母性

2010年05月13日 23:48

AM 06:25
湘南海岸は青空が広がる爽やかな朝を迎えていた。
そして雄大な姿を誇示するように、富士がその全容を見せていた。

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海は完全に凪ぎ、微かな波音を立てているだけだ。


ミケは柵の上から道行く人を眺めていた。
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「ミケ、おはよう。今日は気持ちのいい朝だなぁ」
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ミケの顔が微笑んでいるように見えた。


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ミケが華麗に着地を決めた。


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エサ場にサンマの姿はない。
「こんな朝早くから出かけているのか‥‥」



私が振り向くと、ミケが側まで来ていた。
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ミケの身体が朝陽を浴びて白く光っている。


サンマのことが気になったので、近くを捜すことにした。
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隣接するボス母のエサ場。しかし、ここに野良がいる気配はなかった。
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昨日サンマを最後に見た防風林も捜してみたが、無駄だった。


ボスエリア。食器類がカラスどもに荒らされて散乱している。
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ボスの小屋からは古着が引き出されていた。どのカラスもやる事は一緒だ。


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ミケのエサ場に戻ると、ミケは柵の外にいた。
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ミケは眼を瞑り、まるで沈思黙考の体だ。


ミケが今日も爪とぎを披露してくれた。
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ミケの大あくび、これも昨日と同じだ。


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ミケが人通りの少ないサイクリングロードへ歩み出る。
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そして、大胆にも道の真ん中で毛繕いをはじめた。


そのミケの眼が、近づいてくる犬の姿を捉えた。
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ミケは、その二匹の犬が遠ざかるまで眼を離そうとしない。
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私はミケの見送りを受けて、帰路についた。


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PM 04:30
サンマの顔を見ないと、どうも落ち着かない。夕刻、私は再び海岸へ出向いた。

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その頃、湘南海岸の空は灰色の雲に覆われていた。


小屋の中からミケが顔を見せた。
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しかしサンマは、まだ戻っていなかった。


私は防風林の中を西へ向かうことにした。
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私の目的は意外な早さで達成された。サンマと偶然遭遇したのだ。
サンマは防風林を、私とは逆の東へ向かって歩いていた。



そこは昨日サンマを最後に見た、ボス母のエサ場近くだった。
一昨日も、ここでサンマと遭遇した。

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「サンマ!」と私が声をかけると、サンマはおとなしくその場に座りこんだ。


しばらくして「サンマ、帰るぞ」と言うと‥‥
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サンマは素直に私のあとをついてきた。


今日のサンマは、脇目も振らずひたすら私を追ってきた。
横を疾走する人間を振り返ることもなかった。

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エサ場に戻ったサンマは、いつもの場所へ直行し、そしてうずくまった。


しばらくすると、ミケが小屋から出てきた。それを見たサンマが、いきなりミケに近づいた。
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次の瞬間、ミケの姿がサンマの前から消えた。


ミケは遊歩道を横切り、反対側の防風林へ逃げこんでいた。
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同じ失敗をしないように、サンマはゆっくりとミケに近づいていった。


ミケがチラリと振り返り、サンマに一瞥をくれた。
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ミケを見つめるサンマの表情は、いかにも寂しそうに見えた。


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その後、ミケがサンマを振り返ることはなかった。


ミケの態度に落胆したのか、サンマは絶望的な表情でその場を離れた。
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そして、サンマは哀しい声を発しながら、遊歩道をトボトボと歩きはじめた。


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しかしミケから離れたくないのか、5mほど行った所に座りこんだ。


サンマを見つめるミケの眼には、まだ嫌悪の色が残っている。
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最近、私は思うことがある。
サンマがミケに求めているのは、異性としての反応ではないんじゃないかと。
そして、ひょっとしたらサンマが求めているのは、ミケの母性愛じゃないかとも‥‥



ミケとサンマの年齢は教えてもらったが、二匹の出自について、私は何も知らない。
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海岸で生まれたのか、それとも生まれてから捨てられたのか、また母猫の愛情を知っているのか、それとも知らずに育ったのか、術があったら知りたくらいである。


ミケに母性愛があるのは、チビの母親代わりをしていたことで分かっている。
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だが、ミケがサンマに対し同じ母性愛を持つことは難しいと思う。


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水を飲むため、ミケが防風林から出てきた。
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続いて、サンマも水を飲みにやって来た。


そして、サンマがミケの横を通り抜けようとした、その瞬間だった。
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ミケの猫パンチが炸裂したのは。サンマは、そのパンチをまともに食らった。


ほうほうの体で、サンマは潅木の下へ逃げこんだ。
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「サンマ、お前がミケに何を求めているのか知らないが、どっちにしても苦労するな」


サンマの心境を表すように、上空には暗雲が垂れ込めてきた。
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コメント

  1. mimi | URL | tHX44QXM

    WABIさん

    富士山の写真きれいです。

    サンマ君は、ミケちゃんに母性愛をもとめてるんじゃないかしら?
    年齢も違うし、サンマ君は子供ですから。

    ミケちゃん、チビちゃんのことは見れたのに、、サンマ君は駄目なんですね。
    気の毒しか言いようがないです、、サンマ君の可哀想な顔がなんとも。。
    泣いてるように見えます。

    うちの飼い猫のところにも 野良ちゃんが近づいてくるんですが、、
    うちの猫は嫌いみたいでいつも知らんぷりしてます。
    それぞれ感情がありますから仕方ないですね。

  2. wabi | URL | -

    mimiさんへ

    mimiさん、コメントありがとうございます。

    この時期、富士山が姿を現すことはあまりありません。
    昨日は、その富士山が雲ひとつ掛からず、その全容を見せていました。
    早起きした者へのご褒美かも知れません。

    サンマがミケに何を求めているのか、正直私にも分かりません。
    私が分かっているのは、ミケがサンマのことを嫌っていることくらいです。
    しかし、その度合いが日により、また状況によって変わります。
    まあ、猫は元来気まぐれですから仕方がありません。
    またmimiさんが云うように、猫もそれぞれ感情を持っていますからね。
    しばらく二匹の様子を観察するつもりです。

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