現場

2014年06月27日 14:00

私にはどうしても気になっていることがある。

いや、正確には遣り残したことがある、というべきだ。

前回は道具を持っていなかったので、やむなく断念したのだ。


scenery-411-001.jpg

scenery-411-003.jpg

scenery-411-002.jpg


リンとランが生まれ育ったエリア。
そして去年の8月、放火による火事に見舞われた場所へと私は再び赴いた。

Lin-area411-001.jpg


前回はよく見なかったが、改めて観察すると、火事の爪痕が至るところに残っていた。
Lin-area411-002.jpg

Lin-area411-004.jpg
松の樹皮が真っ黒に焼け焦げている。


どれほどの火力を以ってすれば、このような状態になるのか、私には分からない。
Lin-area411-003.jpg

Lin-area411-005.jpg


焼け出された “防砂林に住まう人” たちの生活品は、もはや元の形を推測することも出来ないほどだ。
Lin-area411-006.jpg

Lin-area411-007.jpg


なかには辛うじて原型を留めているものモノもある。
Lin-area411-009.jpg

Lin-area411-008.jpg
少し離れたところに火難から逃れたスニーカーが転がっていたが、却ってこの場に相応しくない異物に見える。


そして‥‥、先日発見したときと同じ場所にソレはそのまま残されていた。
Lin-area411-010.jpg
野ざらしにされて散乱した動物の白骨だ。が、この骨が猫のモノだとは決まっていない、まだ。


なんとなれば、防砂林には狸やハクビシンやアライグマなども生息しているからだ。
Lin-area411-015.jpg

Lin-area411-011.jpg
もし猫の骨なら成猫のモノだろうが、一体分にしては数が少ない。


取り敢えず白骨が見えている場所を中心に松葉を掻き分けて収骨することにした。
Lin-area411-014.jpg


そして、発見した骨をティッシュの上に並べていった。
Lin-area411-016b.jpg

Lin-area411-018b.jpg
部位が分かるのは、脚の骨が3本、肩甲骨が一対、分離した脊椎類、肋骨が数本、頭蓋骨の一部‥‥。松葉に隠れていた骨もあり、思ったより数は多かったが、それでもやはり一体分には足りていない。


その中に白骨の正体を決定づけるモノが混じっていた。猫を飼っている人なら見慣れたカタチのそれは‥‥。
Lin-area411-019b.jpg
“爪” だ。最初の印象通り、この白骨はやはり猫のモノだった。
この爪を見ていると、私はついつい思いを巡らせてしまう。「最期を迎えるとき、この爪で何を掴みたかったのだろう‥‥?」と。



(念のためネットで前述の各小動物の骨格を調べてみた)
Lin-area411-020b.jpg
(その結果、顎の骨、いわゆる下顎骨が猫のそれと一致した)


写真では分かり難いが、犬歯の先は摩耗して丸みを帯びている。
(犬歯:人でいう糸切り歯、猫の場合も犬歯と呼ぶ)
Lin-area411-021b.jpg
それにどんな意味があるかというと、ある程度の年齢を経た猫の可能性が高いということだ。


火事の現場から少し離れた松の根元に埋葬用の穴を掘った。
Lin-a411-022.jpg

Lin-ar411-023.jpg
この為にスコップを用意してきたのだ。


と、そのときである。先日会ったキジ白が、防砂林の奥から突然姿を現した。
Lin-ar411-024.jpg

Lin-ar411-025.jpg
私との距離は7~8メートル、しかし今回は逃げる気配を見せない。


Lin-ar411-083.jpg

Lin-ar411-026.jpg

Lin-ar411-084b.jpg

Lin-ar411-027.jpg
「お前も、火事の現場を検証するつもりなのか?」


が、キジ白にそんな気はさらさらなかったようだ。
Lin-ar411-085.jpg


キジ白はいきなり焼け焦げた松の木に跳び乗った。
Lin-ar411-028b.jpg

Lin-ar411-029.jpg

Lin-ar411-030.jpg
そして、そのままするすると松の木を登っていく。猫は安全な高いところが好きで、木登りの技量も長けている。


しかし、登るのは得意でも降りるのは苦手で、高い木から降りられなくなった猫の映像がときおりテレビなどで報道される。
Lin-ar411-031.jpg

Lin-ar411-032.jpg
ただそういう事例は、外敵から逃れるために垂直の木を無我夢中で登った結果が多く、キジ白はその辺のことを考慮し、降りやすい曲がりくねった木を選んだと思われる。


ビルの3階程の高みから辺りを見回すキジ白。自分の縄張りの様子を窺っているのか、それとも居なくなった家族の安否を確かめようとしているのか。
Lin-ar411-033.jpg

Lin-ar411-034.jpg
何を見ていたのか分からないし、目的を達することが出来たのかも分からないが、キジ白は樹上で器用に踵を返すと、慎重な足取りで降りてきた。


松の木のでこぼこした樹皮は手掛かりもあり、降りるのも容易いだろう。
Lin-ar411-035.jpg

Lin-ar411-036.jpg
それまで私の存在など無視していたキジ白だが、ここで初めて私と目を合わせた。


ニンゲンにはこの降り方は出来ない。しかし猫とてこの態勢では自慢の爪も役に立つまい。
Lin-ar411-037.jpg

Lin-ar411-038.jpg
案の定、途中で耐えきれずにキジ白はジャンプした。


体操競技で言うところの減点なしの着地をしたキジ白は、私を一瞥した。「ドヤ顔か?」
Lin-ar411-039.jpg

Lin-ar411-040.jpg


「なんの為に掘られた穴なのか、お前に分かるか?」
Lin-ar411-041.jpg
「それは仲間を埋める穴だ。同じ血を分けたお前の眷族かもしれない白骨を埋葬する穴なんだよ」


この子はこの防砂林で生まれ育った。リンの子か孫にあたると思われ、もうすぐ1歳を迎える。
Lin-ar411-042.jpg
野良猫の寿命は4~6歳と飼い猫に比してはるかに短い。この海岸猫があと何年生きられるか、それはほんにんの生命力と運の善し悪しで決まる。


それにしても‥‥。
Lin-ar411-046.jpg

Lin-ar411-043.jpg

Lin-ar411-044.jpg
このキジ白、さっきから木に登ったり、私から付かず離れず周りをうろついて、如何にも無聊そうだが‥‥。


もしかしたら、キジ白はそれとなく私に訴えているのかもしれない。
Lin-ar411-045.jpg
どうにも落ち着かないので、私は埋葬を後回しにして、この海岸猫の要望に応えることにした。


このエリアにもエサ場が存在する。主食用の食器が二つ、飲料水用の食器が一つ、とエサ場としての最低限のモノは揃っている。
エサ場001c

エサ場002
そばに発泡スチロール製の猫ハウスもあるが、しかしこの状態では使えないだろう。


私の後を追ってきたキジ白は、植込みの中から私の行動を窺っている。
Lin-ar411-047b.jpg

Lin-ar411-048.jpg
初めからここにいたのか、近くの植込みにキジトラの姿も見える。


そのふたりの為にわざわざ食器を分けて猫缶を盛ったのに、なぜか同じ食器に窮屈そうに鼻先を突っこむキジトラとキジ白。
Lin-ar411-049.jpg

Lin-ar411-050.jpg
ひとつの食器で食事をすることが習い性となっているのかもしれない。


キジトラが隣りの食器に一瞥を投げたが‥‥、
Lin-ar411-051.jpg

Lin-ar411-052.jpg
すぐに元の食器に視線をもどし、キジ白と頭をくっつけ合って食事をつづける。


Lin-ar411-057.jpg
一皿目の猫缶が殆んどなくなっても、キジトラは執拗に欠片を貪っている。先に食べ終えたキジ白はすぐに二皿目にいかず、あらぬ方向を見ている。


Lin-ar411-053.jpg

Lin-ar411-054.jpg
ややあって、キジ白はゆっくりと隣りの皿に近づいていった。


すると、すぐにキジトラも同じ皿に移って、さっきと同じようにふたり仲良く猫缶を食べはじめた。
「キジ白はキジトラが食べ終えるのを待っていたのか!?」

Lin-ar411-055.jpg

Lin-ar411-056.jpg
一連の行動をみて私は確信した。このふたりは同じ母猫の乳を飲んだ兄弟だと。


ただし、ニンゲンもそうだが、兄弟でも持って生まれた性格は違っているようだ。
Lin-ar411-058.jpg

Lin-ar411-059.jpg

Lin-ar411-060.jpg
キジトラが脇目もふらず猫缶を食べているあいだも、キジ白は周りへの警戒をおこたらない。


「それにしても、リンはどうしたんだ?」
Lin-ar411-061.jpg
いつもなら真っ先に駆けつけてくるリンが姿を見せないことに、私は一抹の不安を感じていた。


Lin-ar411-077.jpg

Lin-ar411-062.jpg
私がリンの姿を求めて辺りに視線を巡らせているあいだに、キジ白は姿を消していた。
キジトラは相変わらず一心不乱に猫缶を貪るように食べている。



と、そのキジトラが食べるのを中断し、ついと後ろを振りかえった。
Lin-ar411-067.jpg


その視線の先には、澄ました面持ちで端座しているキジ白がいた。
Lin-ar411-063b.jpg

Lin-ar411-064.jpg
私との距離はずいぶん近づいたが、見返す目はまだ警戒を解いていない、と雄弁に語っている。


「野良猫として一日でも長生きしたければ、その姿勢を変えないことだ。一度や二度、食事を与えてくれたニンゲンを安易に信用していたら生き残れないぞ」
Lin-ar411-066.jpg

Lin-ar411-065b.jpg
だから、食べ物に対して貪欲なこのキジトラのことが気掛かりなのだ。


私は元の防砂林の奥へ戻り、拾い集めた白骨を埋葬することにした。
Lin-ar411-068.jpg

Lin-ar411-069.jpg
ティッシュにくるんだまま、猫の遺骨を穴の底へそっと収めた。


Lin-ar411-070.jpg

Lin-ar411-071.jpg
「君も分かったと思うけど、もし生まれ変わってくるなら、野良猫だけは止めておくんだよ」
私は掌を合わせ、衷心からそう祈った。



Lin-ar411-072.jpg
そして、私がエリアを離れようとしたときだった‥‥。


Lin-ar411-073.jpg
鳴き声を上げながらリンが駆け寄ってきたのは。


「リン、お前どこへ行ってたんだ?何度も呼んだんだぞ」
Lin-ar411-074.jpg

Lin-ar411-075.jpg

Lin-ar411-076.jpg
リンは私の脚に、繰り返し繰り返し身体をすり付けてきた。
「分かった、分かった、リンお前も腹が減ってるのか?」



リンの為に新たに猫缶を開けると、キジトラが物欲しそうな様子で近づいてきた。
Lin-ar411-078.jpg

Lin-ar411-079.jpg
そして、多少遠慮がちに猫缶に口を付けた。そんな不躾な振る舞いをされてもリンは鷹揚に構えている。


やはり血を分けた家族だから寛容できるのだろう。
Lin-ar411-080.jpg

Lin-ar411-081.jpg
こういう光景は見ているだけで微笑ましい。家族の縁が薄い私には羨ましくもある


Lin-ar411-082.jpg
「お前も家族と離れず、いつまでも仲良く暮らすんだよ」


scenery-411-005.jpg


リンがエリアを離れて何をしていたのか。

私はその場面を後日において目撃することになる。

それがために、自分が憂鬱と懊悩の淵に沈んでいくとも知らず‥‥。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます


【 コメントに関して 】
◆コメントは承認制です。
◆非公開コメントも可能です。
◆コメント返しは次の更新後にさせていただきます。
◆地名などの固有名詞を記したコメントはご遠慮ください。


スポンサーサイト
関連記事

10ヵ月ぶりの訪問 その四

2014年06月19日 16:00

今回の記事に上記のタイトルはそぐわない。

というのも、湘南海岸の訪問は10ヵ月ぶりだが、このエリアを最後に訪れてから11ヵ月もの月日が経っていた。


以前は毎日の様に訪れていたエリアだったが、他に気掛かりなエリアが出現し、我知らず足が遠のいていたのだ。


scenery001_20140611011855257.jpg

scenery003_201406110118585fc.jpg

scenery002_20140611011856c8b.jpg


このエリアにはかつて10数匹の海岸猫が暮らしていた。
だが、3年前から櫛の歯が欠けるように、その数を減らしていった‥‥。


そして、往時は常に5、6匹の海岸猫が各々の場所でくつろぐ姿が見られたが、1年前には誰にも会えない日があるほどになった。

このエリアを私は『 シシマルエリア 』と称しているが、当のシシマルは昨年の4月車に轢かれて命を落としている。(詳細は【速報 シシマル哀惜】 【シシマル哀惜 その弐】を参照)

本来なら別の名称へ変更すべきなのだろうが、未だそれに代わる相応なエリア名が見つからないのだ。


scenery006_201406112220263f5.jpg

scenery005_20140611015650ba7.jpg
シシマルエリアはこの日も閑散として、海岸猫の姿はどこにもない。


そこで私は、ダメ元で猫が好みそうな場所をゆっくりと巡回することにした。
scenery004_2014061101315360e.jpg
そうして、駐車場の奥へ足を踏み入れて辺りを見回しているときだった‥‥。


背後から微かな物音と気配を感じた私は、ついと後ろを振りむいた。


と、そこにいたのは『 浜の伊達男 』ことコジローだった。
S-area001.jpg
恐らく駐車中の車の下でくつろいでいたところ、訪問者が顔見知りのニンゲンと分かって出てきたのだろう。


S-area002.jpg
ほぼ1年ぶりに会ったコジローは、相変わらずクールな面持ちで佇んでいる。


シャイなコジローだから、私と目を合わさないよう、わざとあらぬ方向を見ていると思っていたが、それにしては目付きが険しい。
S-area003.jpg
私の存在など忘れたように、前方を凝視して身じろぎしないコジロー。


コジローの視線を辿ると、その先にいたのはシロベエだった。
S-area004.jpg

S-area005.jpg
シロベエは大きな声をあげて、コジローに向かって何かを懸命に訴えている。


しかし、コジローは表情を微塵も変えることなく軽く受け流している風だ。
S-area003-4.jpg
こういうにべ無い態度も、コジローが『 浜の伊達男 』と二つ名で呼ばれる所以である。


シロベエは、コジローのつれない反応に落胆しつつ、しかし未練がましくまだ何やらニャゴ、ニャゴ独り言を呟いている。
S-area006.jpg

S-area007.jpg
で、結局、水上バイクの操縦部に腰を下ろすと、やにわに毛繕いをはじめた。ここがシロベエのお気に入りの場所なのだろう。


S-area008.jpg

S-area009.jpg
シロベエが見えるとこまで歩を進めたコジローは、彼の行動を注視している。
猫も人間同様、相性の良し悪しがあり、コジローとシロベエは殊に相性が悪い。



ただこのふたりの場合、コジローがシロベエを一方的に忌避しているのだが。
S-area010.jpg

S-area011.jpg
「コジロー、どうやら今でもシロベエとは上手くいっていないようだな」


久しぶりに会っても、コジローはランやリンのように体を寄せて来ることはない。
S-area012.jpg

S-area013.jpg
ちなみに、猫がこうやって何かに体をすり寄せる行為は、自分の匂いを付けるマーキング行動であり、対象が仲間の猫やニンゲンなら親しみの感情を表している。


また、尻尾を垂直に立てるのは、嬉しいときや甘えたがっているときに見せる行為である。
S-area014.jpg

S-area015.jpg
穿った捉え方をすると、コジローは私との再会を喜んでいるが、直截的な表現に抵抗があって、杭を代替にして自分の気持ちを表しているのかもしれない。


コジローのシャイな性格がそうさせるのか、『 浜の伊達男 』の矜持のせいなのか‥‥、私には計り兼ねるが。
S-area016-17.jpg


そんなコジローの様子をしばらく窺っていたシロベエだったが‥‥。
S-area017.jpg

S-area018.jpg
何を察知したのか、シロベエは上体を起こし身構えた。


と、次の瞬間、シロベエは素早く、かつ忍びやかに水上バイクから跳び降りた。
S-area019.jpg

S-area022.jpg
そうして、シロベエは抜き足差し足忍び足といった風にコジローに近づいていく。


コジローは杭にもたれて大アクビ、シロベエの接近にまったく気付いていない。
S-area016.jpg

S-area023.jpg
と、そこへシロベエが鼻先を突きつけてきた。いきなりのシロベエの接触にたじろぐコジロー。


S-area024.jpg

S-area025.jpg
逃げたコジローを追い、しつこく鼻先を突きつけるシロベエ。これは猫同士の挨拶だからコジローも仕方なく受け容れている。


が、シロベエの悪い点は、これで済まさないとこだ。
S-area026.jpg
相手によっては、こうやっていきなり “手” を出してくるのだ。


これではコジローがシロベエを避けるのも無理からぬこと。
S-area027.jpg

S-area029.jpg

S-area028.jpg
このような振る舞いが原因で『 粗暴なヤツ 』と仲間から思われているフシがある。


しかしながら、私が受けるシロベエの印象を一言でいうと『 稚気に富んだ寂しがり屋 』だ。
シロベエは構ってほしいのだ。ただジャレて遊んでほしいだけなのだ。

S-area030.jpg

S-area031.jpg

S-area032.jpg
さっきの猫パンチにしても、シロベエが本気でコジローに危害を加えるつもりなら、もっと素早く繰り出したはず。


ところが、シロベエの放ったパンチは “ミッキー・ロークの猫パンチ” 程ではないが、スローで威力のないものだった。
S-area033.jpg

S-area038.jpg
かつては、“新入り猫” やツバサなどの仔猫がシロベエの良き遊び相手だった。
しかし、その仔猫たちは縁があって里親さんに引き取られ海岸を去っていった。



がために、以来シロベエは新しい遊び相手を求めつづけているのだ。
ただ、シロベエの悪い点の二つ目は、すぐにマジ(本気)になってしまうところである。

S-area039.jpg

S-area040.jpg
いるだろう、あなたの周りにも、互いに了解して遊びのつもりで始めたのに、途中で一人熱くなりマジになってしまう奴が。


そういうガキっぽさ、いわゆる稚気に富んだシロベエは『 空気を読めないヤツ 』という烙印を押され仲間から煙たがられるようになった。
S-area035.jpg

S-area036.jpg

S-area037.jpg
コジローにシシマルの様な度量があれば、シロベエを上手くいなすことが出来るのだが、『 浜の伊達男 』にそれを求めるのは酷かもしれない。


私にはこのエリアで、もうひとり会いたい海岸猫がいる。その海岸猫の出現ポイントへ向かう私の後をコジローが追ってきた。
S-area041.jpg

S-area042.jpg

S-area043.jpg
シロベエの動向が気になるのだろう、コジローは何度も背後を振りかえる。


狙いすましたコジローの鋭い視線。
S-area044.jpg


そしてやおら腰を落とすと、背中の筋肉をひくひくさせた。下半身の筋肉を収縮させているのだ。背中の毛が逆立っているのがその証。
S-area045b.jpg

S-area046.jpg
で、次の瞬間、収縮した筋肉を一気に弛緩させ力を解き放つ。


猫の跳躍力は体高の5倍程と言われている。無論個体差はあるし、年齢とともに弱まっていくが、何度みても驚くべき瞬発力である。
S-area047b.jpg

S-area048b.jpg

S-area049.jpg


気配を感じたのか、コジローが背後を振りかえった。見ると、シロベエがゆっくりとこちらへ向かってきていた。
S-area050.jpg

S-area051.jpg
寂しがり屋のシロベエは、独りでいるのが辛くて誰かの側にいたいのだろう。


コジローに近づきたいのに、敢えて少し距離をおくシロベエに憐憫の情すら感じてしまう。
S-area052b.jpg

S-area053b.jpg
自分の置かれた剣呑な状況を知っているのか、野良猫は滅多に鳴かない。ところが、シロベエは何かを希求するようによく鳴き声を上げる。


じつは3年前の冬に、シロベエは突然エリアから姿を消した。そうして、関係者が諦めかけた半月後、シロベエはいなくなったときと同じように突然戻ってきた。
S-area057b.jpg

S-area058b.jpg
だが、還ってきたシロベエは左後肢に損傷を負っていた。外傷は無かったが、脚を引きずる姿は如何にも痛々しかった。


ただシロベエ自身は、痛がるわけでもなく、歩くことも走ることも見た目程には不自由を感じていないようだった。
S-area055.jpg
ただし、シロベエが受けたダメージは身体だけでないことが分かってきた。なんとなれば、それ以前は人懐こかったシロベエが一変、ニンゲンを警戒し忌避するようになったのだ。


行方不明になっていた半月の間に何があったのか、それはシロベエと何処かにいるであろう加害者しか知らない。
S-area059.jpg

S-area060.jpg
さて、先程より、シロベエの歩く姿ばかりを見せられて、「それでなくても冗漫なブログなのに、無駄なカットを羅列するな!」とお怒りの読者もあろうかと思われるが、しかしこれもシロベエの心情を知るには必要なカットなのである。


じつはそれと悟られないように、シロベエはわざと大きく迂回していたのだ。
S-area061.jpg

S-area062.jpg
コジローに近づくために。


こうまでしてシロベエはコジローの歓心を得ようとしているわけである。涙ぐましいではないか。
S-area063.jpg

S-area065.jpg
しかしコジローにシロベエの気持ちを忖度するつもりは毫もなく、冷眼を浴びせるだけだ。


S-area064.jpg
コジローに見据えられて、うなだれるシロベエ。見ているこちらが辛くなるほどの落胆ぶりだ。


コジローとのコンタクトを諦めたのか、シロベエはすごすごと後戻りをはじめた。
(念のため書き添えておくが、シロベエの跳躍力は他の猫と何ら遜色はなく、コジローのいる塀の上に跳び乗れないわけではない)
S-area066.jpg

S-area067.jpg
「何だシロベエ、そんな簡単に引き下がるのか」悲哀を感じさせるシロベエの後ろ姿を見ているうちに、ついそんな言葉が口をついて出た。


コジローが凝視するなか、シロベエは悄然とした足取りで歩いていく。
S-area068.jpg

S-area069.jpg
歩みを止めうずくまったシロベエ。方やコジローは塀の上で悠然と構えている。


コジローを見返すシロベエの双眸は悲痛さをさえ感じさせる。
S-area070.jpg

S-area071.jpg


そんなシロベエを見詰めるコジローの面持ちは険しく、強固な拒絶の意思を示している。
S-area072.jpg


コジローの眼光に気圧されたのか、シロベエは悲しそうな表情で背を向けた。
S-area073.jpg

S-area074.jpg
『 稚気に富んだ寂しがり屋 』シロベエの想いは、永遠にコジローへ届かないのか?


ふたりの遣り取りを横目に、私はこのエリアにいるはずのシャムミックスの『 アイ 』の姿を捜していたのだが、無駄骨だったようだ。
S-area075.jpg
アイが元気でいることは仄聞しているので、いずれ会えるだろう。


そこで私は周りに視線を巡らせながら、元いた駐車場へ引き返した。
S-area076.jpg

S-area078b.jpg

S-area079b.jpg
私の後を付いて来ていたコジローが何かの気配を感じたのか、ふいに振りかえった。


釣られて振り向いた私の目に飛びこんできたのは、疾走してくるシロベエだった。
S-area080b.jpg

S-area080.jpg
脚に障害があることを微塵も感じさせない走りっぷりだ。


そうして、またぞろ「ボクと遊ぼうよ」とコジローを誘うのだった。
が、コジローもまた、すげない態度でその誘いをかわす。

S-area081.jpg

S-area082.jpg
にしてもこのふたり、毎日こんなことを繰り返しているのだろうか。


そんなコジローとシロベエに食事を与えてみた。
S-area083.jpg

S-area084.jpg
食事中はさすがに、シロベエも大人しくしている。コジローのことを気にしながらも。


だがコジローには、こういうシチュエーションを長く耐えられるほどの度胸がないのか‥‥、
S-area085.jpg

S-area086.jpg

S-area087.jpg
猫缶をほんの少し食べただけで、そそくさとその場を去っていった。


S-area088.jpg
独り残されたシロベエは寂しそうにコジローの後ろ姿を見送っている。


と、そのときである。私の視界の隅に何やら動くものが入りこんだのは。
見ると、茶トラが水上バイクのしたでうずくまってこちらの様子を窺っていた。

S-area089.jpg

S-area090.jpg
「そういやお前もいたな‥‥、うっかり忘れていたよ」
私を歓待するために、茶トラが姿を現したのではないことだけは明白だ。どうせ猫缶の匂いを嗅ぎ付けてやって来たのだろう。



「コジローの残りで良かったら食べな」
そう言ってトレイを側におくと、茶トラはすぐに鼻先を突っ込んできた。

S-area091.jpg

S-area092.jpg
じつはこの海岸猫を、ずいぶん前から『 銀次(ギンジ) 』という名で呼んでいたのだが、今まで発表の機会を得られなかった。


それというのも、ギンジは猜疑心が猫一倍強く、ニンゲンも仲間の猫も避けていたので、これといったエピソードがなかったからである。
S-area092b.jpg

S-area092c.jpg
私はつくづく思った。ニンゲンを忌避するギンジの様な性格の猫が、結局は長生きするんだろうな、と。


私が浜に降りると、コジローも後を付けてきた。シロベエもここまでは追ってこないようだ。
S-area105.jpg

S-area106.jpg
「おいおいコジロー、まるでストーカーだな」と言いながら、私はつい微笑んだ。


野良猫に慕われて悪い気はしないが、やはり複雑な心境に陥る。
S-area107.jpg
なんとなれば、野に暮らす彼らの境遇に思いを巡らせると、切なく沈うつな気持ちになるからだ。


S-area097b.jpg

S-area096.jpg
シシマル亡き後、このエリアのボスはコジローが担うのが順当なのだろうが、残念ながらコジローにはその気がまったくないようだ。


やはり、相応な呼称に思い至るまで、このエリアは従来どおり『 シシマルエリア 』と呼ぶことにした。
S-area110.jpg

S-area111.jpg
強く逞しく、そしてなによりも心優しかったシシマルに敬意を表する意味合いもこめて。


S-area098.jpg



前回の記事でも述べたが、海岸猫との交流は私にとってけっして楽しいものではなく、不遜だと誹られるのを承知でいうと、彼らを今の境遇から救い出せないことで自責の念に苛まれ、気持ちは落ち込む一方だ。

それもあって、今の私の精神状態はあまり芳しくない。

飽くまでも個人的なブログ、更新が滞ろうが途中で放擲しようが管理人である私の心づもりひとつで決められる。

だが、ブログを介して知り合った友人知人の存在が私の心の支えになっているのも、厳然たる事実‥‥。

それにこんな更新が遅くダラダラ長い駄ブログが、ランキング上位にいられるのも訪問してくれる方々の応援のお陰と、心から感謝している

その方々の応援がなければ、このブログはとっくに休止していただろう。

略言すれば心に病を得た私がかろうじてブログ制作出来るのも、訪れてくれる方々がいるからだ。

だから応援してくれる方がいる限りはこのブログを続けようと、私は思っている。

少なくとも現時点では‥‥。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます


【 コメントに関して 】
◆コメントは承認制です。
◆非公開コメントも可能です。
◆コメント返しは次の更新後にさせていただきます。
◆地名などの固有名詞を記したコメントはご遠慮ください。


関連記事

10ヵ月ぶりの訪問 その参

2014年06月05日 22:00

ランと10ヵ月ぶりの再会を果たした2日後の夕刻、私は再び海岸へ赴いた。

本心をいえば、ボランティアの人に会える早朝に海岸を訪れたかったのだが、私の体調は簡単にそれを許してくれない。

ちなみに、どのエリアを最初に訪れるかを決定するのは、家を出る直前か海岸へ向かう途上が常なのだが、この日は違っていた。

前回の海岸訪問中に、私は既に次回訪れるエリアを決めていたのだ。


それは、リンとランが生まれ、昨夏防砂林に住まう人の小屋が放火の災禍に見舞われたエリアである。


scenery001.jpg

scenery006.jpg

scenery003.jpg


エリアがある防砂林の奥へ足を踏み入れた私は、海岸猫の名を連呼した。

すると‥‥、

防砂林の奥に小さな影が現れたかと思うと、その影は一直線で私のほうへ近づいてきた。





それはランの姉妹であるリンだった。
Rin001.jpg
10ヵ月ぶりに見る、紛うことなき海岸猫リンの姿だ。


リンはしゃがんだ私の脚に自分の体を擦りつけてきた。あたかも10ヵ月の空白を埋めるように、何度も何度も‥‥。
Rin000.jpg

Rin000-02.jpg
「リン、元気にしていたか。そして私のことを忘れずにいてくれたのか‥‥」
私の胸の中に、何だか分からない温かいモノが込みあげてきた。



“猫は情が薄い” という伝え話が、如何にいい加減で根拠がないと分かってもらえただろう。
Rin002.jpg

Rin003.jpg
興奮気味に鳴き声を上げながらまとわり付くリンを、私は左手で掴まえた。


「リン、よく顔を見せてくれ」そう言って、リンの顔を多少強引にこちらへ向けた。
Rin004.jpg

Rin005.jpg
ランよりも更に気丈なリン、これ以上強引に扱うと、例え信頼しているニンゲンであっても、容赦のない猫パンチが飛んでくるから匙加減が難しい。


現在のリンの食生活状況を私はまだ把握していないので、取り敢えず食事を与えることにした。
Rin006.jpg

Rin007.jpg

Rin008.jpg
時刻は16時過ぎ、リンの食べっぷりからして、午後の食事はまだもらっていないようだ。


久しぶりに会ったリンだが、私には健康状態も栄養状態も良好に見える。
Rin009.jpg

Rin010.jpg
ということは、リンもまた、ボランティアの人の手厚い世話を受けていると思われる。


Rin012.jpg
結局リンは、トレイに盛った猫缶とカリカリをほぼ完食した。


「ところでリン、このエリアには何匹の海岸猫がいるんだ?」
Rin013.jpg

Rin014.jpg
昨夏、私が帰省する直前には、リンが2012年9月に産んだ黒猫と茶トラがいた。


茶トラは撮影出来なかったが、黒猫(♀)は一度だけ撮影する機会があった。
Rin039.jpg

Rin040.jpg
昨年の6月時点で黒猫は生後9ヵ月。しかし既に子供を出産した形跡があった。


この黒猫は、当ブログの里親募集の記事を見た葉山のSさんの仲介で、里親さんに貰われていったキジ白とキジトラの兄弟にあたる。

RikuSora001.jpg
ちなみに、リンが育児放棄したこのキジ白とキジトラは、陸(リク)と空(ソラ)と名付けられ、里親さんの許で幸せに暮らしている。


さらにこのエリアには、2012年5月にランが産んだ3匹の子のうち、母ランの意思か本人の意思か分からないが、ただ独りテント小屋に残ったユイ(♀)がいた。
Yui001.jpg

Yui002.jpg
同じエリアに棲んでいるおばであるリンには、邪険にされていた様子のユイ。幸薄い印象の子だった。


実を言うと、昨年の6月には、リンも子供を産んだ形跡がみられた。
Rin018b.jpg
猫が出産する仔猫の数は、3~5匹がもっとも多い、とされている。ちなみにリンの場合、2012年の春も2013年の秋も4匹の仔猫を産んだ。


そこで2013年6月にも、リンが4匹の仔猫を産んだとして‥‥。
Rin018.jpg
リンの子の黒猫が産んだ仔猫を少なめの3匹に想定すると、仔猫だけで7匹、それに成猫を加えた場合、このエリアには一時期少なとも11匹以上の海岸猫がいたことになる。


しかし、このエリアで私が目撃した海岸猫は、先日のキジ白とリンだけ‥‥。
Rin015a.jpg
いや、もうひとり、火事場跡に野ざらしにされていた海岸猫がいた。


大きさからして、あの白骨は仔猫ではなく成猫のものだった。
Rin015.jpg

Rin016.jpg
小屋が火事に見舞われた去年の夏に成猫だったのは、リンを除くとユイ、黒猫、茶トラになるのだが‥‥。


「リン、ほかの子はどうした。それに、火事で焼死したのは誰なんだ?」
Rin017.jpg

Rin017b.jpg
しかし、リンは口を閉ざして何も語ってくれない。思い出したくもない惨事だから緘黙を通しているのか‥‥?。


2日前に初めて顔を合わせたキジ白が姿を現さないのも気になっていた。
あのキジ白はリンやランの児孫ではなく、たまたまこのエリアを訪れたよそ者だったのだろうか。

Rin019.jpg

Rin020.jpg


それまで毛繕いしていたリンが突然その動きを止め、防砂林の奥を凝視したまま身じろぎしなくなった。
Rin021.jpg
猫が何者かの気配を感じ取ったときに見せる仕草である。ただし、猫の視力は存外悪く、0.3程度である。


その代わり聴覚が優れ、なかんずく高音域の聞き分けは、犬の2倍、ニンゲンの4倍、と言われるほど抜きん出ている。
Rin022.jpg
そこで私もリンに倣い、防砂林の奥へ自分の持てる聴力を集中させた。


すると‥‥、防砂林の中から猫の鳴き声が聞こえてきた。
Rin050.jpg
それも「ニャア‥、ニャア‥、ニャア‥」と甘ったれた声が断続的に聞こえてきたのだ。
「先日のキジ白か‥‥?」



ところが、私が注視していた場所から少し左側の防砂林から顔を出したのはキジトラだった。
Rin023.jpg

Rin024.jpg
先日のキジ白同様、私にとって初見の海岸猫である。


全身を現したキジトラは、リンのふたまわり程大きく骨太な体躯をしたオスだった。
Rin025.jpg

Rin026.jpg
被毛の色といい、尻尾の形状といい、この子は間違いなくリンの児孫だと思われる。


そのキジトラの為に、新たにトレイに猫缶を盛ったが、リンが先んじた。
Rin027.jpg

Rin028.jpg
キジトラは、というと、私を警戒して樹木の陰に隠れてしまい、そこからリンが猫缶を食べる様子を羨ましそうな面持ちで凝視している。


と、今度は私の目の前を素早く横切って、植込みの中へ移動した。
Rin029.jpg

Rin030.jpg

Rin031.jpg
リンがトレイから離れ去り、ややあってキジトラが慎重な足取りで近づいてきたが、トレイの中には欠片しか残っていない。


と、そのとき、キジトラと目が合った私は息をのんだ。キジトラの左の眼球が白濁していたからだ。
Rin032.jpg
よく見ると、瞳孔の奥にある水晶体ではなく、手前の角膜が濁っているようだ。だとすると、ケガやウイスル感染などによる角膜炎の可能性がたかい。


私はもう一つ猫缶入りのトレイを用意し、キジトラが逃げないよう注意を払いながら、少し離れたところにそっと置いた。
Rin033.jpg

Rin033b.jpg
ところが、キジトラは僅かしか残っていない猫缶を食べるのに没頭して、なかなか気づかない。


Rin034.jpg
巨漢ゆえに、食べる量も多いはず。このキジトラを賄うボランティアの人の苦労がうかがえる。


Rin035.jpg

Rin036.jpg
この場を立ち去ろうとした段になって、キジトラはよくやく猫缶の入ったトレイに気づいた。


用心深い性格のようで、トレイに慎重に近づいていった。が、中身を確かめると一転、ガツガツ猫缶を食べはじめた。
Rin037.jpg

Rin038.jpg
「ところで、お前の左眼はちゃんと見えているのか?」
会ってからの一連の行動を見ていた私には、キジトラの視覚に支障があるようには感じられなかったのだが‥‥。



このキジトラ、リンの子だろうが孫だろうが、まだ1歳に達していないことになる。なのにこの図体の大きさはどうだ‥‥。
Rin041.jpg

Rin042.jpg
リンの小柄な体からすると、父親が巨体の持ち主だと思われるが、そんな巨漢の海岸猫はにわかに私の脳裏に浮かんでこない。


Rin043.jpg

Rin044.jpg

Rin045.jpg
キジトラは今日会って以降、私のことを終始気にしている。
おそらく、彼なりに「このニンゲンは何者で、ボクらの敵か味方か、どっちなんだ!?」と推し量っていたに違いない。



Rin046.jpg

Rin047b.jpg
そして、キジトラは最後に私を一瞥すると、植込みの中へ姿を消した。


Rin048.jpg

Rin049.jpg
トレイには猫缶を半分程度と一握りのカリカリをよそったのだが、なんとも微妙な残しかたをしていた。


辺りを見回したが、リンの姿も既になかった。
ねぐらだったテント小屋が火災で消失したが、その後決まったねぐらは確保出来たのだろうか?

Rin051.jpg
結局、この日会えたのはリンと巨漢のキジトラだけだった。


scenery005.jpg

scenery008.jpg


私の推測通りなら、リンエリアには10匹以上の海岸猫が生活していた。

なのに2度の訪問で、確認できたのは3匹だけ。野ざらしにされていた子を加えても4匹だ。


これが実際の数だとすれば、激減と表現してもいい減りかたである。

彼らの庇護者だった防砂林に住まう人が居なくなったのが大きな要因だと思うが、果たしてそれだけで説明がつくのだろうか‥‥。


ランエリアへ寄ると、前回と同じようにランはすぐに姿を現してくれた。
Ran001.jpg

Ran000.jpg
しかし、今日もアスカは姿を見せない。
私としてはまだ認めたくはないが、アスカが海岸から居なくなった事実が現実味をおびてきた。



ランの表情も、やはり以前より物悲しく感じる。
Ran002.jpg

Ran011.jpg
私の体験だと、海岸猫の8割ほどが、アスカと同じようにある日突然行方知れずになる。
こういう事例があると、優しい人に保護されて幸せに暮らしている、と無理矢理にでも思い込むようにしている。



scenery007b.jpg

scenery009.jpg


たった2度海岸を訪れただけで、私の心は鉛を呑み込んだような暗然たる思いに沈んでしまった。

病を得た私の心がこれからも海岸猫との交誼を続けることに耐えられるのか‥‥。

そして、そのことを追確認するブログ制作を続けられるのか‥‥。

正直に言うと、私のその答を見付けられずに、心が大きく揺らいでいる。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます


【 コメントに関して 】
◆コメントは承認制です。
◆非公開コメントも可能です。
◆コメント返しは次の更新後にさせていただきます。
◆地名などの固有名詞を記したコメントはご遠慮ください。



関連記事