マサムネのツボ

2011年03月21日 11:30

2011/03/19
3連休の初日とは思えないほど湘南海岸は閑散としている。

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東日本大地震以来、波があってもサーファーは海に入らなかった。
日頃から海に親しむ彼らは今回の津波被害に心を痛め、海への畏怖の念をさらに強くしたのかもしれない。
私は大地震以来、初めてサーファーの姿を見た。



船宿エリア
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クロベエは前日と全く同じ場所に佇んでいた。「クロベエ、ココがお気に入りみたいだな」


私が声をかけると、マサムネは足早に歩き去っていく。
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私を忌避するマサムネの態度に、少々戸惑いを感じている。彼に嫌われるいわれは思い当たらないのだが‥‥。


シロベエがオドオドした態度で車の下から這いだしてきた。
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如何なる原因か分からないが、シロベエは最近仲間から疎まれている。


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特攻隊長のミイロも船宿前にやって来た。


シシマルが唸り声をだしてシロベエを威嚇している。最近こういう場面がよく見られる。
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私が二匹の間に割って入ろうとした時だった‥‥。いきなり新入り仔猫が私の目の前に現れたのは。


それは不思議な光景だった。幼い新入り仔猫が成猫の争いを見事に仲裁したのだ。
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「マサムネよ、本来ならお前の役目だぞ」


ミイロの後ろでシロベエが身構える。
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アイの登場にシロベエは畏まるように身を縮めている。


アイが念のためとばかりに、シロベエへ睨みを利かせる。
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ミイロもそうだが、このエリアの女性は一様に向こう気が強い。


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シシマルとアイ‥‥。今でも十分カワイイが、仔猫の時はさぞや可愛かったことだろう。


でも私はまだ期待している‥‥。
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この子たちなら今からでも家猫になれるのではと。


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そしてすっかり素直になったこの幼い仔も家猫になれると信じている。


私が船宿から離れると、いつものようにミイロが後を追ってきた。そして偶然いたコユキと挨拶を交わす。
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新入り仔猫もか細い鳴声を上げながら私の後についてくる。


すっかり船宿エリアに溶け込んだミイロだが、実は去年の11月25日に首輪を付けられたままココへ遺棄された所謂『捨猫』だ。
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そんな惨い仕打ちを受けても、ミイロはニンゲンを恨むことなく生きている。
‥‥逞しく、健気に、そして懸命に。



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新入り仔猫とミイロは執拗に私の後を追ってくる。


新入り仔猫に至っては私に寄り添って離れようとしない。
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トラとその母猫が棲む釣餌屋は固くシャッターを閉じていた。
因みに大地震以降、私はこの辺りで一人の釣客も見ていない。



ミイロは諦めたようだが、新入り仔猫は何処までも私についてくる。
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強い海風を避けるため、新入り仔猫は竹藪にうずくまった。
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そして‥‥不安げな眼で辺りを見回しはじめた。


私は今月に入って姿を見せなくなった野良を、こうして機会あるごとに捜しているのだが、未だに消息は不明だ。
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「おチビちゃん、船宿へ戻ろう」私がそう言うと、新入り仔猫はいそいそと歩を運びはじめた。


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船宿に戻った新入り仔猫はそっとシシマルにすり寄った。


ミイロも少し遅れて船宿へ帰ってきた。
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此処には新入り仔猫が慕ってやまない仲間がいる。
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やはり時折発生する余震に不安を感じているのだろうか、新入り仔猫はいつも何かに怯えている。
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マサムネに寄り添っていても新入り仔猫の表情には憂色が濃い。


その時、シズクが現れた。
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「どうしたシズク、今日はずいぶん遅かったなぁ‥‥。昼寝でもしていたのか?」


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私に対してつれない態度を見せつづけるマサムネに親愛の情を示すことにした。
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私の急接近を知って、マサムネは眼を剥いた。


ミケもそうだったが、マサムネにも気持ちが良くなるツボがある。
ただマサムネの反応は少々ユーモラスだ。


どうして舌を出すのか、私は分からない。因みに、私は同じ反応を見せる野良をもう1匹知っているのだが‥‥。


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猫缶を取り出すと、新入り仔猫が真っ先に走り寄ってきて、熱い視線を私に送る。


気配を察して、クロベエも船宿へ近づいてきた。
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タイミングを見計らって素早くキャットフードを野良たちに分配する。


マサムネは私が差し出したトレイに見向きもせず、ついと離れてしまった。
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ミイロも眼を閉じ、全く関心を示さない。


そこへ、遅ればせながらコジローが戻ってきた。
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クロベエは仲間と一緒に食べることはない。


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コユキも食欲がないようで、殆ど口にしない。


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コジローは腹を満たすと、もう用は無いとばかりにさっさと船宿から離れていく。


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マサムネはまるでハンストでもやっているように、仲間へ背を向け固く眼を閉じている。
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しかしやはり気になるのか時折仲間を凝視する。


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「どうしたマサムネ、何故食べないんだ、腹は減っていないのか?」


野良たちの食事風景を見たカラスが仲間を呼んでいる。
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〝ニンゲンが食べ物を持ってきたからみんな集まれ~!〟とでも叫んでいるのだろう。


怪我の具合を見ようとしたが、勘の鋭いコジローはそれを察知しコンテナの上に登ってしまった。
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コジローは漁港を自分のテリトリーにしようと目論んでいるようで、漁港で盛んにマーキングしている姿を目撃したことがある。


コジローの傷は、おそらく漁港に棲む野良との争いで負ったものだろう。
「コジロー、お前はこのエリアで普通に暮らせているんだ。これに懲りて他のエリアを侵すのはもう止めとくんだな」
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お前たちだけじゃない、我々人間だってけっして侵してはいけない領域があるんだ。
「ところでコジロー、〝バベルの塔〟って知ってるか?」


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船宿へ戻ってみると、仲間の残り物を黙々と食べるマサムネの姿があった。


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コジローには黙殺されたが、皆さんは『バベルの塔』をご存知だろう。
旧約聖書において、ノアの子孫たちが造ったあの塔だ。

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ピーテル・ブリューゲル作『バベルの塔』

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

世界中の人々は一つの言語で話していた。

人々は西へ移動し、シンアルの地に野を見つけ、そこに定住した。

彼らは「みんなでレンガを作ろう」と話し合った。

石の代わりにレンガを焼き、しっくいの代わりにアスファルトで接合した。

そして彼らは言った。

「町を作って、その中央に天まで届く塔を建てよう。そして有名になって、もう大地に散っていかないようにしよう」

そうして人々は天へ向かって塔を造りはじめた。

すると主なる神が降りてくると、塔のあるこの町を見てこう言われた。

「彼らは皆同じ民で一つの言葉で話しているから、このようなことを企てたのだ。そしてこれは始まりにすぎない。このままでは、彼らは自分たちに不可能なことは何もないと思うだろう。ならば彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が理解出来ないようにしよう」

互いの言葉が解らなくなると彼らは町と塔の建設が出来なくなり、全地へ散っていった。

神によって言葉を混乱(バラル)させられたので、その町の名は〝バベル〟と呼ばれた。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


神との契約を破った我々は、またぞろこの時代に『バベルの塔』を建てようとしているんじゃないだろうか‥‥?

福島原発の放射能を理解する
http://ribf.riken.jp/~koji/monreal.pdf






実は私の部屋にも『バベルの塔』が存在する。
それは、この天井近くまで積み上げられた書籍の塔だ。
ほぼこれと同じ状態の書架が他に三つ‥‥計四つの書架が私を包囲している。

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先日の大地震の時、この書架は前後左右に大きく揺れ、今にも倒れそうになった。
余震が続く現状では如何にも剣呑なので、一昨日の夜書架に収めきれない他の本共々整理しようとしたのだが‥‥。
本を仕舞っていたダンボール箱(30~40㎏)を持ち上げたとき‥‥やってしまったのだ。
〝ぎっくり腰〟を。
私は今まで2回ぎっくり腰を経験しているが、ここ数年はその後遺症である腰痛も影を潜めていたため油断していた。
だからつい不用意に重たいダンボール箱を持ち上げてしまったのだ。
幸い今回の症状は今までで一番軽く、日常生活に大きな支障を来たすほどではないが、常に鈍痛がするし、腰の曲げ具合で激痛が走る。
やはりこれも神の怒りを買ったせいなのか‥‥?

こうなったら養生するしかなく、しばらくは海岸へ行けそうもない。



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コメント

  1. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    おはようございます。

    チビちゃんは、やはり精神的に地震の恐怖が残っているようですね。
    だから誰かについていたんだと。。私も余震が怖くて、叔母の家に避難してます。。と言っても都内ですが。

    マサムネの舌だし、、可愛いし、笑えます。
    ツボにはまったんですね! あのような舌だしの猫ちゃんはじめの光景です。

    コジローの傷はこまったもんですね、早く治るといいですね。

    それよりも、、本のバベルの塔! 
    気をつけないと。 
    ぎっくり腰、痛そうですね。 お大事にしてくださいね。
    何もせず、休養が一番かと思います。

  2. 猫って、なめあいをするので、Wabiさんのなでなでに対して、マサムネはなめ返してるつもりで、べろっちんが届いてないんじゃないですかね?たぶん彼なりに、Wabiさんなめてるんですよ、おかえしに。かわええ。

  3. きょう | URL | -

    こんにちは

    ぎっくり腰、大丈夫ですか?
    私も腰が悪く、不慣れな事をするといつも腰に来ます。
    ヘルニアではないのですが、それに近いものがあります。

    少し休め、という神様からのお達しかも。

    どうかお大事にしてくださいね。

    マサムネのツボですが、ここを気持ちいいと思う猫がいるみたいです。
    うちの子(男の子)もマサムネと同じようにペロペロします。

  4. フロランス | URL | tCxJrYwI

    wabiさん
    今日は
    ぎっくり腰をやわらげるため、こちらはシラタマノキの精油を使っています。ご存知ですか。
    お大事にしてください。

  5. ぎっくり腰

    Wabiさん、ぎっくり腰どうですか?針はいかがでしょう?まぁゆっくり静養していただく神の願いも同感です。が、ぎっくり腰はきついでしょうね。今Wabiさんのブログ、最初から読ませていただいてます。茅ヶ崎の猫はよくなついてるんですね。うちのところは全く駄目。精々私がご飯あげてるときだけ待ってるくらい。もっとも物理的に近づけないんです。でもどこにでも虐待があって、悲しいですね。Wabiさんところの猫は幸せかも。でも私にもいいアイデアがあるんです!今度帰国したら、是非みんなに会いたいな。まだ最初の3月くらいまでしか読んでないのですが、勿論ご存知のように、お水をよく飲むのは腎臓に問題があり?かも。沢山の方たちに見守られて幸せです。うちのこはどうかな?ニューヨークでも皆頑張ってますよ。私はジュエラーですが、強引に?チャリティに作品出してね、と言われてます。はやく痛みがひけばいいですね。私自身は動物救済団体に義援金集めてます。お大事に。

  6. あと半分。 | URL | -

    お大事にして下さい。

    マサムネの舌ぺろぺろ動画!
    可愛くて癒されました~v-410
    気持ち良くて仕方ないって感じですね。

    ギックリ腰・・つらいですね・・
    僕、ヘルニア持ちなのでよく分かります。
    とにかく安静にして、動く時は常に手で支えて下さいね。
    僕、震災の翌日にギクッと来て、今も治りきりません。
    なのでwabiさんの痛み、すご~く分かるのです。v-406

  7. wabi | URL | -

    コメントありがとうございました

    mimiさんへ

    チビにとっては初めて経験した大地震‥‥
    そして毎日のように発生する余震に心細い想いをしているのでしょう。
    この日、チビは私の後を鳴きながら何処までもついて来ました。

    私もマサムネの反応にはいつも楽しませてもらっています。
    如何にも気持ち良さそうにするマサムネを見ていると、こちらまで幸せな気分になるから不思議です。

    お気遣いありがとうございます。
    自分の不注意による奇禍ですので、これを教訓に以後十分留意したいと思っています。



    由加利さんへ

    お気遣い恐縮しています。
    神のお告げと思い、今しばらく静養いたします。

    確かに猫はこちらが愛情を示すと、手や腕を舐め返してきますね。
    優しいマサムネのことですから、そういう反応が自然に出るんでしょう。
    これによって私とマサムネの距離が縮まれば良いのですが‥‥。

    警戒心を持ってしまった野良を慣らすのは難しいです。
    私の知っている野良の中でもいくら世話をしても一向に懐かない子が多くいます。
    でも警戒心は野良が生き延びる術でもあり、あまりに無防備な子を見ると逆に心配になりなります。

    ミケが亡くなった原因は慢性腎不全です。
    後から考えれば、以前からその兆候があった訳で、心が痛んでいます。
    因みに、ミケとサンマの運命が大きく変わるのは2010年の6月1日です。



    きょうさんへ

    そうですか‥‥きょうさんも腰痛に苦しんでいたのですか。
    海岸散策を始めてからは腰の調子も良くなり、
    普段意識することもなくなったため油断していました。

    症状は軽いものの、歳のせいか治りが以前より遅い気がします。
    もっと自分の体を労われという神からの忠告かもしれません。

    やはりマサムネと同じ反応する子が他にもいたんですね。
    腰の辺りのツボは、ミケも気持ち良さそうにしていたのを思い出しました。



    フロランスさんへ

    お気遣いありがとうございます。
    シラタマノキ‥‥私自身は知らなかったので調べると、高山植物のようですね。

    治りが少し遅れていますが、確実に痛みは和らいでいます。



    あと半分。さんへ

    お気遣いありがとうございます。

    マサムネの至福の表情‥‥癒しの効果があると彼が知ったら喜ぶでしょう。

    あと半分。さんも腰痛に苦しんでいたのですね。
    私の場合、10年ほど前に最初のキックリ腰をやり、5年前に2度目を経験しました。
    こうしてみると、ほぼ5年間隔でやらかしています。
    時間が経つとつい油断してしまうようで、今後の反省材料にしたいと思います。

    あと半分。さんもどうかお大事にしてくださいね。

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