一足早い春

2011年02月26日 21:12

湘南海岸への入り口だ。海岸に出るたび、私の胸はいつも期待で膨らむ。
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船宿エリア
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船宿前に着いた私を真っ先に迎えてくれたのはシロベエだった。


シロベエは小さな声で啼きながら私の脚に体をすり付けてきた。
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後脚を脱臼して船宿へ戻ってきた当初は人を怖れていたシロベエも、最近はそのトラウマを徐々に癒している。


マサムネと目が合った。
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私を見つめるマサムネの眼は前回と同様何故か険しい。


指定席に陣取ったコユキは表情を硬くし、遠くを見つめている。
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コユキの視線辿ると‥‥一匹の猫の姿があった。


よく見ると、それは釣餌屋の母猫だった。
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私の姿を認めた母猫は足早に去っていった。


母猫とすれ違うように見知った野良が姿を現した。
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カポネだ。


カポネはいつもの調子で悠然と船宿へ近づいてくる。
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そして手前の駐車場でいきなり寝転がった。


陽射しで温められたコンクリに、カポネは気持ち良さそうに体を擦りつける。
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船宿前に歩を進めたカポネは周りをジロリと見回すと‥‥
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そのまま踵を返した。


私が声をかけてもカポネはシカトを決めこみ振りかえりもしない。
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「アイツ、いったい何をしに此処へ来たんだ?」


最近の不可解なカポネの行動を訝しく思っていた私はすぐにあとを追った。
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カポネは先日と同じように夕陽に身を晒していた。


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そしてカポネは傍にいる私を顧みることもなく毛繕いを始めた。


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側にきた新入り子猫にも全く関心を示さず、カポネはただひたすら毛繕いをつづけている。


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まだ痒いのだろうか、カポネは頭の傷跡を何度も何度も撫でまわした。


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頭のカサブタは今にも剥がれそうだ。私は引っ張りたい衝動を抑えるのに必死だった。


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毛繕いに専心していたカポネが突然顔を上げて何かを凝視しはじめた。


カポネの視線の先には、シロベエがいた。
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そこは国道のすぐ脇だった。「アイツ、あんな所で何やってんだ‥‥?」


カポネは視線を戻すと、再び毛繕いを再開した。
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「おいカポネ、何でそんなに身綺麗にしてるんだ?」


新入り仔猫はそんなカポネの側から離れようとしない。「やはりカポネの落とし胤なのか‥‥?」
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その新入り仔猫がつと顔を上げた。


釣られて私が振りかえると‥‥
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こちらの様子を窺っているコジローが見えた。


ここにも覗き趣味の野良がいる。
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それにしても‥‥こっちに尻を向けてマサムネは何をしているんだろう‥‥?


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カポネの体は以前よりずっとキレイになっていた。
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重油に前足を突っ込んだあとのカポネは薄汚れてみすぼらしかったものだ。


「カポネ、最近船宿に寄り付かないのは何故なんだ?」
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その理由はこのあと明々白々となった。



カポネに一足早い『春』がやってきたのだ。


元々船宿エリアの野良ではないカポネは去勢されていない‥‥。
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カポネが捜し求めているのは釣餌屋の母猫だろう。
しばらくの間、哀感のこもったカポネの鳴声が聞こえていた。



振りかえると、シシマルがすぐ側まで来ていた。
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そのシシマルの顔には、あのね‥‥さっきまでずーっと船宿で待っていたんだけど、カポネばかりに構ってなかなか戻ってこないもんだからボクが皆の代表で迎えに来たんだ。それでね‥‥お腹減ったから、猫缶持ってたら欲しいんだけど‥‥、とはっきり書いてあった。


私は船宿へ戻り、猫缶を開けた。
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皆一様におとなしく食事をつづけた。
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この日も新入り仔猫の食欲は旺盛だった。
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食べ盛りのこの仔を満足させるにはいったどれだけの猫缶が必要なんだ‥‥?


食事を終えたマサムネと目が合った。
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猫缶を貰っておきながら、マサムネの私を見つめる眼は相変わらず険しい。
「マサムネ、訳を言えよ、訳を‥‥」



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釣宿の屋根の上に登った一匹の野良‥‥。
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このエリアで高いトコロが大好きな野良といえば‥‥。


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コジローしかいない。


しかしさすがのコジローも行き詰まった。
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仕方なく、後退る。


そして、いきなりダイヴ!
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最後は、フルブレーキ!


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以前は端正な面差しで『浜の伊達男』『船宿のクールガイ』などと称されたコジロー‥‥。


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ところが数ヶ月前から漁港へ出向いては、そこに棲む野良を追いやって食事を横取りするようになるとその様子が変わってきた。


「コジロー、よく顔を見せてくれ」
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悲しいかな、今のコジローには伊達男やクールガイなどの二つ名は当て嵌まりそうもない。


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「コ、コジロー、悪いことは言わない、ダイエットしろ!ダ・イ・エ・ツ・ト~~!」


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カポネに一足早くやって来た春の足音が微かに聴こえたような‥‥気がした。



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コメント

  1. あと半分。 | URL | -

    こんばんわ。(^^)

    カポネ!頑張れよ~♪
    ・・と、応援したくなりました。v-410

    こちらでもオスたちは頑張っています。
    春の足音が聴こえて来ましたね。v-252

  2. きょう | URL | -

    こんばんは

    私も近くにいたら、カポネのかさぶたを剥がしたい気持ちを抑えるのに必死でしょう(笑)
    カポネの傷、きれいに治ってきてますね^^
    ヨカッタ。

  3. syoko | URL | sH7FMugQ

    「かさぶた」私も剥がしたくてウズウズします~v-398

    「カポネの事情」が悪い出来事じゃなくて、ホッとしました。
    「恋」をすると、猫も人間も身だしなみに気を使うところは一緒ですね。

  4. Mint | URL | -

    空がきれいv-238

    野良猫の生命力が強いv-218

  5. いちこ | URL | -

    こんにちは。
    カポネは正真正銘の男の子だったんですね。
    毛繕いも念入りにして、男前です^^
    悪い事じゃなくて、ほっとしました。

    それにしてもコジローの顔(^pq^)
    ププッと吹き出してしまいました~

    今日もありがとうございました。

  6. nakayoshi 2号(♂) | URL | -

     wabiさんキュウさん、きのうはホントにお疲れ様でした♪♪。

     小さい子が相手ですとどうにもこうにも・・・・・ですね。。。。

     ・・・・まぁ、悪気はないのでしょうけれども、なにぶん話して理解を得るのもまだまだ難しい年齢ですし。。。。

     ニャンコもボクたちも思わぬ強敵の出現に退散を余儀なくされてしまったようですw♪♪♪。



     きょうは夕方近く(16時くらい)に行ってみましたけれど、ミケだけしかいませんでした♪♪、

     みんなどこかにコモってたようです♪♪♪。

  7. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    今日は冷たい雨でしたね、、猫ちゃん達も寒かったでしょうね。。。

    カボネ段々と以前の風格になってきましたね。
    傷も治ってきているようだし、、安心です。
    毛繕いの後の写真はいいお顔してますわ。
    春の季節なんですね、、カボネ去勢しなくていいかしら??

    コジロー、太ってきましたね!まるまるして可愛いです。

  8. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    あと半分。さんへ

    カポネは高齢ですから、どこまで頑張れるか‥‥疑問です。(笑)

    一雨毎に春が近づいている感じです。
    でも、まだまだ寒いですが‥‥。



    きょうさんへ

    カポネの傷は今にも毛が生えてきそうなくらい回復しています。
    後脚の傷も治り、以前のカポネに戻りました。

    あとは春が来るのを待つばかりです。



    syokoさんへ

    自分のカサブタなら間違いなく剥がしていますね。(笑)

    それにしても、思い掛けない怪我、前足に重油、そして発情と、カポネも忙しい野良です。



    Mintさんへ

    カポネの回復力には驚くばかりです。

    重油の汚れもほぼ取れ、元の体に戻りつつあります。



    いちこさんへ

    カポネはエリアの野良ではないので、手術は受けていません。

    この日は本当に念入りに毛繕いしていました。
    やはり人間と同じで恋の季節にはお洒落に気をつけるみたいです。

    コジロー太りました。



    nakayoshi 2号(♂)さんへ

    おふたりこそご苦労様でした。

    野良たちも動きが読めない子供は苦手のようで、あの後も近づいてきませんでした。

    やはり雨の日は皆何処かに避難しているのでしょうね。

    また海岸でお逢いしましょう。



    mimiさんへ

    災難続きだったカポネも以前の姿に戻りつつあります。
    ただ表情はずいぶん穏やかになりました。

    家猫になれるならカポネも去勢手術をした方がいいと思います。
    カポネ年齢は不明ですが9~10歳位だと、まだ手術に耐えられるでしょう。

    マサムネほどではありませんが、コジローも太りました。

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