擬似家族

2011年04月17日 09:00

湘南海岸に吹く風は思いのほか冷たく、まるで季節が逆もどりしたようだ。
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船宿エリア
エリアへ着いた私を、まずシズクが‥‥
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そしてツバサが迎えてくれた。


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マサムネもすぐに姿を現し、私の目の前を通り過ぎる。この野良は人間の愛情を求めて自ら近づいてくることはない。


“媚びない猫”‥‥マサムネを一言で表すと、こうなる。
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マサムネに続いて他の野良も船宿へ集まってきた。


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近づいた私をシカトしたマサムネの視線は、その私を素通りし、そして固まった。




マサムネの真剣な眼差しに釣られて、私はゆっくりと後ろを振り向いた。




そこには、あの“見知らぬ仔猫”がいた。
いつの間に忍び寄ったのか‥‥仔猫と私との間には3mほどの距離しかなかった。

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どうやら、この仔猫に帰るべき家はなかったようだ。


仔猫はおもむろに船宿へ近づいていった。
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アイが無遠慮に仔猫の匂いを嗅ぐ。
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仔猫はアイが遊んでくれると勘違いしたのか、その場で甘える仕草を見せた。


しかし仔猫は独り残された。
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そこへ、何処からかミイロが現れた。
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ミイロは船宿へ近づくと、仔猫の側にしずかにうずくまった。


その様子を離れたところからじっと窺うコジロー。
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“浜の伊達男”は厄介なことにけっして首を突っ込まない。


クロベエが見つめる中‥‥
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仔猫はオシッコをするために船宿を離れた。


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用足しを終えた仔猫は、私のあとを追ってきたミイロとツバサの側にそっと近づいた。


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この子は自分の運命を受け入れたのだろうか‥‥?それとも、まだ折り合いがつけられないまま不安に駆られているのだろうか‥‥?


何処だか分からないが、この子はつい最近まで住む家を持っていたはずだ。
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そして何らかの理由で、その家から此処へ連れてこられ、そのまま置き去りにされたのだ。母親や兄弟と引き離されて‥‥。


ミイロとツバサも数ヶ月前同じように此処へ遺棄された。
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その行為の罪深さを声高に訴えようが、科す罰を重くしようが、ある種のニンゲンはまったく意に介さない。
ましてや罪の意識に苛まれることなどない。



コジローが物陰から仔猫を見つめている。
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クールな“浜の伊達男”もやはり仔猫のことが気になるようだ。


振りかえると、仔猫はミイロとの距離をつめていた。
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まるで母猫に寄り添うように‥‥。


ふと視線を移すと、こっちの様子を窺っている“媚びない猫”の姿が見えた。
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「マサムネ、お前もこの子が気がかりなのか?」


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ミイロに寄り添う幼いこの子を見ていると、とても自分の運命を受け入れているとは言いがたい。


ミイロに母の面影を見ているのだろうか‥‥?
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むろん、このミイロにしたところで、今の自分の境遇に納得していないと思われるが‥‥。


マサムネがさらに仔猫に近づいてきた。
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傷心の仔猫を見て、マサムネは何を想っているのだろう?


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幼い頃の自分の姿を重ねているのか‥‥。


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振りかえった“媚びない猫”に私は言った。「マサムネ、あの子のことよろしく頼むよ」


マサムネは私が言い終わるやいなや体を起こした。
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そして私に背を向けて、ダンマリを決めこんだ。


マサムネが私の願いを聞き入れてくれなくても、心配はしていない。
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このミイロがいるからだ。
ツバサが母と慕うミイロなら、この幼い猫に対しても逞しい母の役回りを担ってくれるのではと、私は密かに期待している。



この若い三毛猫は此処へ遺棄される前には子を持つ母であったに違いないのだ。
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ツバサがいきなり近づき、ミイロにじゃれついた。


するとミイロはツバサに軽く噛みつき、本当の母猫がするようにたしなめた。
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仔猫はそんなミイロたちの側からついと離れた。


此処には母と慕える野良も、父と頼れる野良もいる。
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そして、一緒に遊びに興じてくれる兄弟もいる。


今はまだ隔たりがあっても、じきに家族と認めてくれるはずだ。
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たとえそれが“擬似家族”であっても、いきなり掌を返す非道なニンゲンと暮らすよりずっとましだ。


辺りを見回すと、他の野良も仔猫の周りに集まってきている。
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此処での暮らしはお前が考えているより厳しく、様々な辛苦が待ち受けているだろう。
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でも、めげるなよ!お前には生きる権利があるんだ。そして‥‥幸せになる権利も!



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コメント

  1. ルーシー | URL | -

    仔猫ちゃん、頑張って!!

    ミイロちゃん、仔猫ちゃんの事よろしくね!!
    物悲しそうな仔猫ちゃんの表情が切ないです・・・。

  2. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    ルーシーさんへ

    ミイロならきっと仔猫の母親役を担ってくれると思います。
    ブログ仲間のキュウさんによると、避妊手術を受けると所謂“母性”が無くなりただの“女子”になるそうです。
    でもミイロは母としてツバサに接しているように見えますし、ツバサもミイロを慕っています。
    仔猫もそんなミイロに母の面影を重ねているのかもしれません‥‥。

  3. ニュータイガー8 | URL | NmRVQg7I

    こんにちは

    毎回、期待しながら記事の更新を楽しみにしています
    あの、カポネはどうしたのでしょうか
    カポネのファンだったので寂しい限りです
    私の勝手な想像ですが、つばさはいずれカポネのような
    風格と温かさを感じさせるように成長するでしょうか
    これからもブログ読み続けます宜しくお願いします

  4. ダージリン | URL | -

    みんなが家族

    仔猫ちゃんの表情を見ていると切なくなりますね。
    でも、ここにいる野良猫ちゃん達はみんな家族として受け入れてくれることでしょう。
    wabiさんの存在が、この野良猫ちゃん達にとってはきっと『優しいお父さん』なんですよ^^

  5. シェイド | URL | iAn.OV3g

    ご無沙汰しています。

    何故、捨てるんでしょうね。

    擬似家族でも、誰より痛みの分る家族になれると思います。
    夫々が辛さを知っているから、生きる事の厳しさを共に教えてくれるでしょう。
    良い家族になれることを願っています。

    最後まで飼って欲しいと思いますね。(涙)
    本当に酷いです。何の罪も無いのに・・・。

  6. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    ニュータイガー8さんへ

    カポネの目撃情報は未だ得ていません。
    船宿を訪れる人たちも皆彼のことを心配しています。
    お互い生きていれば、いずれ逢うことができると思っています。

    ツバサもすっかり成長し、成猫の風情を漂わすようになりました。
    ただ親しい人の姿を見ると、甘えた声ですり寄ってきます。
    その様子を見ると、やはりまだ幼いな、と感じます。



    ダージリンさんへ

    私は仔猫の父親にはなれそうもありません。(笑)
    でも船宿には優しい野良がいるので、仔猫も寂しさを紛らすことができるでしょう。
    ミイロがしっかり守っているし、マサムネも温かい眼差しで見つめています。
    いずれ船宿家族の一員として迎えられると思います



    シェイドさんへ

    何故幼い子を捨てるのか‥‥?
    如何なる理由があっても許されることではありません。
    予防手段はあったはずですし‥‥。

    ミイロのツバサも去年の11月に相次いで遺棄された“捨猫”ですから、
    仔猫の気持ちがよく分かるのかもしれません。
    ミイロはしっかり“逞しい母猫”を演じています。

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