早朝の海岸

2011年11月22日 19:00

早朝‥‥。
生憎、上空には厚い雲が垂れ込め、朝陽を拝むことは叶わなかった。

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そんな自分の心情を映したような物憂い曇天の下、私は海岸を東へ向かった。


東のエサ場。
舌を鳴らして周りを窺っていると、1匹の海岸猫が姿を現した。

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“臆病猫”のビクだ。
この野良に会うのも久し振りで、5ヶ月近く経っていると思われる。



長い間顔を見せなかった私への抗議を表してか、それとも気恥ずかしさからか、ビクは私の横を通り過ぎると、しばらく背を向けていた。
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「ビク、元気だったか」
そう声をかけると、ビクはおもむろに私の脚に体をすり寄せてきた。



当ブログに何度も登場しているこの海岸猫‥‥、いつも何かに怯えてビクビクしているから、私は“ビク”と呼んでいる。
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ボスやソックスと同様、ビクも海岸猫の母から生まれた生粋の野良である。


今から5年前‥‥、当時2歳のビクはボウガンの矢で頭を射抜かれるいう危難に遭ったが、ボランティアのKさんの素早い判断で一命を取りとめた。
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それ故か、この野良は警戒心が強く僅かな物音にも敏感に反応する。


馴れている私でも、この野良と接する時には気を遣う。
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行動するときは、出来る限りゆっくり静かに‥‥、と。


飢えている様子はなかったが、取り敢えずカリカリを与えてみた。
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すると、何処からか我々の様子を窺っていたのだろう‥‥、1匹の三毛猫がエサ場にやって来た。
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この三毛猫は以前から知っているが、あまり姿を見せず、こうして無警戒に近づいて来たのも初めてのことだ。


三毛猫は物欲しそうに、ビクの周りをうろうろと動きまわる。
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しかし、ビクの食べ物を横取りするような素振りはない。


そんな行儀の良い三毛猫にもカリカリを与えてみたのだが‥‥、
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食器の中を一瞥しただけで、そそくさとその場を去っていった。


口に合わなかったのだろうか?
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三毛猫は悠然とした歩調で防砂林の方へ歩いてゆく。


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そして一度も振り返ることなく、防砂ネットの中へ姿を消した。


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エサ場に戻ると、ビクが水を飲んでいた。
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どうやら此処の野良たちの腹は満たされていたようだ。
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既にボランティアのKさんから食事を与えられたのだろう。


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ビクがゆっくりとエサ場から離れていく。


私が写真を撮るために、正面に回りこむと‥‥、
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ビクは早足で近づいてくる。


そして‥‥、私の傍らに腰を下ろした。
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この野良が何を要求しているのか、私には分かっている。こうして体を撫でられるのを待っているのだ。


ビクという海岸猫は臆病なくせに甘ったれという、少々ややこしい猫だ。
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そこがまた、可愛いのだが‥‥。


何気に振り返ると、さっきの三毛猫が再び姿を現していた。
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そしていきなり地面に横たわり、腹を見せた。


三毛猫はそのまま体を左右に揺すりはじめた。
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一般的に猫のこのような行動は、行為自体が気持ちいいのもあるが、


人の前で披露するときは、その相手に対し警戒心を持っていないとか、ワタシにかまってよー、ワタシと遊んでよーとかの意思表示だと言われてる。
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ただこのとき、私と三毛猫とは5mほど離れていた。この微妙な距離が三毛猫の行動の解釈にどう影響するのか‥‥、私は量りかねた。


三毛猫の撮影を終え振り向くと、ビクが所在無げにこっちを見ていた。
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ビクは私に背を向け歩きはじめた。


が、急に歩みを停め、海に向かって座りこんだ。
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そのビクの後姿を見て、私は思った。やはり海岸で生まれ育った海岸猫にとって、海は特別な存在なのかもしれない、と。


三毛猫は離れたところからビクをじっと見つめている。
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再びゆっくりと歩を進めはじめたビクは‥‥、
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そのまま植込みの中へ姿を消した。


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東のエサ場を後にした私は、別のエサ場へと向かうことにした。


そのエリアに到着した私をすぐに海岸猫が迎えに出てきた。
「ソックス‥‥?」

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「いや違う、ソックスじゃない」それはソックスの母タビだった。


タビとソックスは一卵性双生児のようによく似ている。これだけ酷似している親子も珍しい。
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この母猫、私だと分かると近くまで寄ってくるが、体を触ることは決して許さない。


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タビは少し躊躇った後浜辺へ降りてゆく。私をいざなうように‥‥。これでは先日と逆のシチュエーションじゃないか。


そして海を眺めはじめた。
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「タビ、お前もか‥‥!」


タビは娘のソックスより更に警戒心が強く、歩を進めるのも慎重だ。
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こういう気質だから、タビは野良としてこれまで生き抜いてこられたのだろう。


この海岸猫の出自について、私は何も知らない。
何処で生まれ、どういう経緯(いきさつ)があってこの海岸で暮らすようになったのか‥‥。

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ただひとつ、明確なことがある。


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この野良も犬を大の苦手としていることだ。


ともあれ、長らく会えなかった海岸猫が無事息災でいることを知るだけで、私の心は和む。
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「ところで、娘のソックスはどうした?最近は一緒じゃないのか?」


タビとソックス‥‥。
仲の良さでもおそらく海岸髄一だと思われる母娘。

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なのに先日は娘だけ姿を現し、そして今回は母だけ‥‥。


私が海岸を離れていた4ヶ月の間に、母娘の関係に軋轢でも生じたのだろうか?
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タビと共にソックスが現れるのを待っていたが‥‥、
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私が海岸を離れるまでに彼女が姿を見せることはなかった。



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貴重な時間

2011年11月18日 08:00

私がそっと正面に回りこむと、その海岸猫はすぐに反応した
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そして私に向かって一直線に駆け寄ってきた。
「元気だったか、ソックス!」私は嬉しくなって、思わず声をあげた。



ソックスはしばらく私の周りをくるくると回りつづけた。この野良と会うのは実に4ヶ月半ぶりだ。
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さらに、私の突然の訪問に興奮したのか、ソックスは側にあった鉄柱にまで体をすり寄せる。


「ソックス、浜へ行こう」
私は久しぶりに会ったソックスを砂浜へ誘った。

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そんな私の意を受けて、ソックスは素直に後をついてくる。


不意に立ちどまり、周りの様子を窺うソックス。
この野良、人馴れしているが、けっして警戒心がない訳ではない。

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辺りに危害を加えられる存在がないことを確認すると、足早に歩きだした。


そして安全地帯である、私の足許にやって来た。
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「これくらい用心深い方がいい。お前は野良なんだから‥‥」


此処でも、以前と変わらぬ様子のソックスに接することが出来て胸を撫でおろした。
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「でもお前、シラガが増えたんじゃないか‥‥」


このエリアを担当するボランティアのA夫妻から聞いた話では、この野良はまだ若く、確かまだ4、5歳のはずだが‥‥。
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過酷な海岸の生活は、想像以上のストレスをこの野良に与えているのかもしれない。


猫と海‥‥。この組み合わせが絵になるのかどうか、正直私には分からない。
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さらに、猫が海を眺めて何を想うのか、これも私には分からない。
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大抵の猫は水を極度に嫌う。私自身生まれてこの方、水と戯れる猫など目にしたことがない。


だから、世界で一番大きな水溜まりである海を猫がどう思っているのか、大いに興味がある。
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にしても、ずいぶん執拗に眺めている。


ソックスは一点を見つめて、固まったように動かなくなった。
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‥‥と思ったら、いきなりのカメラ目線。しかも何故か眼が怒っている。


どうやら、私の存在が鬱陶しいくらい専心しているようだ。
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私はソックスの視線を遮らないよう、ポジションに注意を払うことにした。


たとえじっとしていても、このドングリ眼(まなこ)が特徴の海岸猫は私を飽きさせない。
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この海岸猫を知らない読者のために一応説明しておこう。


事故に遭ったボス同様、この海岸猫も此処に遺棄された母猫から生まれた生粋の野良である。この海岸猫に魅了されている人は多く、県外からも訪ねてくると聞いた。
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“ソックス”という呼び名は、4本の足先の毛が白く、まるで靴下を履いているように見えることから、私が勝手に付けたものだ。


この日は姿を見せていないが、同じように足先が白い母猫は“タビ”と呼んでいる。
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それにして‥‥、彼女をしてここまで惹きつけるモノは何なのだろう?


ボスもそうだったが、此処で生まれ育った野良は海岸の光景に対して特別な想いがあるのかもしれない。
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私はそれが何なのか知りたいが、寡黙な海岸猫は黙して語らない。


それからもソックスは、憑かれたように同じ方角を見つめたまま微動だにしない。
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但し、苦手な犬が通ると、その一挙一動に警戒の眼を向けることだけは怠らない。


そして犬が引き返してこないことを確かめると‥‥、
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再び視線を元に戻す。


この頃になると周りから人影が消え、海辺には私たちだけが残された。
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それでも黄昏の空を背景に、ソックスは彼方を眺めつづける。


こうしていると、最近波立つことが多い私の心が不思議に凪いでくる。まるで幼なじみと旧交を温めている‥‥、そんな感じだ。
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いつもなら海岸を後にしている時刻だが、どうしてもこの場を離れられない。今の私にとっては、ソックスと過ごすこの時間がとても貴重に思えるからだ。


秋の日は釣瓶落とし‥‥。明かりのない海岸は、じき深い闇に包まれる。
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私は撮影をやめ、カメラを仕舞った。
そうして‥‥、ソックスと一緒に潮騒を聴きながら、夜の帳が下りてくるのをこのまま待つことにした。




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故郷に届いた訃報

2011年11月13日 23:00

灰色の雲に覆われた湘南海岸‥‥。
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故郷から帰ってきて以来、これが二度目の海岸訪問だ。


そこで懐かしい人に遭遇した。以前はミケのエサ場でよく会っていた“猫おばさん”だ。
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そしてこのキジトラも久しぶりの登場になる。やはり同じキジトラのボスの母猫だから“ボス母”と呼んでいる海岸猫だ。


ボス母は警戒心の強い野良で、心を許したニンゲンにしか近づいてこない。
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こうして猫おばさんが側に付き添っていないと、食事もしないほどだ。


以前、私にも体を触らせてくれたが、今の彼女の様子から、それを期待するのは無理だと思われた。
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「それ以上近づかないでよ」彼女の体からは、そんな無言のプレッシャーを感じる


私が側にいても逃げないのは、猫おばさんの存在があるからだろう。
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まだ猫おばさんに甘え足りないのか、ボス母はいきなり地面に横たわった。


どういう理由か分からないが、数ヶ月前に棲む場所を娘と同じこのエリアに移動したボス母。
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果たして彼女は、同じエリアに棲む娘のボスの身に起こったことを理解しているのだろうか?


10月6日、ボスは近くを走る国道で車に撥ねられ、その生涯を閉じた。
その訃報がdodoさんからもたらされたのは、私がまだ故郷にいたときだった。


ボスは住み慣れた防砂林の隅で永遠(とわ)の眠りについていた。
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この手厚い葬られ方を見ても、この野良がいかに多くの人に愛されていたかが分かる。
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「長年海岸で暮らし、車の恐ろしさを知っていたはずのお前が、何故‥‥」


去年の冬‥‥。
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日の出前の薄明かりの中、私の足許にいきなり現われたときは驚かされた。


「こんなに暗いのに、どうして私だと分かったんだ?」
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私がしゃがむと、お前は何度も何度も体をすり付けてきたなぁ。


そして今年の春‥‥。
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やはり早朝に出会った時のこともよく憶えている。


エサは食べるのに痩せたままのお前は、私が与えた猫缶の味を確かめるようにゆっくりと食べはじめ‥‥、
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結局、一缶全てを食べ尽くした健啖ぶりにも驚かされたものだ。


そんなお前との思い出のなかでも、特に印象に残っている情景がある‥‥。
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それは、物憂い表情で昇り来る朝陽を見つめている姿だ。


東の空を同じ姿勢で、じっと眺めている痩せたお前の後姿を見るたびに、私は思っていた。
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お前は新たな一日の始まりに、何かを願っているのか、と。そして、もし願っているなら、それが叶えられるといいな、とも。


過酷な海岸での生活はさぞ辛かったろうな。そんな中にありながらも多くの人へ癒しを与えつづけてくれてありがとう。
そして‥‥、

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サヨナラ‥‥ボス。


墓前に向かった私は、ボスと会ったときにいつも報告していた言葉を呟いた。
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「ボス‥‥、3年前、このエリアから保護したあの茶シロは、家猫として元気にしてるよ」


「wabiさん、ひさしぶり~!」
道路に出た私に、いきなり声をかけてきたのはK夫妻だった。

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ふたりはボスの世話をしていたので、今回の急死には心を痛めているようだ。


猫おばさんに別れを告げた私は、K夫妻に同行してミケに会いに行った。
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今回の帰郷で、6月27日の一周忌に墓参出来なかったことを、まず詫びた。


Kおばさんは用事があるので、ここでお別れだ。
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残ったKおじさんが墓の周りを掃き清める。


それからミリオンを訪れ、久しく会いに来られなかった理由を報告した。
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Kおじさんと別れた私は海岸を東へ向かうことにした。私には早く会いたい海岸猫がいたからだ。
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ただ、その海岸猫には必ず会える訳ではないので、無駄足になることも覚悟していた。


ところが、私の想いが通じたのか‥‥、
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エリアに着いた私の目の前に見慣れた後姿があった。



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変化

2011年11月11日 00:00

防砂林の先に、水平線が僅かに垣間見える。
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私は還って来た、やっと‥‥、そして、取りあえず‥‥。


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およそ4ヶ月ぶりに訪れる湘南の海を目前にした私の胸中には、帰郷前とは異なる感情の波が立っていた


夏の余熱を僅かに残している海岸‥‥。
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私にはその光景が、薄ぼんやりと霞んで見えた。まるで、自分と外界との間に薄膜が掛かったように‥‥。


そんな私を最初に迎えてくれたのは、今や釣宿の看板娘となったミイロだった。
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私の姿を認めたミイロは、何の躊躇いもなく親しげな鳴声をあげながらすり寄ってきた。


そして、私の目の前で豪快に爪とぎをはじめた。
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そのミイロの様子を見て、私は思い出していた。「そういえば、ミケもこうやってよく私の目の前で爪を研いでいたな‥‥」


気配を感じ、後ろを振り向くと、シシマルとシロベエが睨み合っていた。
「あの2匹、まだ反目し合っているのか‥‥」

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私が名を呼ぶと、シロベエが不自由な後脚を引きずりながら、近づいてきた。シシマルは悠然とした歩調でシロベエの後を追ってくる。


「ニャア‥‥」私の足許にうずくまったシロベエは、小さく鳴いた。
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シシマルは私を通り過ぎると、そんなシロベエを険しい眼つきで見つめる。


私はゆっくりとエサ場へ近づいていった。
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そこにはアイが独り所在無げにうずくまっていた。「アイちゃん」私は優しく声をかけた。


すると4ヶ月の空白などなかったように、アイはすぐに体をすり寄せてきた。
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その変わらない態度に、私は暖かい気持ちになった。


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この茶トラの誰にも懐かない性格もまた、以前と変わっていない。


そこへ、私の後を追うようにしてミイロがやって来た。
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ニンゲンにも心を許さないが、家族ともいえる同じエサ場の野良ともけっして馴染もうとしない茶トラ。


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そんな茶トラに一瞥をくれただけのミイロは、駐車場に停めてある水上バイクのトレーラーに跳び乗った。


そして水上バイクの真ん中で私の方へ向き直り、腰を下ろした。
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その凛としたミイロの面差しは、まるで「いい構図でしょ。写真撮るなら早くしなさい」とでも言いたげだ。


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そんなミイロを茶トラが険しい眼つきで覗き見ている。


そのときシロベエがミイロに近づいてきた。ミイロは体を低くし身構える。
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シロベエはゆっくりと歩を進めはじめた。


“特攻隊長”のミイロと“トラブルメーカー”であるシロベエの接近だけに成り行きを危惧したが、杞憂だったようだ。
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ところが、挨拶を交わした2匹の間に不穏な空気が漂いはじめた。


と、いきなりシロベエがミイロに跳びかかった。シロベエの行動を予想していたように、ミイロは身をひるがえす。
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シロベエとしては、ただ遊びのつもりだったのだろう‥‥。里子となって、このエリアを去った“新入り猫”“ツバサ(チビタ)”はその遊びに付き合ってくれたのだが‥‥。


シロベエの相手になってくれる野良は今、このエリアにはいない。
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めったに姿を見せないコユキが現われた。
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この野良は警戒心が強く、世話をするSさん以外に近づくことはない。


“浜の伊達男”ことコジローは釣宿の脇にいた。
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どうやら船長さんが捌いている魚がお目当てのようだ。


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久しぶりに会った私などに眼もくれず、コジローは物欲しそうな顔で船長さんの周りをうろつく。


そのコジローの願いは叶えられた。船長さんがコジローの鼻先に切り身を放ったのだ。
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さっそく食らい付くコジロー。
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こういう要領の良さも、この野良の特性だ。


一方、エサ場の前では‥‥、
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シシマル、ミイロ、アイの面々が無聊そうにしている。


そこへシロベエもやって来た。
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このとき、コユキは姿を消していた。そして、以前なら匂いを嗅ぎつけて近づいてくる茶トラも、姿を現さなかった。


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ミイロは相変わらず、私が与えた猫缶には興味を示さない。


釣宿の船長さんから、充分にエサを貰っているからだろう。
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それにしてもトレイを見もしないとは‥‥、ミイロは徹底している。そのせいか、この野良の体型は殆ど変わらない。


だが、そんなミイロにも別腹の好物がある。猫用の“カニカマ”だ。
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全ての海岸猫がこのカニカマを好むわけではない。ちなにみこの船宿エリアでカニカマを食べるのは、アイと里子に出たツバサ(チビタ)だけだ。
ミイロは1年前に此処へ遺棄されるまで飼猫だった。だから、そのときの嗜好が残っているのかもしれない。



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ミイロが残した猫缶はシシマルに任せておけばいい。


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しばらく姿を消していたコジローが、何処からか帰ってきた。
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が、釣宿前で歩みを停め、エサ場へ近づこうとしない。


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そして、警戒のこもった厳しい眼でエサ場の様子を窺っている。


更には場所を替え、執拗に前方を凝視しつづけるコジロー。
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どうやらコジローも、シロベエとの軋轢を引きずっているようだ。


“浜の伊達男”の異名を持つコジローは無意味な諍いを忌避する。だからエリアの仲間とも一定の距離を置く。
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これはダンディズムを標榜するコジローの美学かもしれないが、野良として生きてゆく術でもあるのだろう。


顔見知りのニンゲンに対してさえ、にべ無い態度を取るのもまた、その為だろう。
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「コジロー、お前は相変わらずつれないなぁ‥‥」


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久しぶりの訪問にしては短い滞在時間だったが、私は海岸猫たちと触れ合ったことで安らぎを得た。
湘南海岸も、そこに棲む海岸猫も以前と何ら変わっていない‥‥。


やはり、変わったのは私の方だった。
自分自身が愕然とするほどの変化が、今後の私に、そしてこのブログにどのような影響を与えるのか‥‥?

それは私にも分からない‥‥、今はまだ。



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