畏怖の念

2011年03月13日 08:01

2011/03/12
相模湾に出されていた大津波警報が午後になって津波注意報へ変更された。

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浜辺に人影は見えないが、サイクリングロードには散歩する人やジョギングする人の姿があった。





頬を撫でる風は冷気を含んでいるが、上空には青空が覗いている。
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午後の陽射しを受けた海はうららかな風情で眼前に広がっている。
ただ私の海への印象は昨日を境に明らかに変わってしまった。



漁港近くにある釣宿は軒並み固くシャッターを閉めている。
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昨日封鎖されていた漁港への入り口は警報の解除を受けて解放されていた。


船宿エリア
注意報に緩和されたが、海岸線に近い他のエサ場を訪れるのは控えることにした。
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船宿前にはマサムネ独り所在なさげにうずくまっていた。


前方に目を遣ると、アイが足早に近づいてくるのが見えた。
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地震直後には姿を見せなかったアイ。「お前も無事だったか‥‥」


新入り仔猫はミイロ寄り添っている。
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その新入り仔猫の表情に昨日は気づかなかった不安の翳りが見える。


コンテナの側にはコユキの姿も見える。
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地震直後には姿を見せなかった野良たちも1日経って落ち着きを取り戻したようだ。


その時、いきなりミイロが駆けだした。
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見ると、クロベエの姿があった。


クロベエも昨日は姿を見せなかった。
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「クロベエ、お前も無事だったか」気の優しい野良のことだから、地震の際はさぞ怯えただろうと思われた。


私は船宿を離れ、昨日行けなかった漁港へ向かった。
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その途中、漁港近くの空き地にぽつねんと佇んでいるコジローと遭遇した。


「コジロー、勘がいいお前のことだから無事だと思っていたよ」
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私の足元では、あとを追ってきた新入り仔猫がしきりと鳴声を上げている。


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ミイロも私を追って漁港まで来ていた。


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いきなり現れたミイロたちに驚いたのか、コジローは眼を瞠った。


この漁港にはキジ白とシャムミックスが仲良く暮らしている。
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新入り仔猫は明らかに様子がおかしい。
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さっきから不安げな鳴声を発しながら金魚のフンよろしく私のあとを追ってくる。


我々の気配を察したのか、キジ白が船の陰から姿を現した。
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ミイロもそのキジ白の接近に気づいたようだ。


そして‥‥二匹は対峙した。
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身を低くし臨戦態勢をとるミイロとキジ白。


新入り仔猫も側面からミイロを掩護するつもりなのか‥‥?
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一触即発と思われたが、ミイロが突然その場を離れこちらに歩いてくる。


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キジ白は臨戦態勢のままミイロから一瞬たりとも眼を離さない。


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どうやら特攻隊長ミイロもアウェーではさすがに分が悪いと判断したようだ。


離脱したミイロに代わり新入り仔猫がキジ白と向き合うことになった。
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新入り仔猫を見つめるキジ白は複雑な表情を作っている。


次の瞬間、キジ白は思い立ったように体を起すと‥‥
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やおら歩きはじめた。


そして後ろも振りかえらず、キジ白はゆっくりした歩調で去っていった。
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何にせよ、キジ白が元気な姿を見せてくれて安堵した。


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そのキジ白を見送るミイロの表情は険しい。


誰かに見られている気配を感じ辺りを見回すと、物陰からこっちの様子を窺っているマサムネの顔があった。
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「何だ、お前まで来ちゃったのか‥‥」


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もう一匹のシャムミックスの姿を求めて付近を捜したが、発見できなかった。





防波堤があるとはいえ、此処はやはり海に近すぎる。
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「おい、船宿へ戻るぞ!」私がそう声をかけると、野良たちは素直にあとに従った。


マサムネはいち早く駆け出し、一気に高みに登ると我々の方を振り向いた。
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そのマサムネが待つ高みにミイロも駆けあがる。


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マサムネの視線を辿ると、コジローがすぐ側にいた。


我々が漁港にいる間何処かに潜んでいたのか‥‥?
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「コジロー、一緒に船宿へ帰ろう」


私の言葉が通じたようで、海を背にコジローが船宿へ向かって歩きはじめた。
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ふと見ると、我々を出迎えるクロベエの姿があった。


船宿前に野良たちが徐々に集まりはじめた。奥にシロベエの姿も見える。
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持ってきた猫缶とカリカリを野良たちに与えた。
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今日のミイロは食べ物に一切関心を示さない。
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一方食べ物を眼の前にした新入り仔猫は、俄然元気を取りもどした。


腹を満たしたコジローはそそくさと船宿から離れていく。
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コジローはコンテナの上へ登ると辺りを悠然と眺めはじめた。
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「コジロー、もし津波が来たらお前の好きな高いところへ登れよ。そこじゃダメだ、もっともっと高いところだ‥‥」
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私が海岸への行き来によく使う通りだが、この辺りは海から600mほどしか離れていない。
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今回三陸海岸を襲ったのと同じ津波に襲われたら、ここも壊滅的な被害を受けることは間違いない。
そう考えるだけで、私の目には街の風景が全く違うものに見えてくる。






それにしても今回の津波災害について、政府関係者や防災関係者から『想定外』という科白が頻繁に出るが、いったい何を根拠に弾き出した〝想定〟なんだろう?
もし高だか数十年の観測結果を元に想定して、どんな津波も防げる堤防などと胸を張っているなら楽観的すぎる。
46億年という地球の歴史から見れば数十年の観測など殆ど役に立たないのだから。


人間は自然に対してもっと畏怖の念を抱くべきだ‥‥。
そして更に謙虚になるべきなのだ。
でないと、犠牲になった人が浮かばれない‥‥。


皆さんも人間の造った建築物や構造物に頼らず、津波の報せがあったら躊躇わず逃げてください。
そしてその時は愛するペットたちも連れて行くことを忘れないで!


さらに核分裂さえも自在に操れると慢心した結果がこれだ‥‥。


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コメント

  1. ito | URL | -

    BBCニュース、何て言ってるんですかっ?
    こんな映像が絶対にある筈なのにテレビで見てなくて探してました。
    偉い人たちは口を揃えて『想定外』と言ってますが『目先の利益が大事で都合の悪い事は見て見ぬ振りをしてきました』って自白に聞こえます。
    『人間は自然に対してもっと畏怖の念を抱くべき』本当にそう思います。
    私が今こそ化け猫がいるべきだと思うのは、それです。
    自然に対する畏怖、畏敬の念は忘れ去られてしまったのでしょうか。
    もう日本人は農耕民族ではないからでしょうか。
    いつもと変わらない日常の日本海側で、怒りと悲しみに包まれてます。

  2. ルーシー | URL | Kbxb6NTI

    無事でしたか

    恐る恐る・・・・・。
    こちらのブログを見てみました・・・。
    猫さんたちとwabiさんが無事かどうか。

    今、ホッとして、ほんと涙も出ないくらい安堵の気持ちでいっぱいです。
    春か夏ごろに茅ヶ崎までコジロー君達に会いに行きたいと思っていたので、
    今回の災害を知った時は血の気が引いてしまいました。
    でも、ほんとに無事でいてくれてありがとう!!

    被害にあわれた方や動物たちにはご冥福を祈るばかりです。

    うちには4匹の猫がいますが、人間は2人。
    災害時は、もちろん連れて逃げるつもりですが、
    阪神大震災の時も、怖がって素早くクローゼットに逃げ込んでしまっていたので
    これから、何かがあった時の為に、
    1人2匹づつ、素早くキャリーに詰め込む練習をしなければと思っています。


    wabiさん、これからしばらく気が抜けないと思いますが、
    どうぞ、お気を付け下さい。

  3. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    おはようございます。
    ブログ更新お疲れさまです。
    wabiさんの猫ちゃん達への愛情がとても感じられます。
    チビちゃんは、はじめての地震だったので怖かったんだと思います。
    船宿の猫さん達が何事もなかったので安心しました。
    物陰からのマサムネがなんだか可愛いです。

    他の猫ちゃん達も無事でいますように。。

    まだまだ余震が続くようなので、おきを付けくださいませ。

  4. izumin | URL | -

    動物レスキュー情報について

    なにかありましたらブログやtwitterでUPしますので
    よろしくお願いします。メインにはなりにくいですが
    家族同様の方々のお気持ちをお察しいたします。

    非営利愛護団体を入れました
    【拡散希望】災害緊急時情報をお役立てください!どんどん追記してます!!!http://ameblo.jp/izumin-dreamlover/entry-10829079463.html

  5. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    itoさんへ

    無責任なようですが、BBCニュースで何を言ってるのか分かりません。
    申し訳ありません。

    自然が相手では人間の近視眼的な想像力なんて何の役にも立ちません。
    もちろんいくら想像を逞しくしても自然が更にその上を行くこともあります。
    だからどんな堅牢な建造物でも所詮人間の造ったモノだと謙虚に考え、常に自然を畏怖して事に望むべきです。



    ルーシーさんへ

    茅ヶ崎も酷く揺れましたが、幸い市内の被災状況は軽微でした。

    全ての海岸猫たちの安否を確かめたわけではありませんが、
    姿を見せてくれた野良たちは怪我もなく息災でした。

    たしかにペットを飼っていると災害時の避難も困難が伴いますね。
    それに避難所はペットを収容してくれませんから、その後のことも気掛かりです。
    でも被災時はそんな事を考えている暇もありません。
    どうかご自分の身の安全を第一に、そして次に愛猫たちの安全を考えてください。

    日本が元の平穏な姿を取り戻したら、是非海岸猫たちに逢いに来てください。



    mimiさんへ

    船宿の野良たちは一見変わりがないように感じましたが、チビの様子を見ていると
    やはりナーバスになっているようです。
    動物は異変に敏感で、余震の際は夜にも拘らずカラスたちも騒ぎだします。

    マサムネは意外とお茶目な面があり、じゃらしで誘うとじゃれついてきます。

    余震、放射能、大規模停電と東京も様々なクライシスが予想されますので、
    mimiさんも十分ご留意ください。



    izuminさんへ

    有益な情報ありがとうございました。

    リンク切れしているサイト以外を転載させていただきました。

    追記を確認するためにちょくちょくお邪魔させていただきます。
    宜しくお願いいたします。

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