献身

2010年06月19日 00:00

6月19日 PM 04:20
私は2日ぶりに湘南海岸を訪れた‥‥ある目的を持って‥‥。

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休日の海岸は、この時刻でも多くの人で賑わっていた。


皮肉なものだ‥‥会いたいと願った時には会えず、願っていないと遭遇する‥‥。
海を眺める人をよく見ると‥‥Iおばさんだった。
この時刻にIおばさんが海岸へ来ることは稀な事だ。

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実は、このブログにコメントを寄せてくれたニャン丸さんのお母さんとIおばさんは知り合いだった。
ニャン丸さんのお母さんが、ミケの事をIおばさんに知らせてくれていた。
だから、私はここ数日のミケとサンマの様子を伝えるだけで済んだ。
「もう、あのエサ場には行きたくない」とIおばさんが言った。
それは、私も同じだ。



私には、どうしても直接会ってミケの事を伝えたい人がいた。
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その人は、この隘路の奥に住んでいる。


私が長靴おじさんの小屋を訪れるのは、これが三回目になる。
先の二回はチビ太郎を届けにきた時だ。
ミケは、このおじさんの小屋でしばらく暮らしていた。その辺の経緯は『ミケの過去』に詳しい。

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どうやらおじさんは在宅のようだ。
私は小屋に向かって「おじさーん、いるかーい!」と声をかけた。



長靴おじさんは髭を剃っている最中だった。
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ミケが重篤であることは、私のブログを見た人から聞いて知っている、とおじさんは言った。
しかし私が、ブログの記事に未だ書けない診察結果と最近のミケの容態を話すと、おじさんの顔色が変わった。



最近チビ太郎は、おとなしく小屋にいると言う。
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「おいチビ太郎、遊び相手がいなくなって寂しいか?」


「お前も犬には気をつけろよ」
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この場所でも、毎日白い犬を連れてきてリードを放すヤツがいる、と言う。
さらに「その度にコイツは松の木に登るか、俺にしがみつくんだ」と言った。
私が「今度そいつ来たら、怒鳴ってやればいい!」と言うと、おじさんは下を向いて黙った。
怒鳴りたくても怒鳴れないおじさんの弱い立場に思い至った私も‥‥同じように口をつぐんだ。



長靴おじさんが名を呼ぶとチビ太郎はすぐに歩み寄っていく。
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おじさんは、そんなチビ太郎を膝に乗せた。
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膝に乗るチビ太郎を、私は初めて見た。


チビ太郎はおじさんに甘えている。
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頼れるのはこの人しかいないと、分かっているように‥‥。


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チビ太郎も眼を病んでいる。強面に見えるのはそのせいだ。
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5年前、長靴おじさんに拾われた仔猫の時からチビ太郎の眼はこうだったと言う。
「だから、コイツは捨てられたんだ‥‥」とおじさんはつけ加えた。



幸い進行する病ではないので、チビ太郎が失明するようなことはないと言う。
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私達の話し声を子守唄代わりに、チビ太郎は眠ってしまった。


私は長靴おじさんに暇乞いを告げた。
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するとおじさんは「もしミケが逝ったら、俺の所へ連れてきてくれないか」と独りごちるように言った。
私は言下に「そうする」と約束した。



おじさんは私の背中に向かって「ありがとね」と言うと、チビ太郎を抱いて小屋へ入っていった。
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サイクリングロードでKさんと遭遇した。
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それから私達は、ミケとサンマの事で長い時間話しこんでしまった。


結局、Kさんとの立ち話は1時間近くに及んだ‥‥
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6月17日 夕刻のつづき
ブースカさんが帰った直後、再びミケの口から水を催促する音がした。
今度もねこタカイさんがすぐにミケの口元に水を差しだした

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水を飲む時のミケの表情は、相変わらず険しい。


おそらくミケは、自分の本能の赴くまま水を飲んでいるのだろう‥‥生きるために‥‥
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水を飲み終えたミケは、再び力なくソファーに横たわった。
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ねこタカイさんは、こうして朝からひとりミケに付きっ切りで看病を続けている。
その姿をモニター越しに見ていた私の目頭は、何故だか少し熱くなった。



薄く開かれたミケの眼は、何を見ているのだろう‥‥?
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「ミケ、頑張れよ‥‥またおじさんの膝に乗って一緒に海を眺めよう‥‥」


スープ状の食事ならミケは口をつける。
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しかし、ミケはそのスープを残した。


ねこタカイさんが、ミケの口の周りを丁寧に拭き取る。
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ミケが、そのねこタカイさんを見つめている。
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ミケは分かっているのだろう‥‥献身的に尽くしてくれるねこタカイさんのありがたさが‥‥


その後もミケは眠るわけでもなく、かと云って立ち上がるわけでもなく、ただその場に横たわっていた。
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ミケが動くのは、尿意を催した時だけだ。
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隣に敷かれた専用シートまで歩いていき、そこでオシッコをする。


ミケの可愛い寝姿を見ると、よけいに切なくなってしまう‥‥
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そこへ、仕事を終えたねこみどりさんが帰宅した。
ねこみどりさんは、すぐにミケの側へ駆け寄ってきた



タカイ夫妻は毎日、協力してミケに点滴をしている。
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でも、ねこタカイさんはこの点滴が苦手だ。ミケが可哀相でうまく針が刺せないからだ。
この時も、誤って自分の指に針を刺してしまった。
鮮血に染まったねこタカイさんの指を見た私は、胸がいっぱいになった。



点滴を終えたミケに、ねこみどりさんが優しく語りかけている。
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私は心の中で言った「ねこみどりさん、ミケは分かっていますよ‥‥おふたりの気持ちが‥‥」





以下、ねこタカイさん撮影。
6月17日 PM 09:52
この直後、ねこみどりさんはこのままの格好で眠ってしまったと、あとからねこタカイさんに聞いた。

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コメント

  1. Kiryu | URL | T2RJUesU

     wabiさん、おはようございます。

     チビ太郎って甘えん坊だったんですね。
     いつもは番長っぽいチビ太郎が、とてもかわいく見えました。

     ねこタカイさん、みどりさん、ありがとうございます。
     ミケちゃん・・・頑張って。

  2. manatsu | URL | -

    ミケ。がんばれーーーーー!!!また、私のカバンであそんでよーーーーーーーーーーー!!!!
    サンマ元気かな???

  3. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    おはようございます。

    長靴おじさんのこと、ちょっと心配していたので、安心しました。
    チビ太郎の膝乗りをみると可愛いですね、今迄は怖い猫と思っていましたが。
    犬のリードを放している人達どうにかしてほしいです(怒)

    ねこタカイさん、みどりさん 毎日お疲れさまです。

    ミケちゃん頑張ってね。

  4. miiko | URL | pUy0aQDE

    涙が出ました

    はじめまして 

    野良猫の事を検索していたら
    ココにたどり着き
    さかのぼって読ませていただきました 

    読んでいて涙が止まりませんでした

    全国にいる野良猫ちゃんの中でも
    サンマちゃんやミケちゃんは
    ホントにイイ人に囲まれ
    愛されてとても幸せだと思います

    こういった活動をされている
    wabiさんやwabiさんの周りの方ばかりがいれば
    動物虐待と言う問題は減るんだろうなと
    考えさせられました・・

    ミケちゃんサンマちゃんの回復を心から願っています

    長々とすみませんでした

  5. wabi | URL | -

    返信

    Kiryuさん、manatsuさん、mimiさん、miikoさん、
    コメントありがとうございます。
    個別に返信できないこと申し訳なく思っています。
    皆様の温かいお言葉がどれだけ我々の励みになっているか‥‥
    これからもミケとサンマを力一杯護っていきます。

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