元海岸猫二題

2011年07月15日 06:00

チャチャさんから写メールが届いた。

それには、ツバサ改め“チビタ”が写っていた。
チビタ11-01
猫風邪治療中のチビタは顔の数倍もあるエリザベスカラーを装着している。しかしその表情を窺うと、幸せそうに笑みを湛えているようだ。


次の写真は別の日に撮られたチビタの昼寝シーンだ。
よく見ると、エリザベスカラーが更に大きなモノに換わっている。
チビタ11-02
チャチャさんのメールによると‥‥、飲薬と目薬の効果で眼の具合が良くなり、医師から許しが出てエリザベスカラーを外したところ、自分で引掻いてまたすぐ悪化させたため、病院で再びカラーを着けられたそうだ。
ともあれ、あのまま海岸にいたら、こんな治療は受けられなかったことだけは確かだ。





チャチャさんからのメールとほぼ同時に、はやま風銀さんからもメールが届いた。


そのメールには懐かしい“新入り猫”の近影が添付されていた。
去年の9月に、船宿エリアから旅立っていったこの子は言わばチビタの先輩にあたる。

かぼず11-01
はやま風銀さんの仲介により、横浜に住む里親さんへ貰われた新入り猫は“カボス”と名付けられ今は家猫として暮らしている。
しかし、未だ里親さんに体を触らせぬ頑なな態度を貫いているという。そんなカボスに対して里親さんは「カボスはすごく可愛い」と言って、触れる日を想って首輪を何個も買っているらしい。
そして少しずつではあるが、カボスが心を開く兆しを見せていると、里親さんははやま風銀さんに語ったそうだ。



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我が故郷を東西に分かつ清流。
110530-01
何の漁に使うのか分からないが‥‥、小舟が4艘ひっそりと浮かんでいる。


此処は磯の香がするほど河口に近い。川幅も広く、流れも緩やかだ。
110530-02
川向こうの彼方に、故郷の山々が連なっているのが遠望される。
私がこの町を離れて30有余年‥‥、町は少しずつ、しかし確実に変容しているが、それでもこの山河だけは、往時の面影を留めている。



私は、その川沿いの堤を1kmほど遡った。
110530-03
その川に架かる橋の上から川面を見つめているみすぼらしい雑種犬‥‥、実家で飼っている愛犬だ。


物忘れが酷くなった母にこの犬のことを訊いても要領を得ないのだが、11、2歳だと推察されるこの老犬、元は捨て犬だったそうだ。たまたま通りかかり、仔犬だったこの子を拾ってきたのだと、母は言う。
110530-04
更に母は、それまでにずいぶんと苛められていたらしいと言った。だからだろうか、今でも常に何かに怯えている。
この泣き出しそうな表情もこの犬の常態であって、けっして私の所為ではない。






さて、実家に帰ってから2週間余りが経った今、私は奇妙な想いに囚われている。


老犬の散歩、歩行が困難な母に代わっての所用、父との面会と、外出することも少なくないのだが、その際に猫の姿を見ていないのだ。
そう‥‥、ただの一度も。

行く手を横切る影や、物陰からこちらを胡乱げに見つめる視線に一度や二度は遭遇してもよさそうに思えるのだが。
家猫、野良猫に拘らず私の故郷には1匹の猫も外にいないということなのだろうか‥‥?

猫がいない町。

このことを意識するようになった私は、胸騒ぎに似た妙に落ち着かない気分を味わっている。

そこで私は、漁港へ赴くことにした。
漁港と猫‥‥、この組み合わせは全国共通‥‥、否、世界共通であると思えるからだ。

漁港
この“猫探索”の模様は次回の記事に譲ることにする。


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ご報告

入院直後に危篤状態に陥った父でしたが、医師の懸命な治療といくつかの僥倖のお陰で、自立呼吸が出来るまでに回復しました。

ただ、肺の奥深くに溜まった痰を摘出するための手術を来週受けることになり、その効果が表れるのに2ヶ月を要するとのことです。
また心臓にも疾患が見られることから、しばらくはICUでの治療が継続される予定です。

父のことがあり、所期の目的であった私の静養は隅へ追いやられました。
このことが私の精神にどのように作用するのか分かりませんが、今は静かに父の回復を待ちたいと思います。

今回の一連の私事に対して多くの方からコメント(鍵コメ含め)、ことづて、メールなどで温かいお言葉を頂き感謝しています。
この場を借りてお礼申し上げます。
管理人:wabi




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コメント

  1. Kiryu | URL | T2RJUesU

     おはようございます。

     チビタ、カボス・・・幸せになってよかったです。
     
     お父様の快復をお祈りしています。

  2. みい | URL | -

    とても綺麗なところですね。

    何日かぶりにこちらのブログを見たのですが、更新されてて感激です。ちびた君良かったですね。そして「カボス」。きっと心を開いてくれることでしょう。我が家にも瀕死の状態で保護した子猫(当時)がいますが、当初不自由な体で逃げ回っていました。でも2年たつ今ではすっかりあまえんぼうさんです。wabiさん宅のワンちゃん。本当に泣き出しそうなお顔してますね。思わず笑ってしまいました(失礼)そして我が家にもやはり拾い犬がいるのですが、いつも困った顔してます。表情が似てます。虐待されてたらしく、傘を異常に怖がるんです。私にはすっかり懐いてくれてますが・・。
     wabiさん御無理なさらないよう、体調が良くなりますように。そしてお父様の快復を心よりお祈り致します。それにしても・・猫がいない町・・どうしたのでしょうね・・。また更新を楽しみにしています。

  3. いちこ | URL | FB7mWt1U

    wabiさん、こんにちは。
    海岸を巣立った猫さんの近況をご覧になって、
    wabiさんもほっとされているのではないかと思います。
    良い方達にめぐり合えて、本当によかったですね。
    そして、
    wabiさんの故郷写真を見る事ができて、嬉しいです。
    川沿いの道を 山に向かって歩いてみたくなります。

    漁港で猫さんとの出会いがあるといいですね。
    次回を楽しみにしています。

    お父様の手術が無事終わられる事と
    順調に回復されます事を心からお祈りしております。
    暑さ厳しい折、wabiさんもどうぞご自愛くださいね。

  4. ゆきママ | URL | -

    お久しぶりです

    久しぶりに<チビタ>くんやや<かぼす>ちゃんの写真を見せていただき、お世話にかかわったものとして、うれしく思っています。<はなみ>ちゃんもふくめ、みんな幸せな家猫になれましたね。ブログの力あってのことと感謝しています。
    ご両親さまのこと、まだまだ手助けが必要なことでしょう。どうぞご自身もご自愛くださいませ。また海岸でお会いできる日を楽しみにしています。

  5. wabi | URL | -

    Kiryuさんへ

    先日は失礼しました。

    元海岸猫の近況を紹介するのは、私としても無上の喜びです。
    幸せになってほしいと、切に願っています。

    父もようやく峠を越したようで、少しずつではありますが回復しています。
    ただ、退院後にも大きな問題を抱えていて‥‥、頭が痛いです。

    お気遣いありがとうございます。

  6. wabi | URL | -

    みいさんへ

    コメントありがとうございます。

    海岸から里親さんに引き取られのは、ごく一部の恵まれた野良です。
    ですから、彼らにはその幸せにその生涯を全うしてほしいと願わずにはいられません。
    残された海外猫の分まで幸せになってほしいと‥‥。

    実家の老犬が苦手とするのは、雷、花火、草刈機などの“大きな音”“不快な音”がするモノです。
    つまり、今の季節はこの犬にとって最悪の時期にあたります。
    これらの音が聞こえると、悲痛な鳴き声から次第に怒りの声に変わっていきます。
    こうなると、どんなに宥めすかしても一向に効果がありません。
    小さい頃のトラウマなのでしょうね‥‥。
    おそらく、みいさんところのワンちゃんも傘について嫌な思い出があるのでしょう。
    犬も人と同じように、心の傷を抱えて生きているんですね‥‥。

  7. wabi | URL | -

    いちこさんへ

    書中お見舞い申し上げます。

    野良猫は常に明日をも知れぬ身‥‥、ですから優しい里親さんに迎えられた子らを見るとホッとします。
    もう彼らには、明日を守ってくれる人がいるのですから。

    「ふるさとの山にむかいて言うことなし 故郷の山はありがたきかな」
    この歳になって、啄木の歌がしみじみと心に沁みます。
    町やそこに住む人が変わっても、山河だけはそのままです。
    本当にありがたいことです。

    いちこさんの写真にある九州の風景はやはりダイナミックですね。
    わが故郷は海と山が接近した狭隘な土地ですから、自然を満喫するというには程遠いものがあります。
    その海岸線も殆どがコンクリートで固められ、此処にいた頃より海に親しむことはありませんでした。
    そろそろ湘南の海が恋しくなってきました。(笑)

    お心遣いありがとうございます。
    父もゆっくりとではありますが、回復に向かっています。
    いちこさんもますますご自愛のほどを。


  8. wabi | URL | -

    ゆきママさんへ

    元海岸猫の現在を知ると、本当に良かったな、と思います。
    何があるか分からない野良の生活から脱することが出来た彼らは幸運でした。
    全ての野良がそうなればいいのですが、現実はそうはいきません。
    残された子らにも幸あれと願うばかりです。

    父は回復の兆しを見せましたが、実家には問題が山積していて、とても自分の静養などに時間を遣える状況ではありません。
    ある程度の目処が付くまで、今しばらく時間がかかりそうです。

  9. にゃにゃにょ | URL | RCXKb8Z6

    お久しぶりです

    ・・wabiさん、お元気そうで何よりです。
    またこうしてこちらのブログを拝見できるとは、
    嬉しい限りです・・。
    それにしても穏やかそうで良いところですね・・。
    きっとこの環境は、今のwabiさんの体には
    一番の特効薬になってくれるでしょう・・。
    きっと、巡り合った猫達が心配してくれたんですよ。
    ・・どうぞ、ゆっくり心と体を休めてやって下さい。
    ・・また覗かせて頂きます。

  10. wabi | URL | -

    にゃにゃにょさんへ

    コメントありがとうございます。

    ネットカフェでの更新は環境の違いもあって、時間がかかり閉口しています。

    帰る度に町は変容していますが、所詮小さな田舎町なので時間の流れが緩やかに感じます。
    それに遠望できる山は昔と殆ど変わりません。
    これには心を癒されますね。
    ただ実家自体には問題が山積で、先が思いやられそうですが‥‥。

    目処がついたら自宅に戻ろうと思っているのですが、それがいつになるのか、まだ分かりません。

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