病魔と闘う猫 その参『齟齬』

2011年01月14日 06:47

『扁平上皮癌』読者の方も聞き慣れない病名だと思う。
因みに、私にとってこの病名は初耳だった。

知人のメールには、この癌の特性が記されていた。
人間の舌癌に似て再発率の高い癌で、最終的には肺に転移して命を奪う、と。

ミリオン-01.jpg
そして猫の中でも白猫がよく発病するとも。根治には患部の摘出手術しかない。
写真でミリオンを診断した横須賀の医師が、実費のみで施術してくれると、メールは結んでいた。





私はミリオン保護のために独り始動した。
それは、湘南が梅雨明けする数日前のことだった。





私はまず、ミリオンを世話するボランティアの人たちの了解を得ることから始めた。
Iおばさん‥‥Hさん‥‥皆快くミリオンの治療に同意してくれた。

ボランティア.jpg
さらに、ミリオンに係わる人たちにも協力を請うた。


次に私は、ミリオンの信頼を得ることに専念した。
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それには、ミリオンのエサ場へ毎日通うしかなかった。



私は文字通り、ミリオンのエサ場へ日参し始めた。



何人もの人から食事を与えられているミリオン。
ミリオン100713-01.jpg
その彼女に、少しばかりの食べ物を持っていっても歓心を得ることはできない。


ミリオン100713-02.jpg
私はミリオンに気持ちを込めて話しかけ‥‥心の扉が開くのを静かに待った。


ミリオン1007-01.jpg
推定年齢10歳のミリオンはこのエリア最後の生き残りである‥‥野良として生き抜く術の全てを持ち合わせている彼女はさすがに手強い相手だった。


そして‥‥、湘南海岸に本格的な夏が到来した。
夏到来10-01.jpg


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浜辺で楽しむ人たちを横目に、私は相も変わらずミリオンの元へ足繁く通った。



そんな蒸し暑い日の夕刻だった‥‥ミリオンの態度が一変したのは。



ミリオン-00.jpg
エサ場へ入った私の横を、ミリオンがすり抜けていったのだ。


そして、私を妖しい眼で見つめた。
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私が名を呼ぶと‥‥


ミリオンは、私の足にすり寄ってきた。
ミリオン100723-01.jpg


ミリオン100723-02.jpg
ミリオンが私に心を開いた瞬間だった。




そんなミリオンの姿を見た読者が、相次いで訪ねてきたのもこの頃だ。




まず東京からmomoさんがやって来た。
momoさん01.jpg


そしてやはり同じ東京から、はなさんとおなかさんがミリオンを訪ねてきた。
はなさんおなかさん01.jpg


海岸100714-03.jpg
私のミリオン詣では、その後もつづいた。


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私を見つめるミリオンの眼は、ずいぶんと穏やかになっていた。


ミリオン1007-03.jpg
ミリオンと私の距離は確実に縮まっていった。




そんな時だった‥‥ミリオンの病名を知らせてくれた知人から宅配便が届いたのは。




薬-01.jpg
中身は海岸猫のためのクスリだった。


この中のステロイド系のクスリは炎症を抑える効能があり、ミリオンのために送られてきた。
薬投与01.jpg
それを飲み易いようにスライスチーズで包み、ミリオンに差し出した。


薬投与02.jpg
するとミリオンは、あっさり嚥下した。




医師の指導で、後の手当てを考え手術は涼しくなってから行うことになった。
そのあいだ、このクスリで症状を抑えようというのだ。





投与期間は、1ヶ月を指示されていた。
薬投与03.jpg


それから私は、クスリ入りのチーズを持って、毎日海岸へ足を運んだ。
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薬投与04.jpg
ミリオンはそのクスリ入りチーズを、毎回素直に嚥下してくれた。


薬効果01.jpg
そのクスリの効果は意外と早く表れた。
ミリオンを世話する人たちから「血が出なくなった」「耳を引っ掻かなくなった」などの声を聞くとゆきママさんが教えてくれたのだ。





気を良くした私は、蚤や疥癬などの寄生虫を駆除するクスリを滴下することにした。
だがこれがミリオンとの間に大きな亀裂と作る結果となった。






レボリューション投与01.jpg
いつもと違う私の行動と、強烈なクスリの臭いにミリオンは敏感に反応した。


ミリオンは、エサ場の奥へ逃げこんでしまった。
レボリューション投与02.jpg
クスリは滴下できず‥‥さらにミリオンに疎まれるという最悪の結果になってしまった。




その日を境に、私がエサ場へ行っても、ミリオンは姿を現さなくなった。



<つづく>



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コメント

  1. manatsu | URL | HmNaqfsU

    うちも同じでした。

    うちの白猫ちゃんが亡くなった病気と同じです。
    うちは19歳と高齢だったのと、腎不全が重なり手術できませんでした。
    同じ、白猫ちゃんですね。

  2. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    manatsuさんへ

    ミリオンがお世話になっている先生の話だと、この癌は白猫の発症率が高いそうです。
    幸いミリオンは無事手術に堪えることができました。
    翌日には食事する元気があったそうです。

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