キジトラ その弐『確認』

2011年05月26日 00:00

キジトラは、2匹いる。
その事実を知った私は、過去の画像データを遡って調べてみた。
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このピンボケ写真を撮ったのが、4月15日。この時が初見になる。


そしてこれは、1週間後の4月22日撮影。
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模様などの特徴から、今回のキジトラと同一だと判る。
便宜上この野良を『キジトラA』と呼ぶことにする。



そして、室外機の下に頭を突っ込んでエサを貪っているキジトラを撮影したのが、5月1日だ。
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改めてよく見ると、先の“キジトラA”と明らかに模様、被毛の長さなどが違っている。
この野良を『キジトラB』とする。“キジトラB”とは、この時が初見。



次にキジトラBが船宿に現われたのは、Iさんが訪れた日だ。
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そしてこれが、先日水場に現われたときのキジトラB。
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私はキジトラ2匹を混同し、1匹だと勘違いしていたのだ。


キジトラBは目撃情報もあり、隣接するテリトリーから流れてきたと推察されるが‥‥、
このキジトラAについての情報は何も得ていない。

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私が初めて目撃してから既に1ヶ月が経つことから、このエリアに棲みついていると思われる。
「本当に‥‥、お前は何処から来たんだ?」



その時、私の側で何やら不穏な空気が流れはじめた。
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いつもは忌避してばかりいるミイロに、クロベエ自ら近づいていたのだ。


私も何度か目撃しているし、またほかの人からも聞いているのだが、クロベエは時折ミイロに反撃を試みている。
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だからこの時も、ミイロに意趣返しをしようと隙を窺っているのだろうと私は思った。


ミイロはそんな思いつめた面持ちのクロベエに一瞥をくれると‥‥、
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大きなアクビをした。さすが“特攻隊長”、肝が据わっている。


奥の草むらの陰からは、物見高いシズクが、2匹の様子をそっと窺っている。
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一見落ち着いて見えるミイロも、やはり緊張しているようだ。そばだてた耳が、それを雄弁に示している。


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と、次の瞬間、ミイロが突如クロベエの眼の前から姿を消した。


振りかえると、ゆっくりクロベエから離れていくミイロの後姿が見えた。
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そしてミイロは、砂利道の真ん中にうずくまった。


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ミイロにしても、闇雲にクロベエへ襲いかかわけではないようだ。おそらく、それなりの理由ときっかけがないと、そういう振る舞いにはでないのだろう。


ところが、その“きっかけ”をミイロに与えてしまうヤツが、ココにいた。
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ツバサは、クロベエにじゃれつこうとしただけなのだが、ミイロはそれを勘違いしたようだ。


ミイロはいきなりクロベエへ挑みかかっていった。
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唖然とするクロベエの眼の前で、限界まで姿勢を低くしたミイロが鋭い威嚇の声を発している。


ミイロの剣幕に気圧されたクロベエは、緊張を和らげるためにそうするのか、ペロリと舌をだした。
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クロベエは明らかにその場から逃れようとしていた。


しかし今ミイロに背中を見せれば、一方的な攻撃を受けることをクロベエは知っているのだ。
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なおも膠着状態がつづく‥‥。


どちらかが怪我をするような結末も予想されたので、私は2匹のあいだに割って入った。
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不承不承ながら、ミイロは引きさがった。


一方、クロベエはというと‥‥、
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肩を落としてトボトボと去っていった。
今回の諍いでクロベエに非があるとすれば、ミイロの近くにいたことくらいだ。



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「ミイロ、どうしてクロベエを目の敵にするんだ。アイツに遺恨でもあるのか‥‥?」


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だがミイロは、私の問いかけに何も応えず、固く眼を閉じてしまった。


ミイロは此処に遺棄された直後から、クロベエを忌み嫌い、敵意を剥きだしにする。
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あのおとなしいクロベエが、ミイロに恨みを買うとはちょっと考え難い。
私はミイロが、過去において係わった黒猫のせいで、トラウマを持ったのではないかと想像しているのだが‥‥。



この日は何故か野良の集まりが悪かった‥‥。
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クロベエはいつものように、皆と離れたところで食事した。


相変わらずミイロは猫缶を食べない。
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ミイロが食べているのは、ノンママさんからいただいた“乾しカマ”という猫用のスナックだ。
つまりミイロは食欲がないわけではなく、ただ好き嫌いが激しくなったのだ。



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後始末は、ツバサに任せておけばいい‥‥。


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仔猫も食事のときに船宿に姿を見せなかった。おそらく釣宿の船長さんにご馳走になったのだろう。


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眠たげな眼つきが特徴のこの子には、嫁ぎ先を早く見つけてやりたいものだ。


兄貴分のツバサが近づいてきた。その悠然とした歩き方は、“オトナ”の風格を感じさせる。
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幼い子たちを離れたところから見つめているミイロ。
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そのミイロが気配を感じ、いきなり振りかえった。


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そこにいたのは、クロベエだった。


さっきのことがあったので、私は気を揉んだが、ミイロはすぐに向き直りそのまま瞑目した。
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それにして‥‥、どうしてそんなトコロにいるんだ、クロベエ!?


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この2匹、敵対していながら、何故かこうして惹きつけられるように近づく。
猫の行動は未だに分からないことだらけだ‥‥。



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キジトラAは、いつの間にか植込みの中から姿を消していた。
「アイツは、ねぐらを持っているのだろうか‥‥?



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仔猫はミイロを母のように慕っている。


ミイロと仔猫‥‥、
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お互い元家猫で、また同じようにココに遺棄された捨猫同士だから、分かりあえる何かがあるのかもしれない。


そこへ、やはり元家猫で捨猫のツバサがやって来た。
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若いツバサは好奇心が旺盛だ。
「そのポストにお前宛の手紙は入ってないぞ」



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人気のなくなった釣宿前で、捨猫トリオは如何にも所在無げだ。


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物憂い夕刻の時が流れるなか、野良たちは一日の終わりを静かに迎えようとしている。


仔猫はミイロの姿を確認し‥‥、
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そしてツバサをかえりみた。


やがて、“母”と“兄”に囲まれた仔猫は穏やかな表情を浮かべた。
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一日の疲れが出たのか‥‥、しばらくすると、仔猫はそっと瞼をおろした。


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3匹の様子を見ていた私は、この平穏がいつまでもつづくようにと願わずにはいられなかった。


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私は彼らの安息を妨げないよう、静かに釣宿から離れていった。


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コメント

  1. mimi | URL | tHX44QXM

    wabiさん

    こんにちわ。

    キジトロさん2名ですね!!
    似ているようで良く見ると違うって感じですね。

    白子猫ちゃん、船宿に来た頃よりもお顔が穏やかになりましたね。
    目が優しくなりました。
    ミイロとツバサと皆さんのおかげですね。
    早くいい里親さんが見つかってほしいです。。

  2. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    mimiさんへ

    2匹同時に目撃出来れば、こんな勘違いはしなかったのですが、
    微妙にタイミングをずらして出現していましたからすっかり騙されました。(笑)

    白い仔猫については、朗報が伝わればブログで発表いたします。
    いい縁があるといいですね。

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