穏やかな夕暮れ時

2011年03月03日 14:00

湘南海岸には強い寒風が吹きつけ、カメラを持つ手の感覚を奪い去っていく。
海岸110221-01.jpg


船宿エリア
船宿110221-01.jpg
船宿前にはただ独りシズクがいるばかりだった。


そこへシズクの息子であるマサムネとコジローが姿を現した。
船宿110221-02.jpg
毛色の似ているこの兄弟‥‥マサムネが2年早く生まれたが、おそらく父親は同じだろうと思われる。


気だるい面持ちのミイロが姿を見せた。
船宿110221-03.jpg


ふと振りかえると、駐車場に船長さんがいた。
船宿110221-04.jpg
船長さんはクロベエの体を調べている。私が近づくと「ずいぶん毛が抜けてるね、このクロ」と船長さんは心配そうに言った。


クロベエは少し前から皮膚に炎症を起している。一時回復したのだが、最近再び抜け毛がひどくなっていた。
船宿110221-05.jpg
船長さんが釣宿へ帰ろうとした時だった。


カポネが姿を現したのは‥‥。
船宿110221-06.jpg
「カポネ、今日はどうするんだ?船宿へ行くのか、それともまた釣餌屋の母猫のあとを追っかけるのか?」


カポネは私に答える代わりに、船宿へ真っ直ぐ向かっていった。
船宿110221-07.jpg
そのカポネを可愛い訪問者が迎えた。


そこへHさんがやって来た。
船宿110221-08.jpg
猫は好き?、と二人の女の子にHさんは優しく語りかけた。


珍しく”両雄が並び立っていた”。
船宿110221-09.jpg
「シシマル、カポネ、お前ら、ずいぶん打ち解けているじゃないの‥‥」


しかしよく見ると、シシマルとカポネの間には微妙な距離があった‥‥まだこの時は。
船宿110221-10.jpg


カポネの頭のカサブタは一部剥がれている。
船宿110221-11.jpg
いや、正確に言うと、カッターなどの鋭利な刃物で切断されていた。
「いったい誰が‥‥?」



カポネの傷跡より気になったのは、コジローの顔だ。
船宿110221-12.jpg
「コジロー、お前いったい何処へ顔を突っ込んだんだ?」私がそう尋ねても、コジローは恥ずかしそうに顔を伏せて応えようとしない。


そこへシロベエがやって来た。脱臼した後脚に筋肉が付いてきたのか、シロベエの歩行は当初より幾分滑らかになっている。
船宿110221-13.jpg


Hさんが食事の用意を始めると、野良たちが周りに集まってきた。
船宿110221-14.jpg


クロベエも気になって近づいてきた。
船宿110221-15.jpg
しかしすぐには水場にやって来ない。


何故ならクロベエを敵視するミイロが水場の側にいるからだ。
船宿110221-16.jpg
言っておくが、ミイロに恨まれるようなことをクロベエは一切していない。ミイロがこのエリアに現れたときから何故かクロベエを目の敵にしているのだ。その理由を知っている者は誰もいない。


クロベエにも猫缶が配られた。
船宿110221-17.jpg
その猫缶をアイが横取りすると、クロベエが遠慮がちに前脚で制する。心優しいクロベエにしては珍しい行動だ。


そのクロベエのいつにない気迫に押されたのか、アイは素直に引き下がった。
船宿110221-18.jpg


カポネの食欲は最近になく旺盛だ。
船宿110221-19.jpg
カポネの恋の季節は終わりを告げたのだろうか?


この日もミイロは食欲がないようだ。「具合でも悪いのか‥‥?」
船宿110221-20.jpg
Hさんもそんなミイロが気になって仕方がない様子だ。


猫缶のお代わりを貰うカポネ。
船宿110221-21.jpg
それをアイが横から奪い取る。それでもカポネは怒りもしなければ排斥もしない。


「カポネもずいぶんおおらかになったものだなぁ‥‥」
船宿110221-22.jpg
腹を満たしたコジローが歩き去ってゆく。


他の野良も各々の行き先へ去っていった。
船宿110221-23.jpg
カポネも腹が満たされたようだ。


ところがカポネはいつもとは逆の西へ向かって歩きはじめた。
船宿110221-24.jpg
どうやらカポネの『春』は終わったようだ。


そこへ仲良し夫妻が船宿を訪ねてきた。
船宿110221-25.jpg
するとカポネが船宿へ引き返してきた。


奥さんがすぐさまカポネへ駆け寄っていく。
船宿110221-26.jpg


ところがカポネは奥さんの手を振りほどくと、東へ歩き去っていった。
船宿110221-27.jpg


夫妻が引き止めてもカポネは歩みを停めようとしない。
船宿110221-28.jpg


そこで最後の手段とばかりに、ご主人がカポネを抱きかかえた。
船宿110221-29.jpg
私以外にカポネを抱く人をはじめて見た。
ご主人は「カポネの場合は抱くと言うより移送だね」と笑って言った。



本人は不愉快な思いをしているかもしれないが、カポネの表情は思いのほか愛らしい。
船宿110221-30.jpg
それでもカポネの意志は固く、地面に降ろされると振りかえりもせず東へ去っていく。
カポネの『春』が終わったのかどうか‥‥私は分からなくなった。



Hさんと奥さんが何やら親しげに立ち話をしている。
船宿110221-32.jpg
あとで奥さんが「話を聞いたら、Hさんと家が近いのよ」と言った。


腹を満たされたはずの野良たちが、奥さんの周りに集まってきた。
船宿110221-33.jpg


船宿110221-34.jpg
警戒心の強いコユキが人の手から食べ物を貰うなんて‥‥にわかには信じられない光景だ。


だが、一際警戒心の強いサビ三毛はさすがに一筋縄ではいかない。
船宿110221-35.jpg
それでも人との距離はずいぶん縮まっている。


船宿110221-36.jpg
奥さんは船宿へ近づけないクロベエにもわけへだてなく食べ物を与える。


その精悍な容貌とは裏腹に穏和で心優しい黒猫‥‥クロベエ。
船宿110221-37.jpg
「お前ならすぐにでも家猫になれるのになぁ‥‥」


船宿のクールガイと呼ばれたコジローもすっかり手懐けられている。
船宿110221-39.jpg


船宿110221-38.jpg


船宿110221-43.jpg
船宿の野良たちへ沢山の愛情を与えてくれた仲良し夫妻が帰って行く。


兄弟が揃って所在無げに佇んでいる。
船宿110221-41.jpg
それにしても、と私は思った。かつてのクールな印象を失ったこの野良は最近すっかり三枚目の役回り担うようになってしまった。「いいのかそれで、コジロー?」


ここにも最近ますます影の薄くなった野良がいる。
船宿110221-42.jpg
茜に染まった西の空を眺めながら何を想っているのか‥‥。
主役の座を取り戻す算段でも練っているのだろうか?



風は強かったが、この日の船宿エリアはあくまでも穏やかだった。
海岸110221-02.jpg
こういう平穏な日が続くことを‥‥私は心から願った。



ブログランキングに参加中
気に入って頂けたら下のバナーをクリックしてください
にほんブログ村 猫ブログ 野良猫へ
いつも応援ありがとうございます

関連記事
スポンサーサイト


コメント

  1. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    お疲れさまです。

    カボネのかさぶた、きっと短いほうがいいと
    思って切ってくれたんだと思いますよ。
    段々と以前の風格になってきたので安心です。

    コジローの顔どうしたんでしょうね?
    汚れてますが、可愛いですね!! 

  2. nakayoshi 2号(♂) | URL | -

     
     
     
     大正解です♪♪♪、

     

     ボクが切っちゃいました♪♪♪、

     

     浮いているカサブタが引っかかって、まだくっついている根元までムシレちゃいそうだったんです♪♪。

     勘がスルドいですね~♪♪。

     

  3. nakayoshi 1号(♀) | URL | -


     ちなみに、切り取ったほうのカサブタは記念にちゃんと保存してます。

     自販機の右の室外機の下のブロックの一番右の穴の中の石の下に隠してあります。

     

     文中の写真の『 赤とオレンジのニット帽のヒト 』、

     ちょっと頭が弱そうなイタいヒトに見えますけれど・・・・・、

     でもその通りなんですww。

  4. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    mimiさんへ

    今回のコメント欄にあるようにカポネのカサブタをカットしたのは
    nakayoshi 2号さんでした。
    理由もmimiさんのご賢察どおりです。

    コジローの顔についていたのは煤でした。
    探求心の強い野良ですから、何かを探して顔を突っ込んだのでしょう。
    コジローらしいです。



    nakayoshi 2号(♂)さんへ

    やはり人為的なモノでしたか。

    あまりにキレイな切断面でしたのでそうではないかと思っていました。

    確かにあの状態では本人もさぞ鬱陶しかったでしょうから、カポネも喜んでいると思います。



    nakayoshi 1号(♀)さんへ

    カポネのカサブタ、説明どおりの場所にあるのを確認しました。

    ただ大事なモノではないとはいえブログで発表したので、念のため別の場所へ移しました。

    欲しい人がいれば抽選で進呈しようかな‥‥。(笑)

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)