コジローの不在

2010年10月13日 23:59

PM03:30
今日の湘南は、夏日だった。いったいこの残滓のような暑さはいつまで続くのだろう‥‥

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ミケが眠る場所は花で溢れていた。
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カラスに破られた遺影を包むビニールも新しいモノに替えられている。
「ミケ、お前ほど愛された野良は世界中捜してもいないかもしれないぞ」



捨て猫の茶トラがいた場所
昨日まで植込みの側にあった傘と小屋が跡形もなく消えていた。
茶トラエリア101013-01.jpg
発泡スチロールの小屋をここへ置いたのはK夫妻だった。
私のブログで茶トラが里親に引き取られたことを知ったKおじさんから昨夜メールが届いた。
それには『私たち二人も里親が見つかるのを切に願っていましたので安堵しています。発泡ケースは後ほど撤去いたします』とあった。



一昨日まで茶トラがいたこのエリアは、元の静けさを取り戻していた。
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耳を澄ましても、聞こえてくるのは波音と国道を走る車の走行音だけだ。


あまたの小さい命を奪った国道134号線‥‥
マサムネの兄弟もこの道路で車に轢かれ命を落としたと、聞いた。

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海岸猫にこの道路を渡らせないため食事を与えていると言ったボランティアのAさんの言葉が、今でも私の頭にこびりついている。


重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
ミリオン101013-01.jpg
今日もミリオンの姿を見ることは叶わなかったが、ゆきママさんから朝は奥の発泡スチロールに座っていて、カリカリも食器に残っていたという報告を受けている。


海岸101013-02.jpg





船宿エリア
マサムネとカポネの不穏な様子を見た私は、急遽食事を与えることにした。

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マサムネとカポネのトレイは少し離れた場所に置いた。


警戒心の強いこの野良には、いつもの特別席を用意した。
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「カポネ、雨に濡れた甲斐があったかい?」と私は訊いてみたが、食事中のカポネに応える余裕はないようだ。


自分の分を食べ終えたシャムミックスが、兄であるマサムネのカリカリを奪いにかかった。
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いつもならすぐに譲ってしまうマサムネだが‥‥


よほど腹が減っているのか、妹と互角に張り合っている。
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お互いに譲らず、兄妹はしばらくこの状態でカリカリを食べつづけた。


だが根負けしたのは、やはりマサムネだった。
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マサムネは仕方なく、眼の前にあった白猫の食べ残しに口をつけた。


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このお嬢さん、見かけに依らず厚かましい。


そこへ、長毛野良が駆けつけてきた。
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ところが敵対するカポネが居るのを知るとその場で固まってしまった。


私は間に入り、カポネと離れた場所にカリカリの入ったトレイを置いた。
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それでもトレイに近づこうとしないので、トレイを眼の前に差し出してやった。


妹にカリカリを横取りされたマサムネに追加を与えた。
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そのマサムネを羨ましそうな眼で見つめるカポネ。


マサムネは脇目もふらず食べつづける。
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カポネは相変わらず大人しくただマサムネの様子を見ている。


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よそ者である自分の立場をわきまえているのか、それともマサムネに一目置いているのか、カポネは驚くほどしおらしい。


私はその時おそまきながら、あることに気がついた‥‥
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食べ物の匂いがすると真っ先に駆けつけてくるコジローの姿が見えないことに‥‥

<つづく>





サンマの近況
先日、サンマを保護しているあらしさんから写メールが届いた。

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それによると、サンマは来る16日の午後に去勢手術を受けることが決まった。
術前の血液検査では、腎臓は特に悪くなっていないとのこと。
「まぁ、現状維持だと思います」とあらしさんは記していた。
ちなみに、サンマの体重は4.8㎏もあるという。



ただサンマの夜鳴きは相変わらずで、ご主人ともどもストレスを溜めているそうだ。
サンマ101-02.jpg
【かまくらベッドでくつろぐサンマ】



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雨宿りする猫

2010年10月12日 23:58

PM04:45
湘南海岸の上空は雲に覆われていたが、西の空を斜陽が鮮やかな朱色に染めていた。

海岸101012-01.jpg


サイクリングロードで猫好きおじさんと遭遇した。
茶トラが里親に引き取られたことをまだ知らなかったおじさんに、私は昨日の経緯を説明した。
ややあって、おじさんは「大丈夫だ‥‥」と呟くように言った。

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何が大丈夫なのか、私はそれ以上おじさんに訊くことができなかった。
茶トラが家猫になることが大丈夫なのか、それとも世話をしていた茶トラがいなくなっても自分は大丈夫だと言いたかったのか‥‥
去っていく猫好きおじさんの後ろ姿を見送りながら、私はしばらく考えていた。



国道134号線
この道路を渡ろうとして命を落とした野良は数知れない。

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私が茶トラの捕獲を急いだのは、この国道の存在があったからだ。
一昨日の夕刻、船宿からの帰りに茶トラの様子を見ていたら、いきなりサイクリングロードへ飛び出し、走ってきた自転車に轢かれそうなったのを目撃した。
海岸に遺棄されて間もない茶トラなら同じことを国道でもやりかねないと思った私は、翌日捕獲することに決めたのだ。



茶トラがいたエリアに新たなモノが置かれていた。
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近づいてみると、発泡スチロールの箱だった。


反対側に小さな出入り口があって、中に新聞紙が敷いているのが見える。
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それは明らかに茶トラのために作られた小屋だった。
雨に濡れないよう、寒さに耐えられるよう、誰かが作りここへ置いたのだ。
しかし1日遅かった‥‥茶トラがこの小屋で眠ることは、もう二度とない。



重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
ミリオン101012-01.jpg
ミリオンのエサ場は森閑として、動くモノの気配は一切感じられなかった。





船宿エリア
冷たい雨がそぼ降る船宿に着いたとたん、カポネの後ろ姿が私の目に入った。
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カポネは何故か船宿へ直行せず、駐車場の車の下で雨宿りをしはじめた。


船宿の玄関先ではマサムネが雨宿りをしていた。
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私の姿を認めたマサムネは、やおら近づいて来て大きな伸びをした。


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そしてなかなか止まぬ小ぬか雨を恨めしそうに見つめはじめた。


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猫は体が濡れるのをひどく嫌う。しかし外猫は雨に濡れるのをある程度覚悟している。
雨が降っているからといってジッとしていては生きていけないからだ。



カポネもここまで小雨に打たれながらやって来た。
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そのカポネの眼つきがいきなり鋭くなった。


カポネの視線を追うと、マサムネと白猫が微妙な距離で向き合っていた。
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雨の中、彼らが何のためにそうしているのか、私には皆目分からなかった。


他の野良を捜したが‥‥
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どこかで雨をしのいでいるらしく、その姿を見つけることはできなかった。


私が捜すのを諦めて振り向くと、マサムネと白猫が近くまで来ていた。
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マサムネは私の行動をいつも見張っているようだ。いったい何のためだ‥‥?


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この時、車の下で雨宿りしているカポネの存在に、マサムネがやっと気づいた。


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マサムネと向き合ったカポネの眼つきはさらに鋭さを増した。

<つづく>


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葉っぱの首輪

2010年10月11日 23:59

PM03:30
夏日を記録した湘南海岸には紺碧の空から強い陽射しが降りそそぎ、夏に逆戻りした錯覚をおぼえる。

海岸101011-01.jpg


捨て猫の茶トラ
私がいくら呼んでも出てこなかった茶トラが、どこからともなく姿を現した。
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それは、心を許したこの女性の訪問を知ったからだった。


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今日もチクワを手ずから貰う茶トラ。


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この女性は親しみをこめて茶トラのことを「チャチャ」と呼び、茶トラもその呼びかけに応える。


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食事が終わったら、お遊びタイムの始まりだ。


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猫じゃらし代わりに草を眼の前へ差し出すと‥‥


すぐに茶トラは反応した。
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まだまだ遊び盛りのこの幼い野良にも同い年の兄弟がいたはず‥‥


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捨てられずに家猫のままでいたら毎日遊んでくれただろう兄弟を、茶トラは思い出しているのかもしれない。


女性が歩くと茶トラも歩調を合わせてついていく。
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そして女性が立ち止まると、茶トラも立ち止まる。


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その様子を見ていた私の目には、まるで生き別れた母猫の面影を茶トラが追っているように映った。


茶トラは女性から素敵なプレゼントを貰った。
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それは葉っぱの首輪だった。
そうされても茶トラは嫌がりはしないが、何故か寂しげな表情でこちらを見た。










これから数分間の写真は、1枚もない。

理由は私にその余裕が全くなかったからだ。

茶トラが心から信頼しているその女性に協力を頼み、私は茶トラの捕獲を試みた。

この茶トラの里親が見つかったからだ。

しかし幼い野良の必死の抵抗は想像以上で、危うく取り逃がすところだった。

用意した洗濯ネットに押し込める時、私は渾身の力を振り絞った‥‥

それくらい茶トラの力は強かった。












キャリーケースの中に囚われてからも、茶トラは怒りの鳴き声を上げつづけた。
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捕獲の際、女性は茶トラの牙で手に傷を負ってしまった。
私の手渡したティッシュが鮮血でみるみる染まっていく。
可愛がっていた茶トラの信頼を失うだけでも彼女にとっては苦痛だったはず‥‥。
彼女の心中を忖度するにつけ、私は本当に申し訳なかったと心から思い、そして感謝した。



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この捕獲にはTさんも協力してくれていた。洗濯ネットもキャリーケースもTさんが用意したものだ。


茶トラと最後の別れをする際「野に暮らしても良いことないのよ」と諭すように彼女は言った。
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そして1度もふり返らず、その場をあとにした。


その女性の後ろ姿を見送った茶トラは、悲しげな声で泣きつづけた。
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しばらくすると泣き疲れたのか、茶トラは無言で女性が去った方を見つめるだけになった。


茶トラはこれから自分がどうなるのか、その運命を、まだ知らない。
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私はそんな茶トラに言った。
「お前はもう冷たい雨に濡れることも、凍てつく風に震えることもないんだよ」





重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
茶トラを里親さんに届けるため、今日はミリオンのエサ場へ行くことができなかった。
しかしゆきママさんから、午前9時頃訪ねたらエサ場の奥にいて食欲もあったという報告が届いている。




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茶トラの支援者

2010年10月10日 21:51

昨日からの雨は、夜通し降りつづいた。
眠ることもできず、冷たい雨に震えていた茶トラの姿が私の脳裏から離れなかった。



AM10:10
茶トラのことが気になった私は、睡眠剤のせいで完全に覚醒しない体を自ら叱咤しながら海岸へ赴いた。
私が舌を鳴らして呼ぶと、茶トラはすぐに姿を現した。

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茶トラは私よりずっとスッキリした顔でこちらを見つめている。


そして、いきなり激しく鳴きはじめた。
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最後には叫ぶように大きな鳴き声をあげた。
「これだけの大声を出せる元気があるなら、心配することはない」私は安堵した。



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最初は私を警戒していた茶トラだが、甘えた声を発しながら徐々に近づいてきた。


腹が減っているかと思い、まずは持ってきたカリカリを与えた。
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茶トラは、トレイに移したカリカリを貪るように食べはじめた。


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カリカリを食べ終えた茶トラは、警戒した様子でトレイから離れていった。


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残されたトレイを覗くと、見事に完食していた。


そこへ猫好きおじさんがやって来た。
茶トラのために2本の傘を置いたのは、このおじさんだった。

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猫好きおじさんが、新たな食事をカリカリと一緒に食器へ入れた。


それは食パンを小さくちぎったモノだった。
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茶トラの側へ食器を差し出すと、これもまたガツガツと食べだした。


そこへ今度は、初老の女性が自転車に乗って茶トラを訪ねてきた。
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この女性、どうやら茶トラとは親しい間柄のようだ。


その女性の手から直接チクワを貰う茶トラ。
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器用に食べるものだと感心していると‥‥
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ポロリと地面に落としたりするから、猫は可愛い。


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場所を替えてチクワを食べようとするが、茶トラはさっきの失敗が頭にあるのか、つい前足を出してしまう‥‥こういう仕草もまた可愛い。


その女性が、来たときと同じように自転車に乗り帰っていくと、茶トラはその後ろ姿を名残惜しそうに見送った。
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そうしてしばらくの間、その場で佇んでいた。


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何を思ったか、茶トラはいきなり地面に転がった。


その茶トラが見つめる頭上に目をやると‥‥、
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白い雲の合い間から青空が覗いていた。


PM 03:20
午後、予報より早く天気が回復した海岸へ、私は再び足を運んだ。

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重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
ミリオン101010-01.jpg
ミリオンの姿はなく、エサ場の中は静まり返っていた。





AM9:50
午前中に茶トラのところへ行く途中、ボスの姿が目に入った。

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数ヶ月ぶりに間近で見るボスは何だかやつれていた。


持っていたカリカリを与えると、すぐに食らいついた。
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食欲がある様子を見て安心したが、痩せた体がやはり気にかかる。


私の顔を思い出したのか、ボスは痩せた体をすり寄せてきた。
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そんなボスの体を、私はいたわるように撫でた。


カリカリのお代わりをトレイに盛ってやると、ボスは味わうようにゆっくりと食べた。
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「ボス、今度から食べ物を持って来てやるから顔を見せろよ」



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雨中の猫

2010年10月09日 23:58

PM 04:10
朝から降りだした雨は本降りになり、風に煽られ湘南海岸に銀色の斜線を引いている。
江ノ島は、模糊として灰色の靄の中に隠れ、その所在すら分からない。

海岸101009-01.jpg


PM 04:20
新顔の茶トラが居た場所。
茶トラ101009-01.jpg
植込みの側に昨日なかったはずの傘が2本、バケツの水を護るように置かれていた。
おそらく幼い茶トラのためだろうと思われた。



私が舌を鳴らすと、どこからか悲しそうな猫の鳴き声が聞こえてきた。
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その声を頼りに防砂林の中へ入っていくと、果たして植込みの中に茶トラがいた。


私が側に寄ると、茶トラは鳴くのを止めその眼に警戒の色を灯した。
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まだ幼い野良のため、私はできるだけ易しい猫語で話しかけた。
「お前は、いったいどこから来たんだ?」「寒いならこっちへおいで」



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しかし茶トラは口を閉ざして何も応えようとしない。


雨を避けるためか、そのうち茶トラは居場所を替えた。
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しかしいくら生い茂った潅木の葉でも、この雨を完全に防ぐことはできない。


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私が見ている間にも茶トラの頭上からいく筋もの雨が落ちてきて、その体をしとどに濡らしていく。


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茶トラは堪らず雨に濡れた体を舐めはじめた。


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この状態だと、今夜は眠ることもできないだろう、
どうにかしてやろうにも、植込みの奥から出てこない以上私には手の出しようがなかった。



PM 05:20 
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン
人っ子ひとり通っていない雨のサイクリングロードを、私はミリオンのエサ場へ向かっていった。

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しかし、エサ場にミリオンの姿はない。


こんな雨の中、ミリオンに出かける用事はないように思えるが‥‥
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ただ小雨模様だった早朝にミリオンを訪ねたゆきママさんから「私が与えたカリカリを全部たいらげました」と記されたメールを受け取っていたので過度な心配はしていない。


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夕闇が濃くなるにつれ江ノ島が姿を現してきた。


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帰路の途中茶トラを再び訪ねたが、最後に目撃した場所に姿はなかった。
その時、小さな鳴き声が私の左手から聞こえてきた。



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茶トラは雨に濡れた冷たい地面にうずくまり硬く眼を閉じていた。


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この雨は深夜にかけてさらに強くなると予報が告げていた。



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新顔

2010年10月08日 21:33

PM 02:00
今日も湘南は季節はずれの夏日を迎えたが、陽射しは夏のそれとは違い柔らかく降りそそいでいる。

海岸101008-01.jpg


PM 02:20 
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン

ミリオン101008-01.jpg
エサ場の外で体を横たえていたミリオンは、私の気配を感じると、ちらりとふり返った。


エサ場には私より先にIおばさんが食事を持ってきていた。
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しばらくすると、ミリオンを案じてHさんもやってきた。
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孤独なミリオンはこうして幾人もの人の世話を受けて暮らしている。


帰路の途中、見知ったカップルの姿が偶然私の視界に入った。
それはウータンさんとブースカさんだった。

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ふたりの視線を辿ると‥‥草むらの中に一匹の茶トラがいた。


私はこれが初見だが、この野良の存在は数人の人から聞いていた‥‥人懐こい茶トラいると。
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よく見ると、まだ幼い野良だった。


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ここ3週間あまりで、私は三匹の新顔に遭遇したことになる。
今月3日に植込みで再会した黒シロの年齢は定かではないが、先月28日に遇った黒猫とこの茶トラはこの春生まれたばかりだと思われた。
海岸にこれ以上遺棄された新顔が現れないことを、私は心から祈った。




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マサムネの仲裁

2010年10月07日 23:34

PM 03:40
今日も夏日を記録した湘南だが、この時刻になると北よりの爽やかな風が昼間の暑さを彼方へと運んでいく。

海岸101007-01.jpg

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PM 04:10 
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン

私はミリオンのエサ場でHさんと待ち合わせをしていた。
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Hさんからミリオンのことについて相談があるからというメールが届いたのは一昨日だった。


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数年来の顔見知りであるHさんが側にいるからか、ミリオンはのんびりと毛繕いをつづけた。


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そしてその場へ体を横たえると、安らかな表情で涼風に身を委ねた。


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9月某日 船宿エリア
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船宿前の不穏な空気を敏感に感じ取ったマサムネは、懸念の表情でその様子を窺っている。


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そのとき船宿前は膠着状態に入っていた。


私が振り向くと、いつの間に戻ったのか、マサムネが目の前にいた。
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マサムネが睨み合う二匹の野良にゆっくりと近づいていく。


しかし二匹の間に割って入るわけでもなく、ただ側にうずくまっただけだ。
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それでもマサムネという援軍を得て、長毛野良の表情が明らかに和らいでいる。


逆にマサムネの登場で焦ったのはカポネだ。
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マサムネと長毛野良を交互に見つめるカポネの顔には驚きと焦燥が窺える。


そんな状況に耐えられなかったのか、カポネは車の下から這いでると足早に船宿へ向かっていった。
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ことを荒立てず睨み合う二匹を引き離したマサムネの行動‥‥
見事な仲裁だと、私は感心した。



カポネの動きを鋭い眼で見つめるマサムネ。
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カポネは耳を倒した警戒モードのままゆっくりと水場を移動している。


カポネが船宿に来た目的は食べ物だ。
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トレイに残ったカリカリを、カポネは一粒一粒丁寧に口へ運んでいく。


この野良に決まったエサ場はないのだろうか‥‥?
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カポネはトレイのカリカリをほぼ食べてしまった。
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そして気まずそうな表情で私の顔をちらりと見上げた。


カポネがエサ場から出てくると‥‥
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三匹の野良が待ち受けていた。


しかしカポネが近づくとマサムネを残してあとの二匹は姿を消してしまった。
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カポネはマサムネに一瞥をくれただけで、来た道を足早に去っていく。


そのカポネの後をマサムネが追う。
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さらに‥‥追う。


カポネが歩調を速め脇目もふらず先を急ぐ。
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そして先日姿を消した狭い路地へ逃げこんだ。


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マサムネも縄張り外のその路地へ入ることは躊躇ったようだ。


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マサムネが何の目的で、そして誰の後をつけたのか‥‥私はまた判らなくなった。



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追跡する母子

2010年10月06日 23:59

PM 03:50 
湘南は2日連続で夏日を記録した‥‥
ただ、夕刻の浜辺を吹きぬける涼風が秋の深まりを告げていた。

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PM 04:10 
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン

ミリオンはエサ場の奥で横たわっていた。
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名を呼んでもミリオンはその場から動かず、だた物憂げに私の顔をちらりと顧みるだけだ。


と、そこへTANYさんが通りかかった。
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いつもより遅い時刻の遭遇を怪訝に思った私に「wabiさんに逢えると思って来ました」とTANYさんは笑いながら言った。


TANYさんもしきりにミリオンの名を呼んだが、ミリオンがその声に応えることはなかった。
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TANYさんは来たときと同じように颯爽と去っていった。


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エサ場から出てくることはなかったが、ミリオンの元気な姿を見ることができ、私は安心して帰路についた。





9月某日 船宿エリア
しばらくすると母に続いてマサムネも船宿前に姿を現した。
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そして、母子揃って私のあとについてきた。


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私が歩みを止めて振り返ると、二匹も立ち止まりあらぬ方を見つめはじめる。


しばらく行くと、視界が開け彼方に水平線が見えた。
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私が物影からそっと窺うと、こちらを向いて佇んでいるマサムネの姿が見えた。


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いつまでも動かないマサムネに痺れを切らした私は、来た道を引き返した。


そして私は「なんで後をつけるんだ?」と以前にも言った同じセリフをマサムネにぶつけてみた。
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この猫語のセリフは前もって練習を積んだので通じたはずだが、今回もマサムネからは何の反応も返ってこず、私は少しムカついた。


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そんな私の苛立ちをよそに、マサムネは夕刻の空を見つめはじめた。


そしてその場に横たわった。
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そこで私は違う道を選んで、再度マサムネの反応を試すことにした。
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ところが肝心のマサムネに動く気配はなく、何故か母猫が私のあとをつけてきた。


私も意地になり、国道へ通じる階段を途中まで登ってみせた。
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ところが、マサムネの様子を見ようと振りかえった私の目に、いきなりカポネの後ろ姿が飛びこんできた。


カポネの姿を見た母猫はどこかへ身を隠したようだ。
そのカポネがゆっくりとマサムネに近づいていく。

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マサムネとカポネが向かい合った。しかしカポネの突然の出現にもマサムネは動じない。


そんなマサムネの態度にカポネも臆したのか、そそくさとその場を離れていった。
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今度は私がカポネのあとを追うハメになった。


カポネの向かった先‥‥それはやはり船宿だった。
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カポネと長毛野良の眼が合った瞬間、緊迫した空気が流れた。


カポネは側にあった車の下に潜りこむと、相手から眼を離さなくなった。
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長毛野良も姿勢を低くし、臨戦態勢に入っている。


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覗き見る私にも、カポネの緊張感がひしひしと伝わってきた。


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その様子を、マサムネが心配そうに見つめている。

<つづく>



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微妙な親子

2010年10月05日 23:59

PM 04:20 
夏日を記録した湘南海岸は穏やかな夕刻を迎えていた。
波のない海は、まるで大きな湖のように静かに横たわり夕映えに輝いている。

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PM 04:50 
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン

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空腹だったようで、私が差し出したカリカリに、ミリオンは勢いよく食らいついた。


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ひとしきりカリカリを味わったミリオンは、食べるのを止め私の顔をまじまじと見つめはじめた。


私は慎重にミリオンに近づくと、その体をそっと撫でてみた。
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咽を撫でると、ミリオンは気持ち良さそうに眼を閉じた。


そして私が追加のカリカリをトレイに入れ、食べるよう促すと、ミリオンはすぐに口をつけた。
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ミリオンは相変わらず食欲旺盛で、見ていて気持ちが良いくらいだった。


海岸101005-03.jpg





9月某日 船宿エリア
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箱に入ったコジローは、夕陽で朱に染まった西の空を見つめたまま動かなくなった。
このエリアには風流な野良が存外と多い‥‥
ような気がする。


船宿前に戻ると、辺りに良い匂いが漂っていた。
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この野良もその臭いが気になるようで、一心に見つめている。


振り返ると、船宿の泊り客がバーベキューを始めていた。
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見つめ続ける野良に私は言った。「猫舌のお前に食べられるようなモノはないぞ」


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マサムネはよその家の前で毛繕いに余念がない。


振り向いた私は、マサムネの母と目が合った。
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だが、軽く無視された。


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ふと前方を見ると、マサムネがゆっくりとこちらに近づいて来ていた。


そして母親の近くに腰を下ろすと、再び毛繕いをはじめた。
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しかし、何故か母猫は息子であるマサムネから離れ、国道へ出る階段に腰を据えた。


今度はそこへシャムミックスがやって来た。
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実は、このシャムミックスも三毛猫の子供で、マサムネの妹にあたる。


ところがこの母猫、甘えてきた娘からもすぐに離れてしまった。
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何とも微妙な距離の親子だと、私は思った。


船宿へ戻りかける私に、痛いほどの鋭い視線を投げかける野良がいた。
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この茶トラは、決して他の野良とつるまず、いつも独りでいる孤独な野良だ。
当然人にも強い警戒心を持ち、その頑なな態度を崩すことはない。
こういうヤツは、人間社会にも沢山いる。



私はマサムネを試すことにした。
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カポネのあとを追う私を、マサムネは過去に2度も尾行してきた。
マサムネの目的がカポネなのか私なのか、測りかねていたので、それを確かめようと思った。



私は船宿前の道をゆっくりと東へ向かって歩きだした。
船宿919-31.jpg
すると、一匹の野良が角から姿を現した。


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私はそ知らぬ顔をしてなおも歩きつづけた。

<つづく>



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コジローの失意

2010年10月04日 23:58

PM03:40
雨は上っていたが、なおも低い雲に覆われた湘南海岸は、彩度の低い寒々しい光景を見せていた。

海岸101004-01.jpg

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PM06:10
重度の耳疥癬に苦しむ白猫、ミリオン

今日もミリオンの姿はエサ場の中になかった。
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最近ミリオンはこの時間になると、どこかへ出かけるようだ。


昨日植込みの奥で見かけた黒白の野良‥‥
帰宅してから私は思い出した、あの野良とは初見ではないと。
この写真は9月14日に撮影したものだ。場所は西のエサ場。

ミリオン101004-02.jpg
参考までに昨日の写真を載せておく。やはり同じ野良だ。


海岸101004-03.jpg
どうやら黒白の野良は、各エサ場を渡り歩いているようだ。
それにしても、あの幼い黒猫はどこへ行ったんだろう?






9月某日 船宿エリア
この日は途中で遇ったKおじさんと一緒に船宿を訪ねた。
Kおじさんが「ここへ来るのは初めてだよ」と言った。

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初対面の人間に対して、ここの野良たちは一様に冷淡だ。


Kおじさんがマサムネを見て言った。「これが性格の良いマサムネか」
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そのマサムネとて例外ではなく、Kおじさんに愛想を振りまくことはない。


このエリアの若いオスたちの姿が見えないと思ったら、釣宿の前にたむろしていた。
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見ていると、ひとりの若い女性が野良たちの姿を見て立ち止まり、手招きをし始めた。


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若い女子が好きな野良たちも、さすがに用心していると見え、安易には近づかない。


頃合いを見て食事タイムにした。
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私を警戒している野良は、水場から少し離れた場所で食事させた。


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マサムネは、誰にも邪魔されることなく食事をつづけた。


そのマサムネの様子を興味深そうに見つめる若い女性。
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その女性はマサムネの隻眼を見て驚いたが、治療の甲斐あって右眼が残った経緯を私が説明すると、安堵の表情を見せた。


野良たちの食欲を確かめて、追加の猫缶を与えた。
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シャムミックスが横槍を入れに近づいてきた。


「仲間の猫缶に手ェ出すんじゃない!」と私が一喝すると‥‥
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シャムミックスはしぶしぶ離れていった。


ふと振り向くと、食事を終えたコジローがいそいそと釣宿の方へ歩いていくのが見えた。
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私はコジローの様子からその目的が何となく分かった。


コジローが急に立ち止まった。
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若い女子がまだいると期待していたコジローの想いは見事に打ち砕かれた。
コジローは照れ隠しのためか、それとも気持ちを入れ替えるためか、いきなり毛繕いをはじめた。



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帰る時間の迫ったKおじさんがマサムネに別れを告げている。


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ここの野良は、最後までKおじさんに冷たかった。


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Kおじさんは、Kおばさんが待つ家へ帰っていった。


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コジローは若い女子が諦めきれないのか、まだ釣宿の周りをうろついていた。


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コジローが飲んでいる水が水道水を汲み置いたものか、雨水が溜まったものなのか、私には判らなかったが、一言「コジロー、船宿前のきれいな水を飲めよ」と忠告した。


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一般的に猫は箱が好きだ、それも小さいほど具合が良いらしい。


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女子への未練を断ち切るためか、コジローは箱の中からあらぬ方を見つめ始めた。


そのコジローを月が静かに見下ろしている。
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私はその光景を見て呟いた。「月には、野良猫がよく似合う」連日のパクリです。

<つづく>



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