくとすぐに逃げてしまう。


この仔猫たちは、干してあった地曳網船の網に引っかかっていたところを保護された。
E101018-04.jpg
以来、幾人かの人の世話を受けここで暮らすようになった。


地曳網船の下から睨みを利かせているのが、ここの女ボス『タマちゃん』だ。
E101018-05.jpg
このエリアには5匹の野良が暮らしているという。


ハチワレは人懐こくじゃれつくが‥‥
E101018-06.jpg
この子を慣らすには少し時間が必要だ。でも美形ゆえ、この仔猫の人気は高いという。
優しい人の目に止まり家猫になる日も、そう遠くないかも知れない。
その"優しい人"が、このブログを今見ている"あなた"であっても一向に構わない。



海岸101018-02.jpg
今日は時間がなく、ミリオンのエサ場を訪ねることはできなかった。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

生きる権利

2010年11月12日 00:00

PM03:45
私はラチエン通りから134号線を越え海岸へ出た。
どうしても確認したいことがあり、今日は東へ向かうつもりだからだ。

海岸101112-02.jpg
海岸にはやや強い海風が吹きつけていた。


烏帽子岩を撮っている時、私は声をかけられた。
私がふり返ると、そこには笑顔をたたえたTANYさんが立っていた。

海岸101112-01.jpg
私はTANYさんに逢いたくて、夏の一時期ミケのエサ場前で連日待っていたが、その時はついに逢えなかった。
何故、望むと逢えず、望まないとこうも簡単に逢えるのか‥‥誰か知っていたら、教えてほしい。
「ミケが取り持つ縁」もこういう場合には役に立たないようだ。



ソックスエリア
どうやら、一足遅かったようだ。
エサ場荒しが去ってからあまり時間が経っていない様子を見た私は、何ともやりきれない溜息をついた。

ソックスエリア101112-01.jpg
このエサ場が荒らされていることは先月18日付の記事に書いたように、先月13日の夕刻に初めて知った。
しかし記事には敢えてしなかったが、その後も1度荒らされているのを目撃している。
つまり私が知っているだけで、エサ場荒らしは今日で3度目になる。



傘がカッターのような鋭利な刃物で切られているが、この凶行は今月4日に起こったと知人が教えてくれた。
今回で何度目なのか判らないが、復旧する度に荒らされているようだ。

ソックスエリア101112-02.jpg
この執拗で念の入った荒らし方に、私は異常なモノを感じずにはいられなかった。


ふり返った私の目の前に、タビとソックスの母娘がどこからか姿を現していた。
ソックスエリア101112-03.jpg
彼女らの無事を確認した私は、ホッと胸を撫で下ろした。


久しぶりに逢ったソックスは、ひと目で判るほど肥っていた。
ソックスエリア101112-04.jpg
「ソックス、お前も冬に備えて脂肪を蓄えているのか?」


ソックスエリア101112-05.jpg
母猫のタビは、以前と変わらない体形を維持している。
同じエサ場で暮らすよく似た母娘でも体重の増減までは遺伝しないようだ。



そこへウォーキング途中のTANYさんが現れた。
ソックスエリア101112-06.jpg
TANYさんは荒らされたエサ場を見つめたまま、口を開こうとしない。


いつも闊達なTANYさんから笑顔が消え失せた。
ソックスエリア101112-07.jpg
TANYさんの後姿からは、憤りと哀しみがない交ぜになった何とも表現し難い気配が伝わってくる。


ソックスエリア101112-08.jpg
ソックスの気分をほぐそうとするように、TANYさんのいつものマッサージが始まった。


ソックスエリア101112-09.jpg
さすがのソックスも、執拗なTANYさんのマッサージに少々辟易気味だ。


ソックスエリア101112-10.jpg
母猫のタビは、TANYさんにもマッサージにも関心がないように見える。


マッサージを終えたTANYさんは、ソックスを遊びに誘っている。
ソックスエリア101112-11.jpg
誘いにすぐ反応するソックスを見て「まだ若い子ですね」とTANYさんが言った。
「2、3歳と聞いています」と私は言下に応えた。



ソックスエリア101112-12.jpg
その様子を離れたところから冷めた目で見つめるタビ。


食器も無くなっているので持っていたトレイにカリカリを盛った。
ソックスエリア101112-13.jpg
食事をする母娘に飢えている様子は感じられない。
ただソックスが、微かな物音にも敏感に反応するのが気になる。



そこへ、猫好きおじさんが通りかかった。
ソックスエリア101112-14.jpg
エサ場荒らしのことは猫好きおじさんも承知していた。


TANYさんは最後まで笑顔を見せずに去っていった。
ソックスエリア101112-15.jpg


猫好きおじさんと私は海岸猫の情報交換をした。
でも歯を失ったおじさんの話は聞き取り難く、私は何度も訊き直さなければならなかった。

ソックスエリア101112-16.jpg
自分にも深く関わる話だと解ったのか、ソックスも聞き耳を立てている。


ソックスエリア101112-17.jpg
ソックスは明らかに以前より用心深くなっていた。


ソックスエリア101112-18.jpg
それがエサ場を荒らされたことと関係あるのか‥‥私には判らない。


ソックスの心情を忖度していた私は、妙なモノを植込みの中に発見した。
ソックスエリア101112-19.jpg
よく見ると、それは猫たちの食器だった。


他に放られたモノがないか、その植込みの裏へ回ってみた。
ソックスエリア101112-20.jpg
するとその場に不似合いな白い板が、草むらの中にあった。
私はそれが何なのか、すぐに見当がついた。



実物を見たのはこの時が初めてだが、そこに書かれた文言はある人から教えられていた。
ソックスエリア101112-21.jpg
これはこのエサ場を担当するA夫妻の手によるものだ。
行間からA夫妻の悲痛な叫びが聞こえてきそうだ。



私は苦労して植込みの上から食器を回収し、できる限りエサ場を復旧した。
ソックスエリア101112-22.jpg
それをジッと見つめるソックスの表情は、何を語っているのだろう?
私は同じ人間として、心からソックスに謝りたい気持ちでいっぱいになった。



猫好きおじさんは、自分の生業に戻っていった。
ソックスエリア101112-23.jpg
そのおじさんを朱色に染めた太陽は、今にも山の端に沈もうとしていた。


このエサ場の周囲に民家はない。国道の反対側には広大な民間施設があり、民家からは数百m離れている。
つまりここに棲む野良たちは誰にも迷惑をかけていない。否、かけようがないのだ。

ソックスエリア101112-24.jpg
だからどういう動機でこのエサ場を荒らすのか‥‥私には到底理解できない。
野良たちは、ここでただひっそりと生きているだけだ。「そうだろ、ソックス‥‥?」



「ソックス、そうやって胸を張って堂々としていろ!」
ソックスエリア101112-25.jpg
お前には、ここで生きてゆく権利があるし、誰もそれを妨げることはできないんだ!



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

シンクロする猫

2010年11月13日 00:00

PM03:00
昨日まで数日続いた秋晴れの空は灰色の雲に覆われ、太陽も薄いベール向こうにあった。

海岸101113-01.jpg
私はお座なりな風景写真を数枚撮ると、東へ急いだ。


ソックスエリア
エサ場は、引き裂かれた傘に辛うじて護られていた。

ソックス101113-01.jpg
中には新しい食べ物が置かれていたが、何故か口をつけた形跡はなかった。


ソックス101113-02.jpg
曇り空にも拘わらず、エサ場のある公園にはバーベキューを愉しむ人たちがいた。


私がエサ場の周囲をしばらく歩いていると、潅木の下にソックスの姿を発見した。
ソックス101113-03.jpg
私の顔を認めたソックスは、ペロリと舌なめずりをした。


ソックス101113-04.jpg
ソックスはおもむろに私に近づくと、その肥った体を摺りつけてきた。
私は危惧している。このソックスの人懐こさがアダにならなければいいが、と。



この若いメスの野良は、その人懐こく愛くるしい仕草で多くの人を惹きつけている。
四本の足が靴下を履いたように見えるので、『ソックス』という名を私が勝手につけた。

ソックス101113-05.jpg
振り向くと、母猫のタビが私の後ろに姿を現していた。『タビ』という名もソックスと同じ理由でつけた。
ソックスは、ここでタビが産んだ生粋の野良だ。だから家の暖かさも人の膝の温もりも知らずに育った。



公園に入る前、タビは歩みを止め中の様子を慎重に窺った。
ソックス101113-08.jpg
しばらくすると、ソックスも公園の中へ入っていった。


ソックス101113-09.jpg
二匹は公園の隅で改めて挨拶を交わす。


タビが見つめる先には‥‥
ソックス101113-10.jpg
ズタズタに引き裂かれた傘で囲まれたエサ場があった。


ソックス101113-11.jpg
そのエサ場へ向かって、タビがゆっくりと歩いていく。


ソックス101113-12.jpg


ソックスもエサ場をしばらく見つめた後、おもむろにエサ場へ向かった。
ソックス101113-13.jpg


母娘は、昨日私が植込みから回収した食器で食事をしていた。
ソックス101113-14.jpg
おそらくこの母娘は、エサ場荒らしの一部始終を目撃したのだろう。
最近ソックスの警戒心が強くなったのも、そのせいだろうと、私は思っている。



それにしても、この母娘はよく似ている。体は娘のソックスの方が二周りほど大きいが、この微妙な位置関係のせいで写真では区別がつかないほどだ。
ソックス101113-15.jpg
二匹の動作がシンクロすると、実にユーモラスでさらに愛しくなってしまう。


初めてこの母娘を見る人のために、外見で見分ける術をお教えしよう。
ソックス101113-16.jpg
面差しの違いは二匹が揃わないと分からないが、片方だけに遇った時でも判別できる箇所があるのだが‥‥
間違い探しのつもりで、母娘の顔をよ~く見比べてほしい。



ソックス101113-18.jpg
判った人もいると思うが、説明しよう。
この母娘を単独で判別するには、鼻先を見ることだ。タビの鼻先には絵筆で白く塗ったような模様が付いている。
実はこの相違を確かめるまで、私も単独で遇った時に判別できない時がある。



荒らされた自分のエサ場を横目に、ソックスは何を想っているのだろう?
ソックス101113-19.jpg


ソックスを野良猫という不遇な境遇に遭わせたのは我々ニンゲンだ。
彼女はただここで息を潜めて生きることしかできない。
そんなささやかな望みさえ、今脅かされている。
いったい誰にそんな権利があるのか!?
少しばかり脳ミソが大きいだけの傲慢な生き物に、そんな権利は与えられていない。絶対に!!
私の心は震えている‥‥怒りと‥‥それ以上の悲しみで。



ソックス101113-21.jpg
私がエサ場を去ろうとしたら、タビとソックスが見送りに出てきた。


と、そこへウォーキング途中のTANYさんが通りかかった。
ソックス101113-22.jpg
TANYさんも、ここの野良たちが気がかりなようだ。


TANYさんは、ひとしきりソックスと遊んだ後、そのままソックスを抱き上げた。
ソックス101113-23.jpg
ソックスを抱いたTANYさんは嬉しそうだった‥‥しかし重そうでもあった。


ソックス101113-24.jpg
歩き去るTANYさんを名残惜しそうに見送るソックス。


ソックス101113-25.jpg
ソックスは、TANYさんの姿が見えなくなるまでその場でそうしていた。


ソックス101113-26.jpg
私は薄雲に滲んだ落日を眺めながら、西へ向かった。


その途中、私は釣人のKおじさんと遭遇した。
海岸101113-02.jpg
釣果を尋ねた私の顔を見て、Kおじさんはただ笑っているだけだった。


重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
ミリオンは、珍しくエサ場の外に横たわっていた。

ミリオン101113-01.jpg
そして妖艶な流し目で私の顔をしげしげと見つめはじめた。


ミリオンの体を撫でながら、私は感じた。寒い冬を迎えるには少し痩せすぎているな、と。
ミリオン101113-02.jpg
ミリオンは、そんな私の心配をよそに毛繕いをはじめた。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

無題

2010年11月15日 00:00

PM02:20
湘南の海は、鈍色の雲の下に暗く沈んで見えた。今朝から気温はぐっと下がり、冷たい風が肌を刺す。

海岸101115-01.jpg
時折顔を出す太陽は、海にスポットライトを当てるだけで、すぐに厚い雲の陰に隠れた。


ソックスエリア
今日も先を超されたようだ。エサ場は徹底的に打ち壊されていた。

ソックス101115-01.jpg
傘の柄は全て折られ、その形を留めていない。


新しいエサが残っているところを見ると、このエサ場を担当するA夫妻も荒らされた後に来たようだ。
ソックス101115-02.jpg
私は、見当たらぬ食器やメッセージを書いた板を捜した。


ソックス101115-03.jpg
食器二つを草むらの中に発見したが、他のモノはついに見つからなかった。
どうやら今度は間単に見つからないところへ遺棄したようだ。



ソックス101115-04.jpg
憩いの場所であるはずの小さな公園に、打ち捨てられた傘はいかにも不似合いで、異様だった。


私が公園の周りを歩いていると、どこからかソックスが姿を現した。
ソックス101115-05.jpg
名を呼ぶと、すぐに私の足にすり寄ってきた。


私が公園に入ると、ソックスも後についてきた。
ソックス101115-06.jpg
そして変わり果てた自分のエサ場へ近づいた。


私はこれから降るであろう雨のことを考え、エサが濡れぬよう最低限の復旧をした。
ソックス101115-07.jpg
その様子をしばらく見つめていたソックスだが‥‥


エサに口をつけることなく、すぐにその場を離れた。
ソックス101115-08.jpg
途中、エサ場を一度チラリとふり返った。


ソックスの頭は混乱しているのかもしれない。
ソックス101115-09.jpg
どうして自分たちがこんな目に遭うのか、理解できずにいるはずだ。


ソックス101115-10.jpg
それからもソックスは、エサ場を何度も顧みたが、決して近づかなかった。


ソックス101115-11.jpg
見知らぬ人が視界に入ると、ソックスは足を止めその様子を窺う。


そして人っ子一人いない公園を仔細に調べはじめた。
ソックス101115-12.jpg
でも私からある程度離れたことを知ると、急いで戻ってきて何度も何度も私に体をすり付けた。


ソックス101115-13.jpg
それにしても、こんな虚しいことがいつまで続くのか‥‥私は曇り空を見ながら大きな溜息をついた。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

ソックスの躊躇い

2010年11月18日 14:00

PM02:00
東の空には辛うじて青空が残っていたが、西の空に迫った黒い雲が陽光を遮っている。
冷たい風が吹き抜ける海岸には、時折小雨が落ちてきた。

海岸101118-01.jpg


ソックスエリア
荒らされたエサ場には新しい傘が一本置かれていた。

ソックス101118-01.jpg
その傘の下には、食べ物と水がたっぷりと用意されている。
この状態がいつまで保たれるのか‥‥私にも判らない。



ソックスはエサ場から離れた場所に独りでいた。
ソックス101118-02.jpg
そして私の足に体をピッタリと寄せてきた。


側にある雨乞いの神を祀った石碑へ近づいたソックスは、いきなり地面を探りはじめた。
ソックス101118-03.jpg
私は「ソックス何してるんだ?」と言いながら近づいた。


ソックスが探っていたところを見ると、松葉に埋もれて煮干があった。
ソックス101118-04.jpg
「誰がこんなところに煮干を置いたんだ?」私は不思議なモノを見た気分だった。


雨乞いの神に煮干を供える慣習があるのか‥‥私は知らない。
ソックス101118-05.jpg
迷わずここへ来たソックスなら、その理由を知っているかもしれない。


ソックス101118-06.jpg
煮干を残らず食べたソックスは、エサ場が見える場所まで歩みでた。


ソックス101118-07.jpg
自分のエサ場を見つめたまま、ソックスはその場で動かなくなった。


ソックス101118-08.jpg
私の方をふり返ったソックスの表情は硬かった。


何か嫌なことを思い出したのか‥‥
ソックス101118-12.jpg
ソックスは私の足に体をすり寄せると、そのままその場に座りこんだ。


私はソックスをエサ場へ誘った。
私が側にいるので安心したのか、ソックスはエサ場へ足早に近づいていった。
その様子を通りかかった女性が微笑んで見ていた。

ソックス101118-13.jpg
エサ場に入る直前、ソックスは私が側にいるのを確かめるようにふり返った。


ソックス101118-14.jpg
私はソックスに安心感を与えるため「ここにいるから、ゆっくり食べな」と語りかけた。


ソックス101118-15.jpg
食事を終えたソックスはエサ場から離れ、植込みの中へ入っていった。


ソックス101118-16.jpg
植込みの中から、エサ場を警戒するような眼つきで見つめるソックス。


私が近づくと、ソックスはすぐ足元にすり寄ってきた。
ソックス101118-17.jpg
そして荒らされた自分のエサ場に眼を移し、再び見つめはじめた。


ソックス101118-18.jpg


ソックス101118-19.jpg
その後も遠目に見つめるだけで、ソックスがエサ場へ近づくことはなかった。


ソックス101118-20.jpg


私がサイクリングロードへ出ると、ソックスも後を追ってきた。
ソックス101118-21.jpg
浜に出たソックスは、黒い雲で覆われた海をしばらく眺めていた。


ソックス101118-22.jpg
サイクリングロードへ戻ったソックスは、前方を見て身構えた。


ソックスの視線の先には散歩中の犬がいた。
ソックス101118-23.jpg
だがその黒い犬は、携帯片手に立ち止まった飼い主に従いその場から動かなくなった。


その様子に安堵したのか、ソックスはゆっくりと後ろをふり返った。
ソックス101118-24.jpg
次の瞬間、ソックスは顔を強張らせ眼を剥いた。


ただならぬソックスの表情を見た私が後ろを振り向くと、ノーリードの大型犬がすぐ側にいた。
ソックス101118-25.jpg
そのゴールデン・レトリバーは、鼻を鳴らしながらこっちへ近づいてきた。


ソックス101118-26.jpg
そしてそのまま、ソックスのエサ場がある小さな公園へ入っていった。
「やれやれ、エサ場荒らしの次はノーリードの犬か‥‥」私は溜息をつきながら犬の後を追った。


<つづく>


ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
  ▽    ▽    ▽    ▽    ▽
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ 人気ブログランキングへ

応援ありがとうございます

迷い犬

2010年11月18日 15:20

ソックスエリア
公園に入ったゴールデンは、匂いを頼りにまっすぐエサ場へ向かっていく。

ソックス101118-27.jpg
エサ場を見つけると、まず最初に水を飲みはじめた。「カプッカプッ」という音がここまで聞こえてくる。 


ゴールデンは鼻を鳴らし、食べ物のありかを確かめる。
ソックス101118-28.jpg
側にいる私を顧みた顔はあくまでも穏やかだった。


食べ物を発見したゴールデンは、勢いよく喰らいついた。
ソックス101118-29.jpg
そしてソックスが食べ残した猫缶とカリカリを、脇目も振らず貪った。


猫のエサを平らげたゴールデンは、公園内をゆっくりと歩いていく。
ソックス101118-30.jpg
それは、いきなりだった‥‥ゴールデンが歩きながら今食べたモノを全て吐き出したのは。


散歩中の犬にしては、どうも様子が変だった。
いつまで経っても飼い主は現れないし、周りを見回してもそれらしき人の姿がなかったからだ。

ソックス101118-31.jpg
ヨタヨタして足元が覚束ないゴールデンの歩き方も普通ではない。


その様子を、ソックスが遠目にジッと窺っている。
ソックス101118-32.jpg
物陰に隠れていればいいものを‥‥ホントに好奇心の強いお嬢さんだ。


ソックスの姿を見つけたゴールデンは猟犬の血が騒いだのか、やにわにソックス目がけて駆け出した。
ソックス101118-33.jpg
植込みに身を隠したソックスを見失ったゴールデンは、トボトボと引き返してきた。


そしてエサの残りを念入りに確かめると‥‥
ソックス101118-34.jpg
ヨタヨタとした足取りで公園から出ていった。


私は判断した‥‥このゴールデンは散歩中ではなく、迷い犬か、捨て犬だと。
ソックス101118-35.jpg
よく見るとお腹がへこんで、しばらくまともな食事をしていないようだ。
空っぽの胃袋にいきなり食べ物を押し込んだので、嘔吐したのだろう。



私はゴミ箱の側に捨ててあった荷造りひもで即席のリードを作り、看板の杭に迷い犬を繋いだ。
ソックス101118-36.jpg
自由が奪われたのが判ると、迷い犬は大人しくなった。


そして不安げな眼で周りを見回しはじめた。
ソックス101118-37.jpg
自分の身を哀れんでいるのか、はたまた飼い主を呼んでいるのか、迷い犬は哀しい声で何度も啼いた。


私はそんな迷い犬を落ち着かせようと、人と変わらぬ大きさの頭をそっと撫でた。
ソックス101118-38.jpg
とにかく、このまま放っておく訳にはいかなかった。


ここに繋いでおいても飼い主が現れることはないだろうと、私は思った。
ソックス101118-38-39.jpg
疲れと空腹のせいか、迷い犬はぐったりと体を横たえた。


そこへ、さっきソックスのことを笑みを浮かべて見ていた女性が通りかかった。
ソックス101118-39.jpg
その女性に迷い犬がここにいる経緯を話し、携帯を持たない私の代わりに警察へ電話してもらった。


私は警察官が駆けつけるまで、この場で待つことにした。
ソックス101118-40.jpg
好奇心の強いソックスが、再び迷い犬の眼の前に姿を現した。


ソックス101118-41.jpg
迷い犬の自由が奪われているのを知ったのか、ソックスは余裕のあるしたり顔を見せた。


すると、ソックスと眼が合った迷い犬が興奮した声で吠えはじめた。
ソックス101118-42.jpg
私は「相手にしないで、放っておけ」と言いながら、迷い犬の頭を撫でた。



ソックス101118-43.jpg
しばらくすると、迷い犬は穏やかな顔で寝転んだ。



ソックス101118-44.jpg
「なあ、お前はどこから来たんだ?迷子になったのか、それとも捨てられたのか?」
でも迷い犬に、応える余力はもはや残っていなかった。



と、思ったのもつかの間、迷い犬がいきなり起き上がって何かに向かって吠えだした。
ソックス101118-45.jpg
迷い犬が吠えた相手は、またもやソックスだった。


ソックスは、浜から迷い犬と私の様子をずっと窺っていたようだ。
ソックス101118-46.jpg
「ソックス、いい加減にしとけよ。これ以上アイツを興奮させるな」


私は猫と同じくらい犬も大好きだ。
迷ったにせよ、捨てられたにせよ、この子の心は今不安でいっぱいだろう。

ソックス101118-47.jpg
「もうじきお巡りさんが来て、ウチへ連れて行ってくれるからな」と言って宥めるしか、私にできることはなかった。


ソックス101118-48.jpg
私が離れると、迷い犬は哀しそうな声で吠えつづけた。


連絡をしてから25分、警察官が駆けつけた。
ソックス101118-49.jpg
迷い犬を撫でていた警察官が、私に向かって開口一番「飼えますか?」と訊いてきた。
意外な質問に、私は一瞬戸惑った。



続けて警察官は言った。「この場合、この犬は”物”として扱いますから」
ソックス101118-50.jpg
私はやっと先の質問の意味を解した。つまりこの迷い犬は私の”拾得物”なのだ。
飼い主が名乗り出ない場合、私にこの犬の所有権を取得する権利が生じるわけだ。



警察官はさらに「拒否することもできます」と言った。
私は書類に署名しながら「飼えないので、拒否します」と応えるしかなかった。
今度は「この犬の行き先はどこですか?」と私が訊くと「県です」とそっけない返事が警察官から返ってきた。

ソックス101118-51.jpg
警察官に連れて行かれる迷い犬に向かって「ウチへ帰るんだよ!」と私は声をかけた。


ソックス101118-52.jpg
私は、飼えなくなった大型犬を遺棄する事例も最近では珍しくないと、後になって知った。


ソックス101118-53.jpg
迷い犬は、警察官に素直に従ってパトカーに乗り込んだ。


警察官が言った”県”というのは、隣の平塚市にある『動物保護センター』だと後から聞かされた。
ソックス101118-54.jpg
ソックスも姿を消して誰もいなくなった公園を目の前にして、私は迷い犬が飼い主のもとへ無事戻れるように祈るしかなかった。


海岸101118-02.jpg



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

首輪をした猫

2010年11月25日 15:20

2010/11/25 PM03:20
夕刻の湘南海岸。この日、私はどうしても確認したいことがあり、2度目の海岸訪問を決めた。

海岸101125-03.jpg


私は最初ボスがどこにいるのか、判らなかった。
ボス101125-08.jpg
枯れ草の中で、ボスのキジトラ柄は見事な保護色になっていた。
ボスは動物の勘で、この場所が安全なことを感じ取っているのだろう。



私が名を呼ぶと、枯れ草の中から出てきて、その痩せた体をすり寄せてきた。
ボス101125-09.jpg
ボスは、私が与えたカリカリを朝同様ゆっくりと食べはじめた。


この野良は、毎日幾人かの人からこうして食べ物を貰っている。
ボス101125-10.jpg
しかし一向に体重が増えず、世話をする人たちの心配を買っている。


ボス101125-11.jpg
キジトラのボス‥‥近くに棲む母猫より、何故かずっと老いさらばえて見える野良だ。


ソックスエリア
ソックス101125-01.jpg
私は荒らされ続けているこのエサ場のことが、気掛かりで仕方がない。


ソックス101125-02.jpg
しばらくすると私の姿を認めた母娘が、揃って姿を現した。


ソックスが周りに気を配りながら、ゆっくりとエサ場へ近づいていく。
ソックス101125-03.jpg


そしてエサ場に置かれたエサを、これまた慎重に食べはじめた。
ソックス101125-04.jpg


そこへ、やはりエサ場荒らしを憂慮するTさんとHさんが相次いでやってきた。
ソックス101125-05.jpg
そして、自分が知る野良の情報を交換し合う。
海岸猫を護るためには、こういう横のつながりがとても重要だ。



ソックス101125-06.jpg
無防備なこの子たちは、常に助けを求めている。
だから我々は、人を疑うことを知らないソックスのような子が危難に遭わないよう、常に目配りをする必要があるのだ。



TさんとHさんが去った後も、私は念のためソックスエリアへ残った。

そこへ先週の土曜日に船宿エリアで遇った女性Iさん(仮称)が、私を捜し求めてやってきた。
勿論、ここに私がいることなど彼女は知る由もない。
海岸のどこかに私がいるだろうと思い、当てもなく東へ向かってきたと言う。
彼女は「こんなトコロまで来たのは初めて。ここ何処って感じよ」と溜息混じりに訴えた。

「船宿へ女性3人のお客さんが来てます」
そして「疥癬に侵された正体不明の動物がうろついています」とIさんは矢継ぎ早に言った。

私は船宿エリアへ向かった。



船宿エリア
疥癬に罹った正体不明の動物は発見できなかったが、その代わりにもっと厄介なモノを船宿前に見つけた。
船宿101125-01.jpg
首輪をしたその三毛猫は何かを訴えるように、盛んに鳴声を上げている。


飼い猫らしきこの子を見るのは初めてだ。最近まで人に飼われたと見えて、非常に人懐こい。
船宿101125-02.jpg
そんな闖入者に、カポネは大人の対応を見せている。威嚇もせず、優しい眼でただ見つめていた。


Iさんが遅れて船宿前に到着。私は試しに持っていた猫缶を三毛猫に与えた。
飢えていたらしく、貪るように猫缶を食べはじめた。

船宿101125-03.jpg
Iさんが与えたカリカリも、あっという間に平らげてしまった。
その後も、首輪をした猫は我々の側から離れようとはしなかった。
近くに家があれば、帰ってもいいはず‥‥。
私たちは顔を見合わせて異口同音に言った。「ひょっとして、この子、捨て猫‥‥?」


その結論を明日以降に延ばした私たちは、船宿前で別れた。


船宿の水場に猫缶が入ったレジ袋が残されていた。Iさんによると、若い女性2人とそのお母さんらしき人が私のために置いていったとのことだ。
船宿101125-04.jpg
私のブログの読者らしいその人たちにお礼が言いたいが、残されたメモに名は記されていなかった。

猫缶を私に残してくれた方へ
コメントかメールでご一報ください。





ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

神前の猫

2010年12月09日 14:35

2010/12/09
夕刻の湘南海岸に吹く海風は、徐々にその勢いを強めていた。
その風を求めてやって来たウインドサーファーたちは、準備に余念がない。

海岸101209-01.jpg


ソックスエリア PM02:45
ソックスエリア101209-01.jpg
このエサ場は、最近エサ場荒らしの被害に遭っている。
そのため今はエサ場を囲う傘がない状態だ。
カリカリが地面にこぼれているのが少々気になるが‥‥



タビとソックス母娘が何処からともなく現れた。
ソックスエリア101209-02.jpg
私の訪問を知って、それで安心してエサ場に来たのか?


ソックスエリア101209-03.jpg
「ソックス、スティックを持った荒らしのオヤジはまだここへ現れるのか?」
しかしソックスは、何かに夢中で私の問いを完全に無視した。



と、その時大きな鳴声が公園内に鳴り響き、母娘は体をビクつかせてふり返った。
ソックスエリア101209-04.jpg
それは一羽のカラスの所業だった。


ソックスエリア101209-05.jpg
タビはそのカラスの動向に神経を集中しているが、娘のソックスは既にカラスには関心がない様子だ。


この野良、少々飽きっぽい性質(たち)だ。
ソックスエリア101209-06.jpg
野良の場合、飽きっぽさは油断に通じる。この性格がアダにならなければいいのだが‥‥


ソックスエリア101209-07.jpg


ソックスエリア101209-08.jpg
それでも、それなりに身の回りの用心はしているようだ。


私がソックスと呼ぶこの野良、人懐こさでは海岸猫の中で一二を争う。
ソックスエリア101209-09.jpg
初見で体をすり寄せてきたのはコイツが初めてだ。


ソックスエリア101209-10.jpg
この母娘よく似ているが、この大柄な方が娘のソックス‥‥


ソックスエリア101209-11.jpg
そして小柄な方が母猫のタビだ。


ソックスエリア101209-12.jpg
この母娘、仲の良さでは海岸猫の中で一番だろう。


いつもこうして二匹一緒にいることが多い。
ソックスエリア101209-13.jpg
タビは後ろから娘を優しく見守っている。


ソックスはまだまだ好奇心旺盛な若い野良だ。
ソックスエリア101209-14.jpg
ソックスの眼は、次なる興味の対象へ照準を合わせている。


エンジントラブルか‥‥スクーターの修理に専心する人がいた。
ソックスエリア101209-15.jpg
ソックスはその光景から眼を離さない。


やがて遠くから眺めるだけでは満足できなくなったのか、やおらスクーターへ近づいていった。
ソックスエリア101209-16.jpg
何が面白いのか、修理に苦労している人を、ソックスはただ眺めていた。


そのうち、その場にゴロリと体を横たえた。
ソックスエリア101209-17.jpg
まるで、そんな事止めてワタシと遊んでよ、とでも言いたそうに。


ソックスエリア101209-18.jpg
近くにある雨乞いの神を祀った石碑。


猫に信心があるのか‥‥私は知らない。
ソックスエリア101209-19.jpg
さらに雨乞いの神が野良猫に慈悲を与えてくれるのか‥‥私には知る由もない。


ただ、こうして慎ましく生きる野良たちを、不憫に思う神が何処かにいてもおかしくない、と思っている。
ソックスエリア101209-20.jpg
私は石碑に向かってそっと拍手を打った。


海岸101209-02.jpg
タビとソックス母娘の無事を確かめた私は、船宿エリアへ向かった。

<つづく>


ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
  ▽    ▽    ▽    ▽    ▽
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ 人気ブログランキングへ

応援ありがとうございます


海辺の家族

2011年02月18日 15:07

カポネの怪我が癒えたのを機に、私は東に棲む野良たちの安否を確かめることにした。
海岸110215-01.jpg


ソックスエリア
ソックス110215-01.jpg


私の姿を何処からか見ていたのか、エサ場に着いた途端タビとソックス母娘が姿を現した。
ソックス110215-02.jpg
ソックスは一時期より痩せていた。健康のためには良いことだが、その原因が気になる。


このエサ場は数ヶ月前から陰湿で執拗な荒らしに遭っている。
ソックス110215-03.jpg
今のところ野良たちに直接危害が及んでいる様子はないが、この手の犯罪はエスカレートするのが常なので気を緩める訳にはいかない。
『エサ場荒らし』 『生きる権利』 『無題』 『ソックスの躊躇い』を参照。


けっして気のせいではなく、その事件が始まって以来、それまで人懐こさでは海岸猫の中でも一、二を争っていたソックスが人を怖れるようになった。
ソックス110215-04.jpg
いったいこのつぶらな瞳はどんな凶行を目撃したのだろう?


人懐こさを多少削がれても、ソックスが魅力に溢れた野良であることは変わらない。
ソックス110215-05.jpg


ソックスの『独り遊び』の様子をちょっと紹介しよう。



腹が減っているかと思い、猫缶を与えてみた。
ソックス110215-06.jpg
タビが側に来て、ソックスの様子を窺っている。


ソックス110215-07.jpg
ところが二匹とも腹は満たされているとみえて、猫缶には申しわけ程度口を付けただけだった。


ソックス110215-08.jpg
不審な物音がした訳でもないのに、エサ場の入り口を凝視したまま母娘は動かなくなった。


時折通りすぎる人をも警戒しているようだ。
ソックス110215-09.jpg
エサ場荒らしの犯人が此処から侵入してきたと訴えているのだろうか?


母親のタビがついと姿を消した。
ソックス110215-10.jpg
ふり返ると、国道のほうへゆっくりと歩いていく。


そのあとを、やはりゆっくりとした歩調でソックスが追った。
ソックス110215-11.jpg
すると、母娘とすれ違いに一匹の野良がいきなり目の前に現れた。


その野良は警戒しながら、そろりそろりと近づいてきた。
ソックス110215-12.jpg
実はこの野良、タビの娘である。つまりソックスの姉妹なのだ。


このエサ場の住人でありながら、滅多に姿を見せないため、私も数えるほどしか遭遇していない。
ソックス110215-13.jpg
さらにブログで紹介するタイミングを悉く逸し、今回が計らずも初登場と相なった。


それ故、呼び名はまだ決まっていない。
ソックス110215-14.jpg
『タビ』『ソックス』とその柄から履物に由来した呼び名を付けたが、この野良にそれを当てはめるとつい『胴付長』という名が浮かんでしまった。
しかし彼女も、それは望んでいないだろう。よって、この子のことを今から『タイツ』と呼ぶことにする。



タイツは母へ近づき挨拶を交わした。
ソックス110215-15.jpg
だが何かを警戒するように、すぐにタビから離れてしまった。


タイツが何故怯えているのか‥‥
ソックス110215-16.jpg
私はその理由を知っているが、証明する写真がないので次の機会に紹介したいと思う。


ソックスが残した猫缶をタイツに勧めてみた。
ソックス110215-17.jpg
だがタイツはまだ警戒心を露わにしている。


ソックス110215-18.jpg


けっきょくタイツは猫缶には眼もくれず、足早に植込みの中へ姿を消した。
ソックス110215-19.jpg
ま、飢えていないなら、それはそれで結構なことだ。


ソックス110215-20.jpg


私が砂浜へ降りると、タビとソックスもあとを追ってきた。
ソックス110215-21.jpg
見分けがつかないかもしれないので、念のため言っておくが、こっちが娘のソックス‥‥。


そしてこちらが母親のタビだ。
ソックス110215-22.jpg
ソックスが所在なさそうに砂浜に佇んでいる時だった‥‥。


タイツが忍ぶように姿を現したのは。
ソックス110215-24.jpg
タイツは石垣にうずくまり、そっとこちらの様子を窺っている。


ソックスとタイツは距離を置いて見つめ合ったまま動かない。
ソックス110215-25.jpg
1分が経過しても‥‥尚も動かない。


やがてタイツが退散すると、ソックスはやっと向き直った。
ソックス110215-23.jpg
そして、夕暮れの海を物憂げに眺めはじめた。


ソックス110215-26.jpg
私も海辺に棲む母娘に倣って、夕映えの海に目をやった。

<つづく>


ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
  ▽    ▽    ▽    ▽    ▽
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ 人気ブログランキングへ

応援ありがとうございます