優しい猫

2010年11月26日 06:45

2010/11/26 AM06:45 雨上がりの湘南海岸。
昨夜からの雨はすっかり上がったが、厚い雲が居座り、日の出を見ることは叶わなかった。

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富士の頂きにかかったレンズ雲が朝日を浴びて、茜色に染まっているのが見えた。


船宿エリア
船宿へ通じる道に入ったとたん、枯れ草の中に一匹の野良を発見した。

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それは、カポネだった。
「カポネ、ずいぶん早いなぁ。こんな早朝からもう出張ってきたのか?」と、私が声をかけてもカポネにこれといった反応はなかった。



母猫が私の姿を見て、近づいてきた。
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シロベエはいきなり私に走り寄ると、最近太目になったその体を執拗に擦りつけてきた。
「シロ、悪いけど今朝はお前にかかずらっている暇はないんだ」と私は言い、シロベエを軽くいなした。



「いた!」
昨日の夕刻に突然出現した三毛猫は、家に帰らず室外機の上に独りでいた。
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ここに棲む野良たちは、そんな三毛猫を一瞥するだけで近づこうとしない。


独り離れたトコロに佇む三毛猫。
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昨日は眠れたのだろうか‥‥?捨てられて間もない三毛猫にとって、見知らぬ場所での一夜は気が抜けなかっただろうと想像された。


カポネは水場の縁に座り、静かに三毛猫を見やっている
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母猫の表情は何故か険しい。若い三毛猫への対抗心からか‥‥?


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誰にも相手にされない三毛猫は、いかにも寂しそうだった。


そのとき何処から現れたのか、マサムネがゆっくりと三毛猫に近づいてきた。
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三毛猫はそんなマサムネを警戒し、低い声で威嚇しはじめた。


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そしてマサムネの接近を拒絶するかのように距離を置くと、マサムネに背を向けて座り込んでしまった。


それから三毛猫は、マサムネを顧みることなく無視しつづけた。
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そんな三毛猫に、マサムネは無理に近づかず、あくまでも穏やかな表情を浮かべている。


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三毛猫はマサムネに付かず離れず、一定の距離を保っている。
明らかに三毛猫はマサムネを意識していた。



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不意に通行人が現れると、三毛猫は慌てて物陰に隠れた。


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通行人が行き過ぎたことを確かめると、三毛猫は再びマサムネに近づいていった。


三毛猫が通行人に気を取られている隙を狙うように、マサムネはやにわに近づくと、そのまま鼻を近づけた。
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そして‥‥マサムネと三毛猫は、道路の真ん中でぎごちなく挨拶を交わした。


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マサムネの優しい気持ちを目の当たりにした私は、鳥肌が立つほどの感動を覚えた。


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マサムネは、三毛猫に何を伝えようとしたのだろう?
そしてそれは、三毛猫にちゃんと伝わったのだろうか‥‥?



せめてマサムネの優しい気持ちだけでも三毛猫に伝わることを、私は願ってやまない。
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マサムネと挨拶を交わして気を良くしたのか、三毛猫がおもむろに茶トラへ近づいていく。
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だが相手が悪かった。この茶トラは、誰にも心を開くことがない。


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三毛猫は茶トラと交誼を結ぶのを諦めたようだ。


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いきなり見知らぬ場所へ遺棄されたのなら、三毛猫の頭は混乱しているはずだ。
そして、どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか、戸惑っているはずだ。
しかしいずれ飼い主が、自分をこの場所から救い出してくれるだろうと、信じているはず‥‥



三毛猫は辛抱強く待っている‥‥つい最近まで暮らしていた暖かい家に戻れるときが来るのを。
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そんな三毛猫の物悲しい背中を、マサムネがじっと見つめていた。

<つづく>



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コメント

  1. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    おはようございます。

    マサムネ君、ほんと優しいね!
    きっと三毛ちゃんにマサムネ君の心が伝わりましたよ。

    でも、三毛ちゃん、何があったのかはわかりませんが、
    可哀想ですね。
    すべての猫を保護できるわけではありませんが、
    もともと飼い猫だった猫を捨てるのは猫ちゃんにとってつらいですね。
    三毛ちゃん、頑張ってね。

  2. siba | URL | -

    先日のワンちゃんのその後はわかりますか?
    気になって…

    ネコちゃんたちには捨てられたとしても
    生きる権利が与えられているのに
    って考えると
    人を信頼しながらも消えて行く…
    かも知れない命を
    せめて見届けたく思います。

  3. Kiryu | URL | T2RJUesU

     wabiさん、こんばんは。

     首輪をした犬に続いて首輪をした猫。
     無性に悲しくなりますね。
     
     マサムネ、新入りの三毛猫に優しくしてあげてね。

  4. はな | URL | -

    wabiさん
    こんばんは。
    マサムネは他の子を思いやれる本当に優しい子ですね。
    感動しました。
    ミケちゃん、首輪をしているのが一層哀しく感じます。
    おそらく外で過ごす初めての冬になりますね・・・
    みんなが元気で過ごせますように。

  5. wabi | URL | -

    返信

    mimiさんへ

    マサムネの態度にはいつも感心します。
    状況に応じた適切な対応、相手の気持ちを忖度する優しさ‥‥
    人間でもなかなかできることではありません。

    飼い猫をこの季節の海岸へ遺棄することが、どれだけ残酷なことか‥‥
    もしそれを承知で捨てたのなら、あまりに可愛そうです。
    まだ若い猫なので、誰かに保護されれば、と願っています。



    sibaさんへ

    拾得者としての権利を放棄した私に、迷い犬の情報が伝えられることはありません。
    ただ私も気になったので、あの日以来動物保護センターの収容犬公示を見ているのですが、
    私が保護したゴールデンの情報は、今までのところ載っていません。
    これを、どう取るか‥‥

    私としては、迷い犬が収容されてすぐに飼い主に引き取られたので、公示されていないと思っています。



    Kiryuさんへ

    首輪は何の保障にもなりません。
    ただ飼われていた名残を留めるだけの輪っかです。

    マサムネが三毛猫に対して今後どういう対応をするのか、しばらく見守りたいと思っています。



    はなさんへ

    マサムネの優しさは特筆モノです。
    私が知る猫の中では一番穏やかで優しい猫です。
    生粋の野良であるマサムネに何故こんな優しさが宿ったのか‥‥
    私は興味が尽きません。

    三毛猫がこのエリアで暮らしていけるかどうかは、彼女自身の協調性にかかっています。
    今はまだ、自分の置かれた状況を呑み込むだけで精一杯のようです。

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