速報 シシマル哀惜

2013年04月26日 15:18

また1匹、海岸猫が車の犠牲になった‥‥。

4月22日、シシマルがエリア内で車に轢かれて命を落とした。
事故の詳細は誰も知らない。遺骸を発見した近隣の人が砂浜に埋葬した。


関係者はシシマルが姿を現さないことを不審に思い、近所の人に訊いて初めてシシマルの横死を知ったという。
砂浜は墓に適さないと思った関係者は、やはり去年車に轢かれて他界したミイロが眠る場所へシシマルを移した。



長毛の野良猫、シシマル。
エリアのボスとして、仲間を護り仲間を癒してきた心優しい巨漢猫。

知り合った頃は、警戒心が強く、けっして体を触らせなかった。しかしどういう心境の変化か、一年ほど前から自ら体を擦り寄せてくるようになった。

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故郷から帰った直後に体調を崩し、未だ複調の兆しが見えない私は、久しくシシマルエリアを訪れていない。


写真データを調べると、最後にシシマルエリアへ行ったのは1月下旬だった。
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この日もアイが真っ先に駆け寄ってきて、私を歓待してくれた。


珍しく“浜の伊達男”コジローが、尻尾を立てて側まで近づいてきた。
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彼らが何を期待し、私の側から離れないのか、私にはひしひしと伝わってくる。


そこで彼らの期待に応えて、猫缶をふるまった。
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食欲旺盛なアイを見ると安心する。


シシマルとコジローも健啖な食欲を見せている。
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巨漢故か、シシマルの食べる量はほかの海岸猫より多い。


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一皿目を平らげたコジローが、まだ物欲しそうにしていたので、さらに猫缶を与えた。
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コジローと同じ量だと、当然シシマルには不足だ。猫缶を追加すると、シシマルはガツガツと食べはじめた。


腹が満たされると、コジローは足早に立ち去った。こういう現金でにべない性格も“浜の伊達男”と呼ばれる所以である。
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コジローはカリカリを選り分け、猫缶だけをほぼ完食していた。


食事を終えたアイがシシマルの側にやってきた。
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シシマルとアイ、この2匹に血縁の繋がりはない。しかしまるで兄妹のように仲がいい。


アイはシシマルを兄のように慕い甘える。シシマルはそんなアイを優しく慈しむ。
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仲睦まじいシシマルとアイは、見る者の心を和ませる。


なかんずく、シシマルの優しさは特筆すべき美質である。
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日本男児の理想とされる“気は優しくて力持ち”を具現しているような猫だ。









そんな頼り甲斐のあるシシマルが、突然いなくなった‥‥。
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残されたアイの気持ちを慮ると、遣り切れない。


「アイ、シシマル兄ちゃんはもういない。これからは自分ことは自分で護るんだよ」
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恐らくアイにはシシマルの不在の意味が理解出来ないだろう。


ボランティアの人が献身的に世話をしても、海岸猫を四六時中見守ることは不可能だ。
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車が存在する限り、これからも事故に遭う海岸猫が後を絶つことはない。


この2年の間だけでも、ボス、ミイロ、シシマルが車によって命を落としている。
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たとえ車を運転するニンゲンが細心の注意を払っても、不可抗力による事故は避けられない。
と、理屈では分かっていても、惨事が繰り返されるたびに、胸が裂けんばかりの悲しみに襲われる。



「シシマル‥‥、お前の存在はエリアの仲間にとっても、世話をする関係者にとっても極めて大きなものだった。私にしても、そんなお前の死をすんなり受け容れることなど、とても出来そうにない」

「そして今の私の状態では、我が身を切られるような、こんな辛い思いばかりする野良猫ブログをつづけることが、いっそう困難になってきた‥‥」




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不妊手術 その弐『熟考』

2013年04月14日 11:00

ラン捕獲失敗の2日後‥‥早朝。
海岸へむかう途中、私は顔見知りの茶トラと遭遇した。

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2012年のゴールデンウィーク中に失踪した、元海岸猫の愛猫“風”を捜索していたときに、同じこの場所で出会ったのだ。


その茶トラにカリカリをふるまうと、黒猫が何処からともなく現れ、しばらく物欲しげに様子を窺っていた。が、突然、茶トラのトレイに横槍をいれた。
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黒猫に押し切られそうな茶トラだったが‥‥、


プライオリティーは自分にあるという自恃のせいか、何とか踏ん張った。
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首輪をしているからには、この黒猫は近隣に家を持つ飼い猫だろう。
「お前は家があるんだから、ほかの猫のエサなんて横取りしないで帰ってエサをもらいな」



私の言ったことを理解したのか、それとも強めの語調に気圧されたのか、黒猫は急におとなしくなった。
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邪魔者がいなくなったので、茶トラはのんびりと食事をつづけた。


そしてカリカリを完食すると、満足そうに伸びをした。
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立ち去ろうとした茶トラが、おもむろに振り返った。


その視線の先にいたのは、恨めしそうな顔をしたさっきの黒猫だった。
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胡乱げな黒猫の目付きに比べ、茶トラの表情はあくまでも穏やかだ。猫も性格が顔貌に表れる。先ほどの黒猫の横車にも怒らなかったことでも、この野良(おそらく)の“猫柄”が窺える。


そんな茶トラにほだされた私は、再びカリカリを与えた。
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と、そこへ黒猫が駆け寄ってきて、今度は強引にトレイを奪った。


茶トラはさっきとは打って変わって、すんなり引き下がると、そばで静観している。すでに腹が満たされているから敢えて譲ったのか
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が、そうではなかった。
茶トラは頭突きをするように、強引にトレイに割り込んだ。



茶トラと黒猫は、互いに一歩も引かないで競り合っている。
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この状況で諍いが起こらないのは、もしかしてこの2匹、本来は仲がいいのかもしれない。


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やがて黒猫はついとトレイから顔を上げると、ゆっくりとその場から離れた。


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そして、そのまま目の前の戸建ての庭へ入っていった。茶トラは独り残された。


飼い猫には帰る家があるが、「お前に帰るところはあるのか?」
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この場所は交通量の多い道路のすぐ脇だ。ここでは今まで何匹もの猫が車に轢かれて命を落としている。
縁があったら、また会おう。それまで事故などに遭わず元気でいろよ」


茶トラに別れを告げた私は、今度は寄り道せず一路海岸へ向かった。
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私が与えた猫缶を食べるアスカ。だが、いつもの健啖ぶりは何処へやら消え失せ、仕方なく口を付けているといった風だ。
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それに何かをしきりと気にかけ、たびたび食事を中断する。


側では、ゆきママさんと玄ママさんが、にこやかな表情で何かを見つめている。
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ゆきママさんは、協力したランの捕獲が失敗に終わったのを気にして、たまたまこの日海岸を訪れていた。


玄ママさんと玄ちゃんは、日課の散歩中に偶然通りかかったのだ。
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柴犬の玄ちゃんもやはり、その何かに向かって体を前のめりにして、興奮気味だ。




この場にいる全員が注目している“何か”とは‥‥、




防砂林に置かれたキャリーバッグである。
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正確にいうと、そのキャリーバッグに収まったランを見ているのだ。
私はこの日、ランを捕獲しようなどと微塵も考えていなかった。少なくとも失敗から一週間は捕獲を控えるつもりだったのだから。


では何故、捕獲に成功したのか。
ただいくつかの幸運が重なっただけ、というしかない。何の気なしに、折り畳み式のキャリーバッグを持参していたこと‥‥。
そして、成功の最大の要因と思われるのは、先述したとおり、私に捕獲の企図がまったく無かったことだ。
ホントに世の中はままならない。‥‥実に皮肉だ。



やはり母のことが気になるのだろう、アスカは食事をやめてキャリーバッグに近づいた。
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恐らくアスカは、ランの身に何が起こったのか、理解していないだろう。


どうして母に触れられないのか、どうして母は四角い物体から出てこないのか、と。
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アスカは母に寄り添おうとして、鳴き声を上げながら懸命にバッグの隙間を探している。


ランは観念したのか、抗うことなく、時折鳴き声を発するだけだ。
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その声音も、悲嘆に暮れる息子を諭すような穏やかさだ。


しかしアスカは納得しない。爪を立て、ネットを破ろうとする。
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母を慕うアスカの鳴き声とネットを引っ掻く音に、私の決心が一瞬揺らぎそうになる。


しばらくすると、アスカも落ち着きを取り戻し、キャリーバッグの脇に座り込んだ。
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アスカは母と己の運命を悟ったように、悲哀のこもった面持ちで、押し黙っている。





ランの捕獲に成功したら、アスカも捕獲し去勢手術を受けさせようと思っていた。
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だがこの日は、捕獲するつもりがなかったので、キャリーバッグを一つしか持ってきていない。


通常、メスに避妊手術を施すと、病院に一泊する。そうなると、幼いアスカは独りぼっちで夜を迎えることになる。
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いつも寄り添うようにしている母子を、一晩とはいえ無理やり引き離すことに、私はためらいを感じはじめていた。「やはり2匹一緒のほうがいいのか?」


その思いと、“二兎を追う”ことへの戒めが、私の胸中で激しくせめぎ合った。

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動物病院の診療受付開始までは、まだ時間の余裕があった。そこで私は、熟考の末、ある試みを実行することにした。
その試みとは‥‥。



〈次回へつづく〉



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不妊手術 その壱『必要悪』

2013年04月03日 23:30

捕獲決行日の前日、私はキャリーバッグを持参し海岸へ赴いた。
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私がエリアに着くと、ランは間をおかず防砂林の中から姿を現した。
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「今日は飽くまでも捕獲の予行だ」私は自分に強く言い聞かせた。


欲を出して、あわよくば捕獲しようなどと考えると、鋭敏な勘を持つ猫にすぐ見抜かれる。
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犬猫の不妊手術に異議を唱える人たちがいる、と聞いた。動物の生殖器官を強制的に摘除することは虐待行為だ、というのだ。
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「T.N.R.‥‥。それは猫からすれば、いきなり拉致され、移送された病院で有無をいわさず生殖器官を摘出されること」


「自分が同じ目に遭うことを想像すれば、その行為が如何に理不尽か分かるだろう」
まったき正論である。反駁のしようがない。
が、しかし‥‥。

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今の日本のペット事情は、そんな正論や理想論がまったく通用しない状況だ。


我が国では年間20~30万匹もの犬猫が殺され、ゴミと同じ扱いで焼却処分されているのだ。
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今度は別の方向から「犬猫は、増え続けるので処分するしかない」という声が聞こえてきそうだ。が、実際にドイツでは犬猫を殺処分していない。【ドイツからのレポート】


犬猫の殺処分ゼロは可能なのだ。
とどのつまりは意識の問題だろう。我々一人ひとりが小さな命の尊厳を重んじるかどうかの。

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そんなドイツでもやはり、犬猫問題の唯一の解決策は不妊手術だという。
ニンゲン社会にも、ほかに術がなく不本意ながらもやらなくてはならないことが沢山ある。



その“必要悪”とでもいうべき不妊手術を、ランに受けされるため、今回私は行動を起こした。
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私はまず、捕獲に備えてランをキャリーバッグに慣れさせることにした。防砂林に住まう人の小屋で生まれたランは、今までキャリーバッグを見たことすらないだろうから。


母の様子を植込みの中から覗いていたアスカが、好奇心に負けて姿を現した。
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私は、可能ならアスカにも去勢手術を受けさせたいと考えていた。


手術をすればほかのオスとの諍いが減るし、発情のストレスも経験しなくてすむ。
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そうはいっても、『二兎を追う者は一兎をも得ず』の諺どおり、ニンゲン欲をかくと碌なことがない。


そこで今回は、ランの捕獲を最優先に考えている。
このまま放置しておけば、ランは1年に数回の妊娠出産を繰りかえし、毎年10匹以上の子を産む可能性がある。そうなると、母体のことも心配だ。

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海岸で生まれた仔猫のなかで、陸と空のように優しい里親が見つかることなど稀なこと。


これからも海岸で暮らすであろうアスカは常に外敵に怯え、夏の暑さや冬の寒さに耐え、怪我を負い病を得てもすぐには対処してくれない。
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野良猫の平均寿命は家猫のそれに比べ、半分以下の4~6歳であることが、厳しい外での暮らしを如実に表している。


初めて目にするキャリーバッグに、アスカも興味津々だ。
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こわごわとキャリーに頭を入れ、中の様子を仔細に窺っている。


すでに母ランの匂いが付いているから安心したのか、アスカはいきなりキャリーへ半身を突っ込んだ。121005-06.jpg
アスカにとっては、キャリーバッグも遊びの道具と何ら変わらないようだ。


遊びに興じているうちに、アスカの全身がほぼキャリーの中へ収まった。
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ランのときもそうだったが、私はこのまま扉を閉じてしまいたい誘惑に駆られた。だがそこで、本来の目的を思い出しぐっと我慢した。


母子に、キャリーバッグを慣らすという意図は、何とか成功したように思う。
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だから、明日の捕獲は是が非でも成功させたかった。



そして。


‥‥翌朝。ランの捕獲決行日が訪れた。
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この日も、私が名を呼ぶと、ランは防砂柵の上に姿を現した。
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ランは柵の上から睥睨するように辺りを見回し、脅威になる外敵がいないのを確認すると、やおら道路側に身を乗りだした。


ランは私の企てに気づいていない‥‥、はず。
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だが勘の鋭い猫のこと、こちらが日頃と違う雰囲気を漂わせただけで見抜かれる恐れがあった。


ランに気取られないように、私は努めて平静を装った。いつもの表情をして、いつもの立ち居を心がける。
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しかし、態度とは裏腹に私の胸中は穏やかではなかった。「捕獲の失敗は絶対許されない」と思い詰めていたからだ。


私は覚悟をしていた。
捕獲が成功しようが失敗しようが、それをきっかけとしてランは私に不信感をいだくだろうと。

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そしてランは私を忌避し、今までのように慕ってくれることはないだろうと‥‥。
だから、どのみち嫌われるなら、最後に不妊手術を受けさせたかった。



しばらく待っていると、アスカも姿を現した。
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ランの捕獲が成功し、それを目撃したアスカが逃げないでその場に留まるようなら、一緒に捕獲するつもりでいる。


そのために、この日はキャリーバッグを2つ用意した。
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もう1つはゆきママさんから拝借した。
そして独りでは心許ないので、ゆきママさんに手伝ってもらうことにした。



ゆきママさんには、前もってキャリーバッグを持って防砂柵の陰に隠れてもらった。
そうして私は、さり気ない調子でランを両手で抱き上げた。いつものことだから、ランも素直に身を任せてくれる。

「ゆきママさん、いきますよ」と私はゆきママさんに声をかけた。
その合図を聞いたゆきママさんが、扉を開けたキャリーバッグを持って防砂柵の陰から出てきた。

私はゆきママさんへ近づき、キャリーバッグの中へ、ランを入れようとした。
と、ゆきママさんの出現に驚いたのか、ランはいきなり暴れはじめた。
それでも私は、ランをキャリーバッグへ押入れようと一段と力を込めた。
だが、ランも必死に抗う。「凄まじい力だ!」

私は捕獲を断念し、ランを抱いた手の力を緩めた。
ランは私の手を振りきると、防砂柵を越えて防砂林の中へ走り去った。



私の腕には、ランに引っ掻かれた傷が一筋残った。
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しかし、自己嫌悪と敗北感に襲われていた私は、傷の痛みなどまったく感じなかった。


防砂林の奥へ姿を消したランは、私に裏切り者としての烙印を押すだろう。
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こうして、ランの捕獲作戦は、想定しうる最悪の結果に終わった‥‥。


失策の要因はいくつかあったが、この期に及んで顧みても詮ないことだ。
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この結果をもって、ランの捕獲は、しばらく冷却期間をおかざるを得なくなった。


同日、夕刻。
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ランとアスカの様子が気になったので、私は再び海岸へ足を運んだ。


母子は、何事もなかったようにエサ場にいた。
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アスカは、私が与えた猫缶を何の迷いもなく食べはじめた。


ところが、ランはトレイに背を向け口を付けようともしない。
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やはり、朝の出来事にわだかまりを持っているのか。


私が近づこうとすると、ランは防砂林の奥へ足早に逃げていった。
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ランの反応は、昨日までと明らかに違っている。


私は追うのをやめた。すると、ランも立ち止まり、私の方へ向き直った。
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逃げ去ることなく、私と微妙な距離を保っているラン。
「完全に嫌われたのではないのか?」ランの様子を見て、私は一縷の望みをいだいた。



そこで私は、捕獲に至った事情を、ランに諄々と説明した。
「いきなりで驚いただろうけど、お前のことを思ってのことなんだ‥‥」

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果たしてランは、私の本心を理解してくれるだろうか‥‥。私はランの反応を静かに待った。


やがて、ランはおもむろに腰を上げると、こちらに向かって歩みはじめた。
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そして私の足許まで来ると、何も言わず寄り添うように佇んだ。
「ありがとう、ラン‥‥」私は、自分の胸に熱いものが染み渡るのをリアルに感じた。



愛情をもって付き合えば、猫とニンゲンも心が通じあえる。たとえ野良であっても。
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望外の展開でランとの信頼関係は修復出来たが、私は彼女に不妊手術を受けさせることを諦めたわけではない。


〈次回へつづく〉



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