一足早い春

2011年02月26日 21:12

湘南海岸への入り口だ。海岸に出るたび、私の胸はいつも期待で膨らむ。
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船宿エリア
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船宿前に着いた私を真っ先に迎えてくれたのはシロベエだった。


シロベエは小さな声で啼きながら私の脚に体をすり付けてきた。
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後脚を脱臼して船宿へ戻ってきた当初は人を怖れていたシロベエも、最近はそのトラウマを徐々に癒している。


マサムネと目が合った。
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私を見つめるマサムネの眼は前回と同様何故か険しい。


指定席に陣取ったコユキは表情を硬くし、遠くを見つめている。
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コユキの視線辿ると‥‥一匹の猫の姿があった。


よく見ると、それは釣餌屋の母猫だった。
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私の姿を認めた母猫は足早に去っていった。


母猫とすれ違うように見知った野良が姿を現した。
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カポネだ。


カポネはいつもの調子で悠然と船宿へ近づいてくる。
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そして手前の駐車場でいきなり寝転がった。


陽射しで温められたコンクリに、カポネは気持ち良さそうに体を擦りつける。
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船宿前に歩を進めたカポネは周りをジロリと見回すと‥‥
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そのまま踵を返した。


私が声をかけてもカポネはシカトを決めこみ振りかえりもしない。
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「アイツ、いったい何をしに此処へ来たんだ?」


最近の不可解なカポネの行動を訝しく思っていた私はすぐにあとを追った。
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カポネは先日と同じように夕陽に身を晒していた。


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そしてカポネは傍にいる私を顧みることもなく毛繕いを始めた。


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側にきた新入り子猫にも全く関心を示さず、カポネはただひたすら毛繕いをつづけている。


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まだ痒いのだろうか、カポネは頭の傷跡を何度も何度も撫でまわした。


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頭のカサブタは今にも剥がれそうだ。私は引っ張りたい衝動を抑えるのに必死だった。


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毛繕いに専心していたカポネが突然顔を上げて何かを凝視しはじめた。


カポネの視線の先には、シロベエがいた。
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そこは国道のすぐ脇だった。「アイツ、あんな所で何やってんだ‥‥?」


カポネは視線を戻すと、再び毛繕いを再開した。
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「おいカポネ、何でそんなに身綺麗にしてるんだ?」


新入り仔猫はそんなカポネの側から離れようとしない。「やはりカポネの落とし胤なのか‥‥?」
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その新入り仔猫がつと顔を上げた。


釣られて私が振りかえると‥‥
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こちらの様子を窺っているコジローが見えた。


ここにも覗き趣味の野良がいる。
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それにしても‥‥こっちに尻を向けてマサムネは何をしているんだろう‥‥?


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カポネの体は以前よりずっとキレイになっていた。
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重油に前足を突っ込んだあとのカポネは薄汚れてみすぼらしかったものだ。


「カポネ、最近船宿に寄り付かないのは何故なんだ?」
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その理由はこのあと明々白々となった。



カポネに一足早い『春』がやってきたのだ。


元々船宿エリアの野良ではないカポネは去勢されていない‥‥。
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カポネが捜し求めているのは釣餌屋の母猫だろう。
しばらくの間、哀感のこもったカポネの鳴声が聞こえていた。



振りかえると、シシマルがすぐ側まで来ていた。
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そのシシマルの顔には、あのね‥‥さっきまでずーっと船宿で待っていたんだけど、カポネばかりに構ってなかなか戻ってこないもんだからボクが皆の代表で迎えに来たんだ。それでね‥‥お腹減ったから、猫缶持ってたら欲しいんだけど‥‥、とはっきり書いてあった。


私は船宿へ戻り、猫缶を開けた。
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皆一様におとなしく食事をつづけた。
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この日も新入り仔猫の食欲は旺盛だった。
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食べ盛りのこの仔を満足させるにはいったどれだけの猫缶が必要なんだ‥‥?


食事を終えたマサムネと目が合った。
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猫缶を貰っておきながら、マサムネの私を見つめる眼は相変わらず険しい。
「マサムネ、訳を言えよ、訳を‥‥」



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釣宿の屋根の上に登った一匹の野良‥‥。
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このエリアで高いトコロが大好きな野良といえば‥‥。


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コジローしかいない。


しかしさすがのコジローも行き詰まった。
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仕方なく、後退る。


そして、いきなりダイヴ!
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最後は、フルブレーキ!


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以前は端正な面差しで『浜の伊達男』『船宿のクールガイ』などと称されたコジロー‥‥。


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ところが数ヶ月前から漁港へ出向いては、そこに棲む野良を追いやって食事を横取りするようになるとその様子が変わってきた。


「コジロー、よく顔を見せてくれ」
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悲しいかな、今のコジローには伊達男やクールガイなどの二つ名は当て嵌まりそうもない。


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「コ、コジロー、悪いことは言わない、ダイエットしろ!ダ・イ・エ・ツ・ト~~!」


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カポネに一足早くやって来た春の足音が微かに聴こえたような‥‥気がした。



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カポネの事情

2011年02月24日 23:50

砂浜に降りた私の頭上を、両の翼に風を受けて鳶がのんびりと浮遊していた。
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船宿エリア
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私が船宿へ着くと、まずミイロが姿を見せた。


次に姿を現したのはマサムネだった。
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最近のマサムネは何故かよそよそしい。主役の座を降ろすと脅したことを根に持っているのだろうか‥‥?


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久しぶりにアイが船宿前に現れた。


アイは私の姿を認めると、すぐに駆け寄ってきた。
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そして私の脚に何度も体をすり寄せた。


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このシャムの血を受け継ぐ野良は少々気分屋なところがあり、こうして親密さを表す時と逆に妙につれない時がある。


諍う声がしたので駆けつけると、先日見た長毛のシロ茶がいた。
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この猫、未だ家猫なのか野良なのかさえ判っていない。


シロ茶が消えた柵の向こうを、見慣れた野良が横切っていくのが見えた。
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「シロ茶と争っていたのはシロベエ、お前か?」


いつの間にかアイと新入り仔猫が側に来ていた。このエリアの野良は総じて物見高い。
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ほら、ここにも野次馬がいる。


船宿へ戻ると、例のハチワレの姿が目に入った。「このエサ場も最近賑わってきたなぁ‥‥」
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「ミイロ、アイツをしつこく追うのはもうやめときな」


と、その時、さっき垣間見た野良が姿を見せた。やはりカポネだった。
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ところが、カポネは私に一瞥もくれないで、船宿を素通りしていった。


「オーイ、カポネ、腹は減っていないのか?」
そう私が声をかけても、何故かカポネは私など眼中にないとばかりに一度もふり返らず歩き去っていく。

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そんなカポネのにべない態度に私は少々戸惑った。


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カポネが去ると、ライバルであるシシマルが姿を現した。


そしてカポネが去った方を見やりながら大きなアクビをした。
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漁港に遠征していた『浜の伊達男』のご帰還だ。
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「コジロー、漁港の野良が迷惑がっているから、あいつらを追い回すのもうやめなよ」


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野良たちが船宿の水場に集まってきた。


この時刻あまり姿を見せないコユキまで船宿へやって来た。
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ただ自分の指定席である室外機にマサムネが陣取っているのが気に入らないのか、いつもより不機嫌そうだ。


よく見ると、目ヤニで汚れていたコユキの顔もずいぶんキレイになっていた。
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そう思った私にコユキは大きなアクビで応えた。


クロベエがおどおどとした様子で船宿へ近づいてきた。
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でも仲間がいる水場に近づこうとしない。「苦手としているカポネもミイロもいないのに何故なんだ、クロベエ‥‥?」


私が猫缶を取り出すと、野良たちがその周りに集結してきた。
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新入り仔猫は待ちきれない様子で猫缶に寄り添ったままだ。


しかしこの時になってもカポネが姿を見せることはなかった。
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カポネためにこれ以上野良たちを待たせる訳にはいかなかったので、私は猫缶を開けた。


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自分の分を食べ終えた新入り仔猫がクロベエの猫缶に触手を伸ばそうとしている。


クロベエと新入り仔猫の睨み合いが始まった。
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だがその睨み合いは長く続かなかった。心優しいクロベエがすぐに新入り仔猫に猫缶を譲ったからだ。


その時だった、カポネが再び姿を見せたのは。
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カポネはゆっくりと船宿に近づくと、私のリュックに歩み寄った。


私はこういう時のために持っていた予備の猫缶を開け、カポネに与えた。
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カポネは多くのギャラリーが注視する中、悠然と食事をつづけた。
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その最中、数匹の野良たちが慌しい動きを見せだした。
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特攻隊長のミイロも警戒の色を露わにしている。


その原因はまたこの子だった。
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「いったいお前は何者なんだ?近くに家があるのか‥‥それともここへ迷い込んできたのか?」


「まさか捨てられたんじゃないだろうな‥‥」
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何者にせよ、人には慣れていないようだ。警戒の視線を私に放つと、シロ茶はまたしても物陰に姿を消した。


船宿へ戻るとカポネの姿は既になく、代わりにカラスが舞い降りていた。
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カラスが近づいても、誰も騒がず泰然と構えている。ホントにここの野良たちは穏やかな性格の持ち主ばかりだ。


私はカポネを捜した。すると夕陽を全身で浴びているカポネの姿が目に入った。
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カポネは穏やかな表情で夕陽に眼を細めている。


私の後を追ってきたミイロと新入り仔猫がカポネの側に寄ってきた。
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新入り仔猫はカポネにそっと体をすり付けた。そう言えば、この二匹毛色が似ている。
「カポネの落し胤か‥‥?」



しばらくすると、カポネは用事があるかのようにその場から足早に去っていった。
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カポネが何故船宿に留まらなくなったのか‥‥それには明確な理由があった。
しかし私はそのことに全く気づいていなかった。この時はまだ‥‥。



ミイロならカポネのその変化に気づいていたのかも知れない。
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だがこの時の私はミイロに訊ねることさえ思い浮かばなかったのだ。


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私がカポネの事情を知ったのは2日後のことだった。



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雨の訪問者

2011年02月22日 05:52

湘南海岸には冷たい小ぬか雨が降り、江ノ島も霞んで見えた。
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雨雲のベールの向こうに午後の太陽が朧気( おぼろげ )な姿で浮かんでいた。


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雨が降る中、カポネが何するでもなく佇んでいた。


そのカポネを横目に、ミイロが通りすぎてゆく。
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ふり返ると、どこからか姿を現したマサムネと目が合った。


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マサムネはミイロと挨拶を交わすと‥‥


いきなり爪を研ぎはじめた。
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「コイツら、雨が降っているのに、いったい何をしに来たんだ?」


カポネはカポネで雨に濡れるのも構わず枯草の上にうずくまったままだ。
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頭のカサブタはまだ剥がれていなかった。辛うじて、まだ‥‥。


快復が遅かった後脚もほぼ癒え、カポネは以前の風格を取り戻しつつあった。
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3ヵ月前に此処に遺棄された元家猫のミイロ‥‥私は彼女の気質が未だに分からないでいる。


エサ場に行くと、新入り仔猫が猫ハウスから這いだしてきた。
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海岸の厳しい冬もこのハウスのお陰で何とか越せそうだ。


カポネがいつものように悠然と船宿へやって来た。
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怪我が癒えたカポネの表情は以前よりずいぶん穏やかになり、『強面』の異名もそぐわなくなっている。


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カポネとは距離を置くコジローも最近はその距離を微妙に縮めている。


カポネが水場に来たのをきっかけに野良たちが徐々に集まってきた。
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カポネの怪我は人為的なモノではなく、事故の可能性を指摘する声が多くなってきた。
負傷してからも人を怖れる様子が見られないことが、その可能性を裏付けている。

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確かにこのエリアの野良の中でも一、二を争うほど、最近のカポネは人懐こくなっていた。
これだけ見た目と性格の落差が大きい野良は他にいないだろう。



船宿前には相変わらず細かい雨がしとしと降り続いている。
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私が水場に入ると、カポネがすぐに体を寄せてきた。「ホントに懐こくなったもんだ‥‥」


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コイツと出会った当初はこうして体を触れるようになるなんて思いもしなかったのだが‥‥。


集まりが悪かったが、野良たちが痺れを切らす前に猫缶を与えることにした。
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ふと顔を上げると、他のエリアから出張ってきているハチワレの姿があった。


腹が減っているのか‥‥?
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「お前も猫缶食べるか?」


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だがハチワレは猫缶には興味を示さない。もしかしたら此処の野良の相伴には預からないという矜持を守っているかもしれない。


そのハチワレに向かっていったのは今回もミイロだった。
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だがハチワレの動じない態度に気圧されたのか、ミイロが後退りをはじめた。


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ミイロは固まったように動かなくなった。


しばらくすると、ミイロはゆっくりと体を反転させた。
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形勢が有利になっても、ハチワレに攻撃の意思はないようだ。


ミイロは更に後退した。
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何故かハチワレも守りの姿勢を取っている。


その膠着状態を破ったのは突然現れた一台の自転車だった。
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こうして2匹の争いは呆気ない決着を見た。


そんな騒ぎを余所にひたすら猫缶を貪る野良がいる。
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カポネだ。


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猫缶が残るトレイから顔を上げると、カポネはおもむろにふり返った。


そのカポネの視線の先にはあのハチワレがいた。
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ハチワレはふり返りもせず、ゆっくりと船宿から離れていく。


その去りゆくハチワレをカポネがじっと見送っている。
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以前のカポネはハチワレと同様このエリアに馴染めなくて孤立していた。


カポネはハチワレに、その頃の自分の姿を重ねているのかもしれない。
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そんなカポネの想いを忖度することなく、ただひたすら猫缶を貪る野良がいた。


車の下に身を隠すハチワレ。
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その側にはミイロが険しい表情で佇んでいる。「まったく、気丈な子だな‥‥」


本来なら率先してエリアの平穏を守るべき男(オス)たちは遠くから様子を窺っているだけだ。
「お前ら、少しはミイロを見倣ったらどうだ!?」

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「お前も幼いとはいえオトコだろ?食気だけじゃなく男気を見せてみろよ!」
私は同性として暗澹たる想いに駆られた。



ふと前方を見やると、船宿を去ろうとしているカポネの側に見知った人の姿があった。
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TANYさんだ。


「お久しぶりです」と私が言うと、TANYさんは「まだ生きてましたよ」と笑って応えた。
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そこへ偶然チャチャさんがやって来た。彼女と逢うのも久しぶりのことだ。


知り合い二人がやって来た代わりに、さっきまでしつこく降っていた雨が去っていった。
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TANYさんは新入り仔猫を膝に載せると「この子もだいぶ慣れましたね」と笑った。
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さっそくTANYさんが新入り仔猫の体を調べはじめた。
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そういえば、TANYさんはミケの体も仔細に調べていた‥‥。


そしてサンマの怪我をきっかけに食欲が急激に落ちたミケに「お前、食べないと死んじゃうよ」と予言めいたことを言ったのもTANYさんだった。
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野良と接しているときのTANYさんは如何にも嬉しそうだ。


またそういうTANYさんを見ていると、こっちまで楽しくなってくるから不思議だ。
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TANYさんは「では、また」と言い、来たときと同じように飄然と去っていった。


少しでも寒さを和らげようと、チャチャさんが自分のマフラーで新入り仔猫をくるんだ。
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「お前もかつては人の温もりを知っていたはず。できればもう一度還してやりたい‥‥束の間ではない温かさの中へ」


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「マサムネ、もう少しの辛抱だ‥‥あと数回雨が降れば春がやって来るよ」


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海辺の家族 その弐

2011年02月20日 07:00

東の空に月が懸かっていた。その月はまるで寒々しい夕刻の空に貼りついた薄氷を想わせた。
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私のあとを追って砂浜に降りてきたタビとソックスは海辺の風景を飽かずに眺めている。
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やがてソックスは突堤の先を見つめたまま眼を離さなくなった。


そこには散歩途中の女性と大型犬が海を前に佇んでいた。
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女性が波打ち際に向かってボールを投げた。
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すると大型犬がそのボールを咥えて女性のもとへ駆けてきた。


飼い主の女性に褒められて嬉しいのか、大型犬は体全体で喜びを表している。
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その光景を見つめるソックスの胸中にはどんな想いが去来しているのだろう?
生粋の野良であるソックスが人に何を求めているのか‥‥私はそれを知りたくて仕方がない。



それにしても、此処で産まれ育ったソックスは自分が何のためにこの世に生まれてきたのか‥‥知っているのだろうか?
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もしソックスがそのことに気づいていないなら、私は教えてやりたかった。
彼女が生まれてきた意味を‥‥。



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そもそもこの世に意味なく存在するモノなど何ひとつない。


私の大好きな映画にフェリーニが監督した『道』という映画がある。
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その映画の中で、ある登場人物が薄倖の主人公ジェルソミーナに言った科白を私は忘れることができない。


ソックス‥‥お前にも聴かせてやりたい。
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その登場人物はこう言ったんだ‥‥。
「どんな物でも何かの役に立つんだ。路傍の石だって役に立つ。無用なモノなどあるはずがないんだ。星だってそうだよ‥‥」



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ソックス、お前も何かの役に立っているんだ‥‥


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ソックスが何かを発見したようだ。


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蟹でも見つけたのか‥‥?


どうやら獲物を掴まえたようだ
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「あっ、た、食べた!」


「おいおい、猫缶残したくせに変なモノ食べるなよ」
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ソックスは何事もなかったように、再び冬の海を眺めはじめた。


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今までじっとしていたタビがおもむろに動いた。


タビは私の目の前をゆっくりと通りすぎてゆく。
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そして斜面に突きでた排水管に近づいていった。


タビがふり返ると‥‥
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今度はソックスが私の目の前を通りすぎていった。


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いきなりタビが姿を消してしまった。


私は急いで排水管の正面に回った。
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しばらくすると排水管の奥からタビが姿を現した。


娘のソックスほどではないが、タビも好奇心が強い野良だ。
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にしても、この母娘は仲がいい。
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これほど仲むつまじい野良の親子を私は他に知らない。


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ソックスはまた、憑かれたように夕陽に染まった海を眺めている。


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ソックス、お前たち猫がこの世でどれだけ役に立っているか分かっているのか?
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お前たちはその美しい姿や愛らしい仕草で、我々のすさんだ心を和ませ癒してくれている。


そして健気で逞しい生きざまで多くのことを学ばせてくれているんだ。
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だからお願いだソックス、お前たちをこんな酷い境遇に陥れた私たちを見捨てないでくれ。


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海辺の家族

2011年02月18日 15:07

カポネの怪我が癒えたのを機に、私は東に棲む野良たちの安否を確かめることにした。
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ソックスエリア
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私の姿を何処からか見ていたのか、エサ場に着いた途端タビとソックス母娘が姿を現した。
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ソックスは一時期より痩せていた。健康のためには良いことだが、その原因が気になる。


このエサ場は数ヶ月前から陰湿で執拗な荒らしに遭っている。
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今のところ野良たちに直接危害が及んでいる様子はないが、この手の犯罪はエスカレートするのが常なので気を緩める訳にはいかない。
『エサ場荒らし』 『生きる権利』 『無題』 『ソックスの躊躇い』を参照。


けっして気のせいではなく、その事件が始まって以来、それまで人懐こさでは海岸猫の中でも一、二を争っていたソックスが人を怖れるようになった。
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いったいこのつぶらな瞳はどんな凶行を目撃したのだろう?


人懐こさを多少削がれても、ソックスが魅力に溢れた野良であることは変わらない。
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ソックスの『独り遊び』の様子をちょっと紹介しよう。



腹が減っているかと思い、猫缶を与えてみた。
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タビが側に来て、ソックスの様子を窺っている。


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ところが二匹とも腹は満たされているとみえて、猫缶には申しわけ程度口を付けただけだった。


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不審な物音がした訳でもないのに、エサ場の入り口を凝視したまま母娘は動かなくなった。


時折通りすぎる人をも警戒しているようだ。
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エサ場荒らしの犯人が此処から侵入してきたと訴えているのだろうか?


母親のタビがついと姿を消した。
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ふり返ると、国道のほうへゆっくりと歩いていく。


そのあとを、やはりゆっくりとした歩調でソックスが追った。
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すると、母娘とすれ違いに一匹の野良がいきなり目の前に現れた。


その野良は警戒しながら、そろりそろりと近づいてきた。
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実はこの野良、タビの娘である。つまりソックスの姉妹なのだ。


このエサ場の住人でありながら、滅多に姿を見せないため、私も数えるほどしか遭遇していない。
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さらにブログで紹介するタイミングを悉く逸し、今回が計らずも初登場と相なった。


それ故、呼び名はまだ決まっていない。
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『タビ』『ソックス』とその柄から履物に由来した呼び名を付けたが、この野良にそれを当てはめるとつい『胴付長』という名が浮かんでしまった。
しかし彼女も、それは望んでいないだろう。よって、この子のことを今から『タイツ』と呼ぶことにする。



タイツは母へ近づき挨拶を交わした。
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だが何かを警戒するように、すぐにタビから離れてしまった。


タイツが何故怯えているのか‥‥
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私はその理由を知っているが、証明する写真がないので次の機会に紹介したいと思う。


ソックスが残した猫缶をタイツに勧めてみた。
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だがタイツはまだ警戒心を露わにしている。


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けっきょくタイツは猫缶には眼もくれず、足早に植込みの中へ姿を消した。
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ま、飢えていないなら、それはそれで結構なことだ。


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私が砂浜へ降りると、タビとソックスもあとを追ってきた。
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見分けがつかないかもしれないので、念のため言っておくが、こっちが娘のソックス‥‥。


そしてこちらが母親のタビだ。
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ソックスが所在なさそうに砂浜に佇んでいる時だった‥‥。


タイツが忍ぶように姿を現したのは。
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タイツは石垣にうずくまり、そっとこちらの様子を窺っている。


ソックスとタイツは距離を置いて見つめ合ったまま動かない。
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1分が経過しても‥‥尚も動かない。


やがてタイツが退散すると、ソックスはやっと向き直った。
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そして、夕暮れの海を物憂げに眺めはじめた。


ソックス110215-26.jpg
私も海辺に棲む母娘に倣って、夕映えの海に目をやった。

<つづく>


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雪空を見上げて

2011年02月16日 21:00

湘南海岸には、まるで水墨画ようなモノトーンの光景が広がっていた。
模糊として水平線は見えず、江ノ島も霧の向こうに姿を隠している。

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海面から水蒸気が立ち昇っている。これは海水温より気温が低い時に見られる現象だ。
北の地では『気嵐(けあらし)』と言うらしい。



船宿エリア
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朝から降りはじめた霙は、いつしか雪に変わっていた。


船宿前にミイロが姿を現した。
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ミイロはエサ場に置かれたカリカリを食べはじめた。


ふと目をやると、コジローの姿が見えた。
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コジローもエサ場に真っ直ぐやってきた。


そしてやはり室外機の下に置かれたカリカリを貪った。
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この天候では、さすがのコジローも漁港へ遠征するのは中止したようだ。


猫ハウスの中から新入り仔猫が這い出てきた。
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カリカリを食べ終えたミイロはエサ場の軒下から出ようとしない。


空から落ちてくる氷の結晶を新入り仔猫が不思議そうな表情で眺めている。
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その雪は止む気配を見せるどころか、徐々に激しくなっていく。
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さらに寒風に煽られ、目の前の光景に不規則な白い斜線を引きはじめた。


そこへ姿を見せたのは、コユキだ。日頃はあまり姿を見せないコユキなのに、いったいどういう風の吹き回しだ。
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まさか私が勝手につけた『小雪(コユキ)』という名の通り、雪が降るのを歓迎しているわけでもあるまいに。


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と、今度はやはり日頃姿を見せない茶トラが私の目の前を駆け抜けていった。
だがこの二匹に、雪が降るのを喜んで駆け回っている様子は見られない。やはりこういう時猫はコタツで丸くなりたいのだろうと私は思った。



そこへ釣宿の船長さんがやってきて「こういう天気だからエサやりさんも来ないね‥‥」と心配そうに言った。
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「この雪じゃ船は出さないでしょ?」と私が訊くと「いや、お客さんがいるから船出してるよ」と船長さんは答え釣宿へ帰っていった。
門外漢の私は妙な想像をした。雪が舞うこんな日に温かい海から釣り上げられる魚もさぞ寒い思いをするのではと。



道路に溜まった雨水を飲むミイロ。
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船宿前にきれいな水道水を汲み置いてあるのに何故濁った雨水を飲むのか‥‥?
理由は分からないが、猫は雨水を好む。



船宿前に雪がしんしんと降りつづく。
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その雪の中、カポネが姿を見せた。


カポネは背中に雪を背負っている。
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見ているこちらが震えてしまいそうだ。


雪が降っていようが、カポネの歩調はいつもと同様悠然としてした。
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頭のカサブタは今にも剥がれてしまいそうだ。


カポネは雪で濡れた体を私の脚にすり付けてきた。
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「カポネ、寒いのによく来たなぁ」


この日カポネが朝食に姿を現さなかったと、Sさんから知らされた。
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朝食抜きでは腹が減っていて当然だ。カポネはカリカリを夢中で食べはじめた。


その様子をミイロと新入り猫が好奇の眼で見つめている。
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その視線を煩わしく思ったのか、カポネはついと顔を上げた。


カリカリをほぼ食べ終えたカポネのために、猫缶を開けた。
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しかしこの新入り仔猫‥‥小さい体の何処に猫缶は収まるのだろう?


姿を見せない他の野良を捜したが‥‥
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寒さを避けるため何処かに潜り込んでいるのか、発見できなかった。


食事を終えたカポネが横殴りの雪の中へ歩み出た。
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どういうつもりか、カポネは道路の脇にうずくまった。
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そのカポネの体に雪は容赦なく降り積もっていく。


いつまでも動かないカポネの側に行き、私はそっと傘を差しかけた。
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手袋を外した私の手は寒さでかじかんでいる。


私はカポネの体に付いた雪を払ってやった。
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カポネの体は雪が浸み込みしっとりと濡れていた。


それでもカポネはその場から動こうとしない。
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「カポネ、そこじゃまた濡れるぞ。せめて植込みの中へ入りな」


だが私がいくら促してもカポネは同じ姿勢のまま微動だにしない。
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船宿の庇の下からしばらく様子を窺っていたが、カポネは降りしきる雪に身を晒したままだ。


私は見ていられなくなり、カポネを抱いて無理やりエサ場へ連れ戻し、また猫缶を与えた。
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ホントにコイツの胃袋はどうなっているんだ?


あまりにうるさいので、新入り仔猫にも猫缶を分け与えた。
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やっと腹が満たされたのか、カポネはいつものようにねぐらがある東へ向かってゆっくりと歩いていった。


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カポネの去りゆく姿を見送りながら、暖かいねぐらを持っているといいのにと思わずにはいられなかった。


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カポネの残した猫缶は新入り仔猫がきれいに始末してくれた。


猫缶を腹いっぱい詰め込んだ新入り仔猫を、私はミイロがいる猫ハウスに押し込んだ。
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「ミイロ、新入り仔猫を暖めてやりな」


私が船宿を去るとき、枯草にうっすらと雪が積もっていた。
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船宿を覆う灰色の雪空を見上げながら私はふと呟いた。
「春よ来い、早く来い‥‥」と。




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在るがまま

2011年02月14日 17:36

この日も、湘南海岸は凛とした冷気に包まれていた。
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西の空からは薄雲に隠れた斜陽が柔らかな陽射しを放っている。


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ここに棲む野良も僅かな暖かさを求めて、夕陽にその体を晒していた。


此処には以前、3匹の野良が仲良く暮らしていた。
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ところが去年の春、そのうちの一匹が体調を崩し起き上がることも出来なくなった。


間もなく世話をする人に保護され通院したが、その甲斐なく一月後に息を引き取った。
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今は残った二匹がこうして肩を寄せ合って暮らしている。


船宿エリア
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最初に私を迎えたのは、他のエリアから紛れ込んでいるハチワレだった。


そのハチワレに果敢に向かっていったのはミイロだった。
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シズクはいつものように側から成り行きを窺っている。


「お前、まだ此処にいたのか‥‥。お前の世話をしている人も心配しているから早く自分の家に帰りな」
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此処の野良に対して敵対意識を持っている様子は今のところ窺えない。
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ただ恋の相手を求めているなら、見当違いと言わざるを得ない。


ミイロが執拗にハチワレを警戒している。
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私を顧みるハチワレの表情は憂いを含んでいた。


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釣宿の船長さんの周りに野良たちが集まっているのが見えた。


食器の中を覗くと‥‥
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たっぷりのカリカリとニボシが入っていた。


私は姿を見せないカポネを捜すことにした。
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カポネがよく姿を現す場所を一望できる高みで、彼の出現を待つことにした。
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しばらくその場に留まっていたが、カポネは現れなかった。


釣宿前に戻ると、ハチワレがいた。
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ハチワレはカリカリを食べるミイロとサビ三毛を凝視している。


腹が減っているのか、ハチワレがそっと歩み寄ってきた。
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ミイロがその気配に気付き、ハチワレを見詰め返す。


だがハチワレは表情も変えず、ただ静かにうずくまっているだけだ。
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それでもミイロはそわそわと落ち着かない素振りを見せはじめた。


耳でハチワレの動向を警戒しつつ、ミイロはゆっくりと体の向きを変えはじめた。
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ミイロは一瞬たりともハチワレから眼を離さない。
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私はてっきりハチワレがカリカリを狙っていると思ったが‥‥違っていたようだ。
ハチワレはミイロが残したカリカリには眼もくれず、その場を離れていった。



そのハチワレをミイロが警戒モードのまま見送っている。
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ハチワレの姿が見えなくなっても、ミイロはその場から動こうとしない。
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と、その時、カポネが姿を現した。


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カポネは薄汚れた体で船宿前にゆっくりと腰を下ろした。


船宿へ近づこうとしたカポネは、期せずしてシシマルと向き合った。
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両雄はしばらくそうして睨み合っていたのだが‥‥。


新たな向こう傷を作ったカポネの迫力に気圧されたのか、シシマルはゆるりと身を反転させた。
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どうやら決着がついたようだ。但し、次回もこうなるとは限らない。


シシマルが再び威嚇の唸り声を上げた。
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一度は身を引いたシシマルだが、これだけカポネに接近されると何も反応しない訳にはいかないようだ。


こういう時は食欲に訴えるのが良策だ。
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私が猫缶を持ち出すと、野良たちはたちまち大人しくなった。


ここの野良たちの食事マナーはおおむね良い。
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怪我した直後はやつれていたカポネだが、今は以前の体重にほぼ戻っている。


この日も新入り仔猫の食欲は旺盛だった。
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いつまで経っても姿を見せないクロベエを、私は迎えにいった。
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「クロベエ、早く来ないと猫缶なくなるぞ」


苦手とするカポネの側でクロベエに猫缶を与えてみた。
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カポネは歯牙にもかけないが、クロベエはやはりカポネの存在が気になっているようだ。


カポネが食べる勢いでトレイを移動させた。
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結果、二匹の距離が更に接近してしまった。


これにはクロベエも我慢できなかったようだ。
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カポネは以前より穏和になり、仲間と徒に争うこともなくなったのだが‥‥
私は仕方なくクロベエの側にトレイを持っていった。



野良たちは行儀良くきれいに完食した。
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しかし新入り仔猫の食欲は尽きることがないようだ。


さっきまで睨み合っていた両雄が仲良く並んでいる。まるで呉越同舟の図だ。
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野良も人と同様腹が満たされると些細なことは忘れてしまうようだ。
だが人間と違い、野良には二心を持つ偽善者はいない。



野良は飽くまでも自分の気持ちに正直だ。
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カポネが人馴れしたことに打算や下心は一切ない。コイツは心の赴くまま振舞っているだけだ。


このエリアに馴染めぬときは威勢を示すためつっぱっていたが、本来は優しく穏やかな野良なのだ。
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「猫を被る」という慣用句があるが、猫が知ったらきっと激怒するはずだ。
人間ほど裏表のあるイキモノは他にはいないのだから‥‥。



「なぁカポネ、お前もニンゲンだけは被るなよ」
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カポネの後姿を見送りながら‥‥
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何も騙(かた)らず、何も偽らず、在るがままに生きる野良たちに幸あれと、私は祈った。



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母の膝

2011年02月12日 21:53

空気は凍てついていたが、風が凪いだ海岸は穏やな表情で私を迎えてくれた。
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ローカルサーファーがのんびり波間にたゆたう‥‥そんな冬の午後だった。


船宿エリア
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船長さんの足元にカポネがいた。


カポネは船長さんへ行儀よく向き直った。お代わりを求めているのだろうか?
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そんなカポネを横目に、船長さんはそっとその場から離れていった。


船長さんにはまだ仕事が残っているのだ。
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カポネは船長さんの姿が見えなくなっても、同じ姿勢のまま動こうとしない。


シロベエがカポネの食べ残したモノに食指を動かす。
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それでもカポネは固まったように動かない。


船長さんに貰ったのはニボシだった。
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カポネはそのシロベエに眼もくれない。


船長さんの去った方を見るカポネの表情は、如何にも寂しそうだ。
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カポネは船長さんに何を求めていたのだろう?


カポネの頭のカサブタは完全に乾き、今にも皮膚から離れようとしていた。
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前脚の傷は癒え、足先に付いた重油もさらに色が褪せている。


尚も心残りがあるようにその場へ佇むカポネに私は言った。
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「カポネ、腹減ってないか?猫缶やるから、船宿へおいで」


その時、カポネの名を呼ぶ声が聴こえた。それは『仲良し夫妻』の奥さんだった。
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カポネはまるで水先案内人のように、我々の前をゆっくりと船宿へ向かって歩いてゆく。


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何故かカポネは船宿へは直行せず、奥さんを従えて駐車場へ歩をすすめた。


奥さんは「ここ3回ほどカポネに逢えなかったから、心配していたの」と言った。
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そして‥‥カポネをそっと抱きしめた。


奥さんの抱擁を受けたカポネは、おもむろに船宿へ歩きはじめた。
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そのカポネの眼の前をマサムネが通りすぎる。


カポネに続いて、夫妻の訪問を知った野良が徐々に船宿前に集まってきた。
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カポネは奥さんに寄り添うように水場のコンクリの縁に陣取った。


人馴れしたカポネは、人の側にいるときに一番穏やかな表情を見せるようになった。
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『強面』という世評は影を潜め、今や「カワイイ」と称される。
しかし私は未だにカポネをカワイイと感じたことはない。少なくとも見て呉れだけは。



そのカポネを物陰からそっと見つめるマサムネ。
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マサムネの視線にやっかみが含まれているかどうか‥‥私には判らなかった。


数日前からこのエリアに出没するようになったハチワレのオスがまた姿を見せた。
この野良が棲むエリアは船宿から1km以上離れている。

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よく観察すると、まだ去勢手術を済ませていない。因みに、猫の恋の季節は既に始まっている。
このハチワレも本能の赴くまま相手を求めて、ここまで遠征してきたのだろうか?



しかし船宿エリアのメスは全て避妊手術を終えているので、このハチワレの願いが叶うことはない。
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「そういうことだから、諦めて自分の縄張りに帰りな」


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マサムネはご主人に抱かれて、まるで赤子のようだ。


新入り仔猫は食欲の赴くままに食べ物を求める。
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一方カポネは流石に大人で、自分の順番が来るまで行儀正しく待っている。


このミイロは元来人懐こいのだが、自らおもねることは決してない。
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そういう意味で、彼女は気位の高い野良である。


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カポネが人の手から食べ物を貰うことになろうとは、以前のカポネを知る私には想像もできなかったことだ。


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私はカポネの出自について殆ど知らない。いつ何処で生まれ、今までどんな境遇で育ったのか‥‥。
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「カポネ、お前は何処から来たんだ?そしてこれから何処へ行こうとしているんだ!?」


マサムネの表情がいつになく険しい。
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その眼には警戒の色が灯っている。


マサムネの視線を追ってふり返ると、あのハチワレが現れた。
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ハチワレは私の目の前をゆっくりと通りすぎていった。


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ハチワレは船宿に近づき、じっと様子を窺っている。


しばらくすると、ハチワレは肩を落として船宿から去っていった。
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その去りゆくハチワレのうしろ姿には一抹の寂寥感が漂っていた。


カポネも船宿を離れようとしていた。
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途中で立ち止まったカポネは、逡巡するように周りを見回している。
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「カポネ、どうするんだ。このままねぐらへ帰るのか?」


するとカポネは意を決したように東へ歩を運びはじめた。
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ところが‥‥カポネは再び立ち止まった。


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そして‥‥ゆっくりと振り向いた。


次の瞬間、カポネはいきなり取って返した。
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後脚を引きずりながら、カポネが足早に船宿へ戻っていく。


カポネは奥さんの元に歩み寄ると‥‥。
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そのまま奥さんの膝へ顔を埋(うず)めた。
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そのカポネの様子が私の目には、まるで外で苛められた子供が母親の膝で宥められているように見えて仕方がなかった。


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かつて『強面』と呼ばれた野良がいた。
だがその野良は人の温もりを知り、今はその温もりの中に心の安穏を求めるようになった‥‥。




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野良の美点

2011年02月10日 04:20

この日私は、先日と同じように気だるい体に鞭を打って朝の海岸へ赴いた。
海岸110208-01.jpg
今の私にとって、朝の陽射しは少々眩しかった。


前回カポネを発見した草むら。
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しかしそこにカポネの姿はなく、代わりにコジローが独り佇んでいた。
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コジローの性格として、此処にいるのは何か意味があるはずだ。
私はそう直感した。



そこで私は、コジローの視線を辿って歩を進めることにした。
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そこにカポネがいた。私はコジローに感謝したい気持ちになった。


私が名を呼ぶと、カポネはおもむろに起き上がった。
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やはりまだ後脚を気遣っている。


朝の食事時間が迫っていた。
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「カポネ、おいで。ぐずぐずしてると朝ご飯食いっぱぐれるぞ!」


カポネは私の呼びかけに素直に従い、ゆっくりと船宿へ向かって歩きはじめた。
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ふり返りながら歩く私の後を、カポネはトコトコとついて来る。
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後脚を庇いながら健気に後を追ってくるカポネを見ているうちに、私の目頭は急に熱くなった。
私は思わずカポネに声をかけた。「カポネ頑張れ、もう少しだぞ!」



殆どの野良は、既に朝食を終えていた。
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カポネは辛うじて間に合ったのだ。


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Sさんも遅れてきたカポネを気遣った。


そのカポネを物陰からそっと窺っている野良がいる。
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クロベエだ。カポネに喧嘩で敗れてから、すっかり苦手意識を持ち、警戒を緩めようとしない。


カポネはそんなクロベエの視線を知ってか知らずか、ただただ食べることに専心している。
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前足に黒々と付いていた重油はあらかた落ちて、グレーに色を変えていた。


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腹を満たしたカポネは、後もふり返らず東へ向かっていった。


さっきと立場を替えて、今度は私がカポネの後をつけてみた。
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カポネは車の陰で小憩を取っていた。
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カポネの姿を見て、私は思った。ずいぶん汚くなったなぁ、と。


その私の思いを見抜いたのか、カポネはいきなりその場を離れた。
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悠然と去ってゆくカポネの後姿が、私には何故か儚げに見えて仕方がなかった。


カポネの姿が見えなくなるまで、クロベエは眼を離さなかった。
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そしてカポネが戻ってこないのを確認したクロベエは、おもむろに食事をはじめた。


今朝の食事時間がつつがなく終わった。
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マサムネも満足したように口の周りを丹念に拭っている。


そこへ、重油を足に付けたカポネを心配してキュウさんが船宿へ駆けつけた。
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Sさんからカポネの状態を説明されたキュウさんは一息つくように腰を下ろした。
するとキュウさんの隣に、朝食を食いはぐれたサビ三毛が現れた。



Sさんがサビ三毛のために新たに猫缶を開けた。
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そのサビ三毛が食べる猫缶を羨ましそうに見つめている野良がいる。


茶トラだ。
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この野良は、決して人に懐かない。そのため日々の食事にありつく機会が人懐こい野良より必然的に少ない。


こういう野良にこそ優先的に食べ物を与えるべきだ。
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警戒心が強いのは野良の欠点ではない、断じて!
むしろ美点なのだ。


この二匹は揃って人に懐かない。
でもそれは彼らの個性だし、育った境遇によって形成された性格なのだ。

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その個性をもって野良を差別するのは、人間の都合から生まれた傲慢で愚かな所業でしかない。


野良の警戒心が美点であることを体現している例がここにある。
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食事をしてから、ミイロは草むらでひたすら眠り続けている。


私が近づいても眼を開けようともしない。
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キュウさんも危惧している。こんな無防備では虐待の格好の的になるのではと。




私はそのキュウさんと時間を忘れて、船宿前でついつい話し込んでしまった。
気がつくと、既に陽は中天に昇りきっていた‥‥。





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ブログの読者であるyuさんが船宿を訪れたとき、カポネが再び姿を現した。


カポネは咽が渇いていたのだ。
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釣宿の流しに汲み置いていた水を、カポネはゆっくりと飲みはじめた。


船宿へ戻ったカポネにランチを与えた。
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トレイが動かないよう、キュウさんがそっと指を添えた。


カポネの食欲は旺盛だった。
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カポネは脇目も振らず、一心不乱に食べつづけた。


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ランチを食べ終えたカポネは、いつものように自分のねぐらへ帰っていく。


そのカポネを、キュウさんとyuさんがそれぞれの想いを込めて見送る。
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私にしても、カポネの後姿を見送る心境は複雑だった。
カポネが人懐こくなったのは果たして良いことだったのだろうか‥‥?



ともかく、今となっては祈るばかりだった‥‥。
カポネにとって人懐こさが仇とならないようにと。




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来訪者

2011年02月08日 08:17

この日先週に続いて、当ブログの読者mimiさんが再び船宿エリアを訪れた。
ある目的を持って‥‥。

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その彼女を最初に迎えたは、新入り仔猫だった。


すぐにミイロも姿を現した。
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mimiさんは新入り仔猫を高く抱き上げた。
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そしてミイロも両の腕(かいな)で優しく抱きしめた。




その時、やはりカポネのことを心配して船宿へ来ていたキュウさんが私たちを手招きした。




キュウさんの後についていくと、カポネが枯草の中でうずくまっていた。
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そのカポネを、mimiさんが抱きかかえるように撫ではじめた。


この日mimiさんはカポネに逢うため、船宿を再訪したのだ。
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先日mimiさんが初めて湘南海岸を訪れたとき、カポネは既に怪我を負い、姿を見せてくれなかった。
その後カポネの奇禍を知ったmimiさんは心を痛め、その心情を綴ったメールを私に寄せていたのだ。





mimiさんはこうしてカポネとの対面を果たすことができた。




私たちの招きに応じて、カポネは船宿へやってきた。
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そのカポネをよく見ると、前足が靴を履いたように汚れている。
汚れの正体は重油だった。



重油に足を突っ込んだのは、その状態から昨日今日の出来事だと思われた。
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重油は簡単には落ちないだろう。


自ら舐めて、体内に重油の侵入を許すことも考えられた。
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怪我が癒えてきた矢先なのに‥‥カポネの厄難はいつまで続くのか。


傷を癒すためか、カポネは我々の前から姿を消してしまった。
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近くの車の下に茶トラが潜んでいた。「おい、カポネの居場所知らないか?」
当然だが‥‥茶トラからは何の反応もなかった。



キュウさんと一緒に、他の野良にも食事を与えることにした。
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シシマルは猫缶を目の前にしても物憂げな表情で佇むばかりだ。
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ライバルであるカポネの様変わりが影響しているのだろうか?


ところが、ここに何ら影響を受けていない野良がいる。新入り仔猫だ。
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新入り仔猫の食欲はキュウさんが驚くほど旺盛だ。


その新入り仔猫の薄汚れた顔を、mimiさんがきれいに拭った。
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その時、何気なく周りを見回した私の視界を、カポネが横切っていった。
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先ほど姿を消した反対の方角だったので、少々驚いた。


そこはカポネを発見した草むらからほど近い場所だった。
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私の目にはカポネの表情が、やはり以前より生気がないように見えた。
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カポネはその場で丸くなった。
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推定年齢9歳以上‥‥しかしここ数日でずいぶん老けてしまったようだ。


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頭の傷はほぼ癒えていた。


後脚を丹念に調べてみると、指を傷めているのか爪が1本反り返っているのが確認できた。
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脚全体を触れてみたが、カポネが痛がる様子はなく、どうやら主要な骨に異常はないようだ。


そこへmimiさんが近づいてきた。
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mimiさんも傷めたカポネの後脚にそっと触れた。
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mimiさんが咽を撫でると、カポネは気持ち良さそうに瞑目した。


カポネの目頭についた目ヤニを取るmimiさん。
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これには流石のカポネも少しひるんだ。


するとmimiさんは次にカポネの耳を優しくつまみ、耳の中を仔細に調べはじめた。
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それからカポネはmimiさんに大人しく身を委ねた。


キュウさんが新入り仔猫を遊ばせている時、見知ったカップルが船宿を訪ねてきた。
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『逆剃り倶楽部』の管理人burucoさんと奥さんだ。
私のブログでカポネの怪我を知った二人は、矢も盾もたまらず湘南へ駆けつけてきたと言った。



たがが野良、されど野良‥‥
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「カポネ、この人気モンめ、お前のことを心配してこんなに人が集まってくれたぞ!」
私はそんなカポネに軽い嫉妬を覚えた。



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こうして一匹の野良のせいで、船宿前は期せずして賑わった。


そこへ最近すっかり影の薄くなった当ブログの主役がやっと姿を見せた。
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私は猫缶を貪るマサムネに言いたかった。「これ以上太ったら主役降板だぞ」と。


猫缶の匂いに釣られて、他の野良も船宿に集まってきた。
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新入り仔猫の辞書に『満腹』という字はないようだ。育ち盛りだから頼もしいかぎりだ。


カポネの姿を求めて辺りを捜すと‥‥
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草むらの中にそれらしき影を発見した。ただそこは民家の敷地内で、これ以上近づけなかった。


カポネは毛繕いに専念しているようだ。
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心配する私に合図でも送るように、カポネは脚を高く挙げた。


そこへ船宿を去るmimiさんが、カポネに別れを告げにやってきた。
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mimiさんは草むらに隠れたカポネから目を離さず、しばらくその場で佇んでいた。


私との別れ際、mimiさんは「またカポネに逢いに来ます」と言い残し東京へ帰っていった。



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