見知らぬ猫 その弐

2011年04月14日 21:00

見知らぬ仔猫の側にいると、シシマルが巨体をゆすって近づいてきた。
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シシマルの顔をよく見ると、幾筋もの引っ掻き傷を負っている。
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険しい表情のシシマルとクロベエが見つめる先にいたのはシロベエだった。
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シロベエは相変わらずこのエリアのオスたちと争いを起こしている。それも、見境なしにだ。シシマルに向こう傷を付けたのはシロベエだと、私は密かに思っている。


見知らぬ仔猫は車の下へ身を隠している。
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そして何かを訴えるように時折小さな鳴声をあげる。


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何とかして身の上話を訊いたいところだが、挨拶も交わせないことには如何ともしがたい。


もし帰る家があるなら、早く帰ったほうがいい。
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外で暮らすのは厳しい‥‥それにお前はまだ幼すぎる。


その時、私の目の前にいきなりツバサが現れた。
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ツバサの出現に驚いた見知らぬ仔猫は、再び物陰に隠れてしまった。


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気配を察知したのか、マサムネが側に来てこちらの様子を窺っている。


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チャチャさんが野良たちのために食事の用意をはじめた。


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マサムネは皆と離れたところから、その様子をただ見ている。


普段いがみ合っているシロベエとシシマルも食事の時は休戦する。
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私はそっと船宿から離れ、見知らぬ仔猫のために猫缶を置いた。
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腹が減っていれば、食べるだろう‥‥。


船宿に戻ると、食事にありついているマサムネの姿があった。
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ただ食べるスピードは、いつものようにひたすら遅い。


ミイロは今日も食べ物に無関心だ。
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そのミイロの顔色を窺いながら、クロベエがゆっくりとトレイから離れていく。
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ミイロとクロベエはしばし向き合った。
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しばらくすると、ミイロがおもむろに水場に近づいてきた。


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そしてチャチャさんの差し出したトレイに口をつけた。


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マサムネはまだ食事を続けている。一口一口噛みしめるようにゆっくりと‥‥。


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食事を終えたミイロは、目的でもあるように足早に船宿から離れていった。


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そのミイロの後をクロベエがつけていく。


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日頃ミイロから謂れない疎外を受け続けているクロベエ‥‥ついに業を煮やして反攻に出るつもりか‥‥?


大人しいクロベエがどうするのか、私は事態を静観することにした。
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ミイロはクロベエから眼を逸らしている。


しばらくすると、クロベエもミイロから眼を離した。
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そして何かに思いをめぐらすように、前方を凝視しはじめた。


やがてその場を離れたクロベエは、コンテナの周りをうろつきはじめた。
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このクロベエの行動は、私には理解不可能だ。


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結局ミイロはクロベエをまともに相手にしなかった‥‥。
最近のミイロはある種の風格さえ感じさせるようになった。



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食事を終えたマサムネは、最初に居た場所へ戻った。この水上バイクはこのところ彼のお気に入りのようだ。


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全ての野良が食事を終えると、チャチャさんは帰っていった。


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シズクはそのチャチャさんの後ろ姿をしばらく見送っていた。


船宿前にはツバサ独り残るだけになった。
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そのツバサの表情は寂しげだった。


船宿に姿を見せなかったコジローがコンテナの上からこちらを窺っている。
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にしても、この野良は高いところがホントに好きなんだなぁ、と改めて思った。


高みから眺める人間社会はコジローの眼にはどんな風に映っているのだろう‥‥?
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コジローの鼻の傷もほぼ癒えたようだ。


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そのコジローを見上げるコユキの顔は、まるで神々しいモノでも見つめているようだった。


見知らぬ仔猫はついに姿を現さなかった。
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どうやらこの場所を離れてしまったようだ。「家へ帰ったのだろうか?」


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あの子が此処へ来たのは気紛れだったのか‥‥それとも‥‥。



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コメント

  1. フロランス | URL | tCxJrYwI

    わびさん

     おはようございます。
    見知らぬ子猫ちゃんは捨てら猫ではないか。

    不安な表現で周りを見て、昨日は食事の誘いに勝てなかったが、今日はなにも食べなかった。可愛そうですね。
    私は猫なし生活すると思わなくて、捨猫を見ると寂しいです。

  2. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    フロランスさんへ

    見知らぬ子猫は捨てられたようです。

    この船宿エリアには、世話をしているボランティアのSさんが常にキャットフードを置いています。
    ですからここから離れなかったのだと思われます。
    ここに棲む猫たちにも徐々に受け入れてもらっているようですが、子猫の表情はいつも寂しそうです。
    やはり別れた母猫や兄弟たちのことが心から離れないのでしょう。

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