最後の団欒

2011年05月28日 00:00

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船宿エリア
ミイロと仔猫は、釣宿前に停められたトラックの荷台で寛いでいた。
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こんな場所にいるとは思ってもいなかったので、私は危うく見逃すところだった。 


ミイロは大きなアクビをすると‥‥、
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気持良さそうに仰向けになった。


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ミイロが側にいるせいだろう‥‥、仔猫の表情に屈託は感じられない。


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こんな幼い子を遺棄する行為は残虐で許し難いことだし、この仔猫にとっては悲劇というほかない出来事だったが、ただひとつだけ救いがあった。


それは、“母”と慕えるミイロが此処にいたことだ。
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もしもミイロにいなかったら、おそらく仔猫を取りまく状況はかなり変わっていただろうと思われる。


トラックの荷台から降りたミイロは、ゆっくりと歩きだした。
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いったい、あんなトコロに何があるというのだろう‥‥?


ミイロはドラム缶状の車止めに跳び乗ると、頭をその中に突っ込んだ。
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近づいてみると、ミイロは中に溜まった水を飲んでいた。
「ミイロ、こんな汚い雨水を飲むんじゃないよ」私がそう言っても、ミイロは聞く耳を持たず雨水を飲みつづけた。
実際、猫は雨水を好んで飲む傾向がある。



と、次の瞬間、ミイロは突然水を飲むのを中断すると、後ろを振りかえった。
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そのミイロの眼の前を4頭の大型犬が通り過ぎていった。


ふと見ると、コジローがいた。
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どうやら漁港から帰着したところのようだ。


コジローは私と目が合うと‥‥、
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バツが悪いのか、私を無視して足早に釣宿の方へ向かった。


そこへ、ツバサが近づいてきた。
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コジローが釣宿前に置かれた台の上に跳び乗った。
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私はこんなところに食べ物が置かれていることを知らなかった。


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コジローが食べ終わるやいなや、ツバサが食器に顔を突っ込んだ。


ツバサがカリカリを食べるのは稀なことだ。
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いったい如何なる風の吹き回しなのか‥‥、ツバサがカリカリを貪り食べている。


このカリカリは、釣宿の船長さんが野良たちのために置いてくれたモノだろう。
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カリカリ嫌いのツバサに口を付けさせる、このカリカリの正体はいったい‥‥?
今度船長さんに訊いてみよう。



船宿前の様子を見つめるコジローの眼つきは険しい。
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最近のコジローは不用意に船宿へ近づかない。ちなみにコジローが、今もっとも警戒しているのは、シロベエだ。


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ミイロの眼差しもまた、厳しいものだった。


そのミイロの視線の先にいたのは、クロベエだった。
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しかしミイロに見つめられていることを、クロベエは気づいていない。


マサムネは今や定席となった水上バイクの上にいた。
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いつの間に近づいたのか、ミイロが私の足元にうずくまっていた。
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どうやら、ミイロはクロベエとのニアミスを避けて船宿へ来たようだ。
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水上バイクから降りたマサムネが、悠然とした足取りで船宿へ近づいてきた。
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そして、船宿前の砂利道にどっかとその太り気味の体を横たえた。
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船宿の玄関先には、シズクと滅多に姿を見せないサビ三毛が所在無げにしていた。
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ブログへの登場回数が少ないこの三毛猫には、未だ呼び名をつける機会がない。


そのうちミイロも船宿前に姿を見せた。
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期せずして、このエリアの三毛猫3匹がひとつのフレームに収まることになった。


ミイロの後を追ってきたのだろう‥‥、仔猫も船宿前に姿を見せていた。
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ミイロが移動すると、仔猫はすかさず後を追い、そしてまとわりつく。
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念のために言っておくが、この2匹の野良は本当の母娘ではない。
それどころか、2ヶ月前まではお互いその存在すら知らなかったのだ。



仔猫がクロベエの許へ近づいていく。
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そしてクロベエの爪とぎを興味深そうに見つめはじめた。


その気配を感じたクロベエは、とっさに跳びあがった。
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動物の勘で、危険を察知したのかもしれない。


クロベエの勘は正しかった‥‥。仔猫の後ろにはミイロが控えていたからだ。
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仔猫とクロベエの間に少しでも不穏な空気が流れたら、ミイロは迷わず駆けつけるはずだ。


クロベエも今までの経験で、そのことを十分承知しているのだろう。
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幸いなことに、仔猫はミイロにそのきっかけを与えることはなかった。
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船宿の水場には、何故かコジローがいるだけだった。
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いつもなら私が水場に近づくと、小腹を空かせた野良たちが集まってくるのだが‥‥。


その野良たちは今、思い思いの場所で寛いでいる。
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シシマルもその巨体を丸くし、眠っている。


いつもはすぐに姿を消すサビ三毛が、いつまでも居座っているのは意外だったが‥‥。
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シズクも周りを観察することなく、眼を閉じている。


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そして常に食べ物を求めているツバサでさえ、この有様だ。


野良たちの様子は明らかにいつもと違っている。
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ただ、ひとりコジローを除いて‥‥。


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コジローはいつものように落ち着きなく動き回っている。


どうやら私が来る直前に、誰かから十分な食事を与えられたようだ。
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野良たちの様子が如実にそれを物語っている。


腹を満たした彼らが、私に関心を示すことはない。
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ま、何にせよ、今が幸せならそれでいい‥‥。


ミイロが船宿を離れると、ツバサもそのあとを追った。
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しばらくすると、仔猫もミイロの側にやって来た。
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仲むつまじい“母子”の触れ合いを見ている私の心境は複雑だった。
この光景を見られるのも、今日が最後だからだ。



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明日、この野良たちの運命は大きく変わってしまう。
しかしそのことを、この子らはまだ知らない‥‥。




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コメント

  1. アルテス | URL | -

    おはようございます

    えっ!?

    これから何か起こるんですか‥?


    一昨日、マサムネとコジローが連れ立って漁港の様子を見に来ていました。

    マロに飛びかかったりしなければ、孤独が緩和されていいのかな‥などと人間目線で思ってしまっております。

  2. のら | URL | -

    私も心配です。 猫達の住処が侵されなければいいのですが・・・

  3. ルーシー | URL | -

    こんにちは。
    気になって寝れないかも・・・・v-406
    明日起こることが、どうか良いことでありますように。。。

  4. まめはなのクー | URL | -

    続きを読むのが怖い…

     こんにちは

     ノラ猫さんたちの表情には、生きてるんだ!という緊張感と強さを感じます。

     でも、明日…何が起こるんだろうv-12
     いいお話ならいいのですが、なんだか胃が痛くなってきました。怖くて続きが読めそうもありませんよ…どうしましょうv-164

  5. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    アルテスさんへ

    仔猫の見に起こったkとは記事にある通りです。

    マサムネが漁港へ出張るのは珍しいことですね。
    マサムネとコジロー兄弟が自らほかの猫に攻撃するところを私は見たことがありません。
    特にマサムネは優しい野良ですから、その心配はありません。

  6. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    のらさんへ

    仔猫の身に起こったことは悪いことではありませんでした。

    思わせぶりな終わり方、申し訳ありませんでした。

  7. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    ルーシーさんへ

    更新遅くなりましたが、安心して眠ってください。

    記事にも書きましたが、この仔は運が良かったと思っています。
    なかなか野良を保護してくれる人はいませんから。

  8. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    まめはなのクーさんへ

    海岸猫はそれぞれ今を生きるのに懸命です。
    それは彼らが、明日が来ることを信じられないからだと思います。

    ただ仔猫の“明日”は記事にある通り、明るい未来を暗示させるものでした。
    私も良い里親さんが見つかることを願っています。

  9. れおまま | URL | mQop/nM.

    気になって仕方無かったのでコメントを…と思ったら、
    どうやら子猫ちゃんが保護された様ですね。
    子猫にとっては良い事ですが、
    子猫がいなくなった後のミイロがせつないですね。
    一緒に保護ってのは、やはり無理なんでしょうね。

    私も猫を2匹飼ってますが、猫を捨てる事ができる人達、信じられません。
    どうして安心しきって信頼してくれてる猫達を裏切る事ができるのでしょうか。

  10. wabi | URL | -

    コメントありがとうございます

    れおままさんへ

    保護された白猫は幸運でした。
    幼いとはいえ既に生後半年‥‥、これくらいなるとなかなか里親さんは見つかりません。

    ミイロがいてくれたお陰で仔猫は寂しい思いをせずに済みました。
    そのミイロはまだ若いですが、今まで様々な苦難を経験しているようです。
    そして賢く逞しい子ですから、今回のことも彼女なら乗り越えてくれると思います。
    切ないことには違いないですが‥‥。

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