越境

2011年05月20日 21:44

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船宿エリア
この日は此処の野良たちにとって受難の日だった。

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何しろ、犬の次に苦手とする“子供”が3人も訪れていたからだ。


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シシマルは緊張した表情で、車の下へ避難している。


本来は人懐こいミイロも、車の陰から子供たちの動向を窺っている。
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遊び盛りのツバサでさえ、小さい訪問者の目に触れないよう身を隠していた。
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臆病なクロベエはにいたっては、船宿から離れたところで嵐が去るのを待つつもりのようだ。
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シズクも船宿から離れた場所で、息を潜めるようにしている。
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そこへ、アイが不安げな面持ちでそっと近づいてきた。


姿を見せたアイを、女の子が手にした食べ物で誘っている。
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しばらく逡巡していたアイだったが、食べ物の魅力には勝てず、おずおずと近づいてきた。


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でも最後まで、女の子の手から直接食べることはなかった。


その様子を離れたところからシシマルがじっと見つめている。
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この野良はニンゲンに媚びることが出来ない。
それがために人から疎まれることもあるが、彼が野良として生きてこられたのもこの気質のお陰である。



船宿に野良たちが寄り付かないので、私は漁港へ出向くことにした。
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いきなり私の目に飛びこんできたのは、緊迫した野良2匹の対峙シーンだった。
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やはりコジローは、今日もココへ越境してきていた。


此処に残った最後の1匹であるキジ白は、“浜の伊達男”に臆することなく立ち向かっている。
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コジローは私の突然の出現に戸惑っている様子。
私が更に近づくと、コジローはバツが悪そうについと視線を逸らした。



そして‥‥、その場から姿を消してしまった。
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するとキジ白が、ゆっくりとコジローのあとを追っていった。


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キジ白は尚もコジローを追尾していく。


コジローは船の下から這いでると‥‥、
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逃げるように去っていった。


キジ白は、そのコジローを臨戦態勢のまま凝視している。
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コジローの姿が視線から消えると‥‥、キジ白はその場に立ち止まり、深追いすることはなかった。


先月、仲の良かった相棒が亡くなり、以来此処で独り暮らすようになったキジ白‥‥。
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そんな傷心のキジ白にとって、コジローの度重なる越境と侵犯はさぞや迷惑なことだろう。


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この野良のことを気にかけている人は、私の周りにも何人かいる‥‥。


漁港を離れようとした私を、コジローは尻尾を垂直に上げ待ち受けていた。
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「コジロー、一緒に船宿へ帰ろう」私はそう言って、コジローを強く促した


コジローは私の言葉に従い、漁港を後にした。
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「コジロー、お前にどんな思惑があるのか知らないが、これ以上あのキジ白の縄張りを脅かすのはやめときな」
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私の言ったことを理解したのかどうか‥‥、コジローの表情が薄笑いを含んでいるように、私には見えた。


それでも私が「コジロー、帰るぞ」と再度促すと‥‥、
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コジローはさっきと同様、おとなしく歩を運びはじめた。


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コジローは私に曳航されるように、一定の距離を保ちながらあとを追ってきた。


そうして本来のテリトリーである船宿エリアへ戻ってきた。
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「なあマサムネ、兄としてお前からもコジローにほかのエリアを侵さないよう忠告してくれないか」
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船宿前で野良たちに食事を与えていると‥‥、1匹の野良が、ほかの野良の死角をつくようにして姿を現した。


それは、あの“キジトラ”だった。
私がほかの野良のためにトレイに盛った猫缶を、キジトラは貪るように食べている。

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やがてほかの野良たちもキジトラの存在に気づきはじめた。


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その気配を敏感に察知したキジトラは、急いで身を隠した。


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まだ猫缶に未練があるのか、キジトラは物欲しそうな顔で皆の食事風景を眺めている。


このキジトラは以前、船宿エリアに隣接する別のエサ場で目撃されていた。
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私もその場所を訪れたことあるが、既にエサ場としては機能していなかった‥‥。
おそらくボランティアの方が、何らかの事情で世話を続けられなくなったのだろう。

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だから、このキジトラは生きるために越境して船宿エリアへやってきたのだ。
コジローの越境とはずいぶん事情が違っている。



シロベエがキジトラに対して威嚇の唸り声を発した。去勢されても、今なおシロベエは好戦的だ。
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そんな張り詰めた雰囲気のところへ、コジローが帰ってきた。


そして‥‥、いきなりキジトラとのご対面となった。
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面倒なことに係わりたくないコジローは、すぐに踵を返して近くの車へ避難した。


その様子をクロベエが緊張の面持ちで見つめている。
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船宿前に歩みでたキジトラは、水場の様子を窺っている。食べ物が残っていないか、探っているのだろう。


しばらくそうしていたが、やがてキジトラは船宿から離れていった。
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そこへ姿を現したのは“特攻隊長”のミイロだった。先日このキジトラをミイロが執拗に追った経緯があるので、私は嫌な予感がしていた。


ちなみに、このキジトラはオス‥‥、それも去勢されていない正真正銘の“オトコ”だ。
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ミイロはキジトラを警戒する様子もなく、ただ見つめているだけだった。
どうやら私の懸念は杞憂だったようだ。



ややあって‥‥、キジトラはトボトボとした足取りで去っていった。
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果たして此処に棲む野良たちが、このキジトラを受け入れる日は来るのだろうか?


その鍵を握っているのは、“特攻隊長”のミイロかもしれない‥‥。
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キジトラが去ったのを見届けたクロベエが、船宿前へやってきた。
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こうしてクロベエも、やっと食事にありつくことが出来たわけだ。


そこへ現われたツバサが、クロベエの様子をじっと窺う。
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いつものツバサなら、とっくにクロベエの猫缶に手をだしているところだが‥‥、今日はぐっと我慢している。


しばらくして腹を満たしたクロベエがトレイから離れると‥‥、
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ツバサは間髪を入れず残った欠片を貪りはじめた。


立ち去ったはずのキジトラが舞いもどっていた。
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キジトラは植込みの中から船宿の様子をじっと窺っている。


この野良は自分がヨソ者であることをしっかり認識しているフシがある。
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そして生きてゆくためには、エサがある此処にとどまるのが最善だと悟っているフシも‥‥。


ともあれ、しばらくはこのキジトラから目を離せそうもない‥‥。
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コメント

  1. みい | URL | -

    キジ白

    wabiさま こんにちは。
    キジ白、私もファンです。鋭い三白眼がかわいいです。誰が見ても「かわいいっ!」というわけではない猫がすごく愛しいのです。3月25日のブログでのアップの写真、勝手ながらパソコンの壁紙に使わせてもらっています。いつも睨んでますよ。相棒がいなくなってさぞや寂しいでしょうが・・優しい方たちの助けを借りて、頑張って天寿を全うしてほしいです。遠くて会いに行けないのが残念です。私が通っている山の餌場。きのうめちゃめちゃにされてました。寝床にと、置いてあったフリースの毛布は泥だらけで、壊れたブロックが無造作に上に積まれてました。人間にしか出来ない事ですよね。悲しいです。
    キジトラの下から2番目の写真、カメラ目線ですごくいい顔してますね。

  2. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    みいさんへ

    漁港に独り残されたこのキジ白のファンは思いのほか多く、
    またブログで取り上げるブロガーさんが幾人もいます。
    私は数えるほどしかここへ通っていないため、未だ心を開いてくれません。
    この子がメスであることも最近知りました。
    コジローの侵犯には心底閉口しているようで、睨み合う場面を何度か目撃しています。

    さて、みいさんが管理しているエサ場が荒らされたとのこと‥‥、ご心痛お察しします。
    私が係わるエサ場も荒らされることがあり、その度に言いようのない怒りと悲しみに襲われます。
    そして誰にも迷惑をかけずひっそりと暮らしている野良たちが、何故こんな目に遭うのか理解に苦しみます。
    みいさんもそんな理不尽な行為に負けることなく、野良たちを守ってください。
    でも無理はしないで、身の危険を感じたら躊躇わずに避難してくださいね。

  3. アルテス | URL | -

    こんにちは=^-^=

    チャッキー(コジロー)が手術済みと聞いて以来、あまり怖くなくなったアルテスです。

    先日ボランが私の目の前でテトラポットにマーキングしつつマロさんに突進して行った時は心底肝を冷やしました(>_<)

    ボランに去勢手術する計画があったら、カンパしたいです!西の方で拠点とお世話してる方がいるそうですが‥

    情報ありましたら是非とも教えてくださいませm(_ _)m

  4. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    アルテスさんへ

    ボランのお世話をしているボランティアの方とは面識があり、去勢手術をしていない理由も知っていますが、
    個人的な情報を含みますので、お手数ですがメールを頂けないでしょうか。
    アルテスさんのブログにコメントすることも考えたのですが、鍵コメが可能か確認できませんでした。

    よろしくお願いします。

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