ミケの三竦み

2009年12月28日 17:15

AM7:15 雲は空全体を覆い、海岸をモノトーンの世界に変えていた。
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そんな中、一際目立つ赤いコートを着た人を発見。「玄ママさんだ!」
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玄ちゃんは、今日も元気でした。


「ミケ、おはよう。調子はどうよ。サンマとは仲良くやっているか?」
そこへ、サンマが近づいて来た。

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ミケは、威嚇の唸り声でサンマを追っ払った。


まだ薄暗いエサ場。フラッシュでの撮影を余儀なくされた。
しかし、これがいけなかった。ミケはフラッシュが大嫌いだ。

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そのあと、名を呼んでも私の方を向いてくれなくなった。


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仕方なく、画質を犠牲にして高感度モードで撮影。


そうしているうちに、雨が降ってきた。ミケは松の根元で雨宿り。
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「サンマ、ミケはまだ仲良くしてくれないようだな」
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「諦めずに頑張れよ!応援してるぞ」
雨脚がしだいに強くなったので、帰路に就くことにした。



そんな雨の中、ひとりボードウォークから海を眺める女性がいた。
今彼女の心に去来するものは‥‥などと想像する余裕を与えてくれないほど、雨脚がさらに強くなってきた。

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私は小走りで海岸をあとにした。





PM3:30 朝の空模様からは想像できない青空が広がっていた。
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エサ場へ行ってみると、ミケの姿が見えない。エサ場周辺も捜してみたが、どこにもいない。
サンマは、いつもの呆けた顔でぽつねんとしていた。

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「おいサンマ、ミケは何処へ行った。まさか、お前が追い出したんじゃないだろうな」


そこへ、ひとりの初老の男性が、ミケとサンマのためにエサを持って現れた。
私は初対面のその人が誰なのか、最初に顔を見たときに分ってしまった。
ボランティアの人達から何回となく聞いた『先生』だと。
私が「先生でしょ」と言うと、果たしてその男性は苦笑いしながら「そうです」と答えた。

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この『先生』のことを、今ここで説明するのは面倒なので止めておく。
ミケを捜したら、エサ場から20mほど東の植え込みの中に座り込んでいたのを発見した。



そこへ、ボランティアのIおばさんもやって来た。
Iおばさんが「サンマを、今から元のエサ場に連れて行こうか」と言うので、無駄だと云うことを説明した。

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そうしたら、今度は西の植え込みから、例の茶トラが現れた。
「ったく、千客万来だな、このエサ場は」
その間の写真は撮っていない。エサ場に戻ったミケに、茶トラが近づかない様にしていたからだ。



そして、最後に登場したのが長靴おじさんだ。
(私は、ここに鳩山首相が現れても驚かない心境になっていた)
話を訊くと、この茶トラは長靴おじさんの飼っているだと言う。
「だったら、最初に茶トラのことを話したときに言ってくれよ」

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名前は『チビ太郎』だと言う。どう見ても『デカ太郎』だ。
ミケはこの長靴おじさんに三年ほど飼われていた。(その辺の経緯は【ミケの過去】に詳しい)
しかし、チビ太郎がミケを苛めるので、ミケを元いた場所に戻したと云うのがおじさんの説明だ。この話は既に聞いていたが、そのチビ太郎が茶トラだと云うことは教えてくれなかった。


長靴おじさんが茶トラを連れて帰ろうとしていた時に、事件が起こった。
私はこの2枚の写真を撮ったあと、ミケのところへ戻ったのでその瞬間は見ていない。
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この直後、茶トラが飼い主の長靴おじさんの左手を噛んで、逃げたのだ。
茶トラは、ミケのいる方に走って来た。そのあとを追って来たおじさんの左手親指からは血が噴出していた。尖った牙が深々と刺さったと言う。
私が手渡したティッシュが、見る間に鮮血で染まっていく。
長靴おじさんは治療のため茶トラを残したまま帰って行った。



この茶トラの表情、不敵に笑っている様に見えるのは、私だけだろうか?
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長靴おじさんの話によると、この茶トラは小さい時から凶暴で喧嘩が強く、周りにいたを全て追い出したそうだ。


ミケ、サンマ、茶トラの三匹が同じ距離をとって牽制し合っている。
「これじゃ、まるで三すくみだな」

ミケ091228-12.jpg
しかし、正確に言うと、これは三すくみではない。
何故ならミケは、茶トラとサンマ両方のオスを警戒しなければならず、一番不利な立場にあるからだ。



気が付くと、私以外誰もいなくなった。『先生』も『Iおばさん』も帰ってしまった。
「この状況で、帰るとは‥‥。エサをやったらおしまいなのか」
このままだと先日と同じ様に、ミケがこのエサ場を追われることになるだろう。

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サンマと茶トラ、どっちを排除すべきか、答えは決まっている。


「茶トラ、お前だ!」
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しかし、こいつは今、飼い主の手を噛んで逃げ出すほど凶暴になっている。
うかつに手を出すと、長靴おじさんの二の舞になるのがオチだ。
しかし、既に辺りは暗くなってきている。躊躇している時間はない。





私は、またたびの入った容器のフタを取り、匂いを嗅がせるようにして茶トラに近づいて行った。

初めは潅木の間から威嚇の唸り声を発していた茶トラだったが、またたびを近づけると、態度を一変させ地面に横たわった。
(残念ながら、この時写真を撮る余裕はなかった)



そうして、私の手の届くところまで近づけておいて‥‥


素早く首根っこを押さえつけた。
凶暴なを大人しくさせるにはここを掴むしかない。普通に抱いたりしたら、噛まれるか、引掻かれるかのどちらかだ。たいていは両方の攻撃に遭い、手は傷だらけになる。



3キロ以上ある茶トラを、200mほど離れた長靴おじさんの所まで運んでいった。


おじさんの家の前で「おじさん、届け物だ!」と声を掛けた。
長靴おじさんの左手親指の出血は止まっていたが、腫れている。

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私は、おじさんの「ありがとね」という言葉を背中で聞きながら、暗くなった防風林をあとにした。


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「なんだか、今日は疲れた‥‥」



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コメント

  1. NKC | URL | -

    こんばんは。
    茶トラ君、長靴おじさんの家の子だったんですね。
    どうしてミケちゃんをそのまま飼ってあげなかったのか
    ずっと不思議だったのですが、ようやく謎が解けました。

    wabiさんのご決断により、ミケちゃんがエサ場を
    追いやられなくて済み、ほっとしています。
    200mもの距離を茶トラ君の首を持って移動するのは
    さぞかし重かっただろうと思います。
    お疲れ様でした。そして長靴おじさんの怪我が早くよくなりますように。

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