奇妙な関係

2010年05月17日 23:56

AM 06:20
湘南海岸は爽やかな朝を迎えていた。
凪いだ海にサーファーの姿はなく、砂浜に釣り人がいるばかりだ。
靄に霞んだ富士は、まるで中空に浮いているように見えた。

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この数分前、私はサイクリングロードで、ゆきママさんとばったり遇った。
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たまにしか会えないゆきママさんとの立ち話も、私にとっては貴重な時間だ。


指定席である柵の上で、ミケが私を迎えてくれた。
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「おはようミケ、朝はやっぱり気持ちがいいなぁ」


サンマは少し離れたところから、ミケを見つめていた。しかし、いつもとは違っていた。
意外なところに、サンマが座っていたからだ。

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サンマが柵の上に登ることは滅多にない。
「どうしたサンマ、お前が柵に登るなんて珍しいなぁ」



まさか、ミケに対抗して登ったわけでもあるまい。
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二匹は、しばらく柵から下りようとしなかった。
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先に柵から下りようとしたのは、ミケだった。
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今日の着地は、贔屓目に見ても華麗とは言えない。


その着地の減点分を穴埋めするかのように、ミケが力の入った爪研ぎをはじめた。
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ミケの表情は、まるで笑っているようだ。


ミケの爪研ぎはさらにつづいた。
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着地の減点分を補うに余りある、見事な爪研ぎだった。


一方サンマは、柵の上から下りようとしない。この場所が気に入ったのか‥‥?
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それとも、下りたくても下りられなくなったのか?


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そこへ、dodoさんがやって来た。
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そしてミケとサンマにレンズを向け、シャッターを押す。


私の目の前に、いきなり懐かしいワンちゃんが現れた。ハナちゃんだ。
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そこで、久し振りに『無理やりアップ撮影』をした。
ハナちゃんは、戸惑い顔を見せたが、尻尾は振りつづけていた。



いつの間にか柵から下りていたサンマが、エサを食べはじめた時だった。
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遊歩道の奥から、大型犬が現れたのは‥‥


次の瞬間、ミケとサンマは柵の上にいた。
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「金曜日にはいい波が来るかもしれない」と言い残し、dodoさんは帰っていった。


大型犬が見えなくなっても、二匹は柵から下りてこない。
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柵の上のサンマを見て思った、私がエサ場を訪れる直前にも、同じことがあったのではと。


サンマが見つめる先には‥‥
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同じような格好のカラスがいた。


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ついにサンマは柵の上にうずくまり、眼を閉じてしまった。
「サンマ、お前も羽が欲しいだろ?そうすれば松の木にだって登れるぞ」



ミケは、そんなサンマを置き去りにして、とっくに柵から下り、私の足元にいた。
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しばらくして、サンマが立ち上った。


そして、ミケの眼の前で柵から下りはじめた。
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見事な着地だった。今度は、ぜひ木登りに挑戦して欲しいものだ。


緊張で咽が渇いたのか、サンマは水をたらふく飲んだ。
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水を飲み終えたサンマが、毛繕いをしていると‥‥
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ミケが近づいてきた。


そして、サンマに向かって、小さな声で何かを訴えはじめた。
猫語が不得意な私は、ミケが何を言ってるのか皆目解らない。

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ミケはサンマの応えを待っている。


しかし、サンマに応える意思はないようだ。
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すると、ミケの眼つきがにわかに険しくなった。


しばらくすると、ミケは呆れたような表情でサンマから離れていった。
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首を傾げるサンマ。どうやら、ミケの言ったことが、サンマにも解らなかったようだ。


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サンマが、ミケの側にあるエサを食べはじめた。
すると、ミケがまたサンマに向かって、何かを訴えはじめた。

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ついには、叱り飛ばすような大きな声を上げた。


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サンマは、一瞬たじろぐが‥‥


エサの魅力には逆らえず、その後も食べつづけた。
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ミケは複雑な表情を見せている。
毎日様子を見ている私にも、この二匹の関係がどう言うものだか、未だつかめていない。



その時、Tさんがエサ場の前を通りかかった。
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このTさんも、海岸の野良達を長年見つづけている。


Tさんと話していると、犬を連れた初老の女性がいきなり割って入ってきた。
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連れていた犬は、当たり前のようにTさんに押しつけた。
Tさんは、否応なしにリードを受けとった。



そして今度は、私に向かって矢継ぎ早に質問をしてきた。
「この猫はエサをもらっているの?寝るところはあるの?避妊手術はしているの?」
不躾な態度に少々閉口したが、私はその女性の質問に丁寧に応えた。

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すると、その女性は「そう、良かった」と言い残して去っていった。
女性の後姿を見ながら、Tさんが一言言った。「変わった人だ」



私はTさんと一緒に、エサ場をあとにした。
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コメント

  1. Kiryu | URL | T2RJUesU

     wabiさん、おはようございます。

     サンマくん、柵の上に登れるんですね。
     以前は柵にも登れなかったように覚えているので驚きました。
     練習すれば木登りもできるかもしれませんね。
     ミケちゃんと一緒に柵の上にいるのは絵になっていました。
     ミケちゃんとサンマくんの「奇妙な関係」を毎回、楽しく読ませてもらっていますが、今回はその距離が縮まっているように思えました。

  2. wabi | URL | -

    Kiryuさんへ

    Kiryuさん、コメントありがとうございます。

    最初にサンマが柵へ登った経緯は分かりませんが、二度目は所謂「火事場の馬鹿力」的なことだと思います。
    今までサンマが柵に登ったのを二度見た記憶がありますが、二度とも犬の接近が原因でしたから。

    ミケとサンマの力関係は日々変わっています。
    それが良い事なのか、悪い事なのか分かりませんが、二匹が一緒に暮らすには必要なのでしょう。

  3. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    こんにちわ。

    猫語はなかなか理解不能ですよ~(笑)
    猫を15年飼っていても、、なかなか理解できないことが沢山あります。。

    ミケちゃん、きっとサンマ君を躾けようとしているんじゃないですかね?
    私のご飯たべるな!な~んて。
    でも、サンマ君は趣味が食べる事のようなので、、無理でしょう。

    二人の関係、、wabiさんの記事とても興味深いです。


  4. へたおば | URL | -

    あれ?珍しいですね。
    更新されてないなんて・・・
    もしかして、具合が悪いですか?

  5. wabi | URL | -

    返信

    mimiさんへ

    mimiさん、コメントありがとうございます。

    以前、犬の鳴き声を翻訳する玩具があったと記憶しています。
    あれの猫版を作ってくれるとありがたいのですが‥‥(笑)

    野良の先輩でもあるミケが、サンマを躾けるという発想は面白いですね。
    今度から、そう言う目で二匹を観察してみます。



    へたおばさんへ

    私の身体の具合まで心配して頂いて恐縮してます。
    具合は悪くありません。
    ただ、とんでもない時間に寝てしまっただけです。(笑)

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