共棲

2010年05月15日 23:56

PM 03:35
今日の湘南海岸も、昨日同様雲に覆われ、肌寒い午後を迎えていた。
それでも休日とあって、海岸はバーベキューを楽しむ人たちで賑わっている。

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こんな天気にも関わらず、烏帽子岩と重なり、大島がその島影を現していた。


私は柵の陰から、そっとエサ場の中を覗いてみた。まず、ミケの後姿が目に入った。
ミケエリア100515-01.jpg
この時、私の存在をミケは気づいていない。


左に目を移すと、サンマがいた。
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サンマの視線の先には、ミケがいる。


私は、エサ場に足を踏み入れた。サンマが驚いたように、私を振り返った。
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昨日の豹変振りを知っている私は、念入りにサンマを観察した。
しかしその表情からは、何も読み取れなかった。私には、平常のサンマに見えた。



サンマがいきなり動いたので、思わず身構えたが、私の勘違いだった。
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サンマは、咽の渇きを癒したかっただけだ。


そのサンマの様子を、ネット越しにミケが見ている。
ミケエリア100515-05.jpg
ミケの表情は、いつもより険しい。昨日の今日だ、それも仕方がない、と私は思った。


私がしゃがむと、ミケはそっと足元に寄ってきた。
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水を飲み終えたサンマが、いつの間にかミケとの距離を詰めていた。


この時、私はサンマから嫌な雰囲気を感じた。
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そこで、ミケをエサ場の外へ誘った。


大あくびをしながら爪研ぎをはじめたミケだが‥‥
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あくびをし終わると、爪研ぎも止めてしまった。
「何だ、あくびのついでに爪を研いだのか?」



私はサンマの様子を見にいった。サンマは、さっきの場所から一ミリも動いていない。
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眼を閉じ、ジッとしているサンマからは、何の変化も感じられない。
「サンマ、寝てんのか?」



独りでいることが不安になったのか、ミケが小走りで私に近づいてきた。
ミケエリア100515-11.jpg
そして私の足元に座り込んだのだが‥‥


その場所は、サンマの眼の前だった。
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サンマが、そのことに気づいているのかいないのか、表情からは窺えない。


先にそのことに気づいたミケが、サンマから遠ざかった。
ミケエリア100515-13.jpg
すると、サンマがゆっくりとミケのあとを追ってきた。


サンマの気配を感じているはずのミケだが、何故か動こうとはしない。
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なかなか側を離れないサンマに、ミケも無反応ではいられなくなった。
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ミケは小さな鳴き声で、サンマに拒絶の意思を伝えた。
その鳴き声に、いつもの迫力は微塵もなかった。



その時、猫好きおじさんがやって来た。
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おじさんは、自分のバッグから猫缶を取り出した。


腹が満たされているのか、それともサンマが側にいるせいか、ミケはおじさんのエサに口をつけようとしない。
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エサをやり終えた猫好きおじさんは、すぐにエサ場から出ていった。
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私が振り向くと、ミケの姿はなかった。


ミケのことなど関係ないとばかりに、サンマはそのあともエサを食べ続けた。
「サンマ、お前は一生、木には登れないぞ」

ミケエリア100515-19.jpg
そしてエサのほとんどを食べてしまった。
これだけの食欲があれば、少々鼻水が出ているくらいで、サンマの健康を心配する必要などないと思った。
他のエサ場や漁港近くには、サンマより重症の野良がいる。
救われるのは、そっちが先のはずだ。



風景100515-02.jpg


私のあとを追って、ミケが防風林の奥へやって来た。
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とにかく今日のミケは、私にまとわりついてばかりだ。まるで金魚のフン状態。
おそらく昨日のことを、まだ引きずっているのだろう。



だから、サンマへの警戒を緩めることもない。
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今日のミケは場所を移動すると、必ずサンマの居場所を確認している。


それでも不安になると、安全地帯である私の足元に擦り寄ってくる。
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「ミケ、このままじゃお前もストレスが溜まるだけだなぁ」


ミケが急に走り出した。その時、私にはその理由が分からなかった。
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だが、すぐにミケの行動の訳が分かった。それは、サンマの接近だった。
どうやら、サンマの小さい脳味噌の中にあるスイッチがONになったようだ。



潅木の下に身を隠したミケだが、サンマに対して効果があるとは思えなかった。
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二日続けて、ミケを松の木に登らせる訳にもいかない。私は二匹の間に割って入った。


それを見たサンマは、仕方なさそうに踵を返した。
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そして、いつもの甘ったるい声を発しながら、防風林の奥へ去っていった。


そのサンマを見つめるミケの眼は、いつも以上に険しいものだった。
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その眼には、いつもの嫌悪に加えて、憎悪が込められているように感じた。
ミケとサンマ‥‥‥、果たして、このまま一緒に暮らしていけるのだろうか?



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